生まれたばかりの赤ちゃんが見せる、指をぎゅっと握る仕草。
これは「把握反射」と呼ばれる、赤ちゃんが生まれながらに持っている反射運動の一つです。
いつから始まり、いつまで続くのでしょうか?
この記事では、把握反射の時期や意味、見られない場合の注意点まで詳しく解説します。
赤ちゃんの成長を見守る上で、知っておきたい情報が満載です。
把握反射とは?
把握反射とは原始反射の一つで、生まれもってそなわっている行動のひとつです。
把握反射は、新生児の足の裏や手のひらを軽く押したときに、足の指を折り曲げたり、手を握り返してきたりする動作のことをいいます。
指を赤ちゃんの手のひらに近づけると、赤ちゃんがその指を“ぎゅっ”と握りしめるのを見て愛おしい気持ちになったことはないでしょうか。そしてそれは手だけでなく、足も同じように反応しています。
把握反射ってどんな行動に繋がってくの?いつまで続くの?赤ちゃんの行動についてみていきましょう。
原始反射とは
原始反射とは生まれたばかりの赤ちゃんに見られる無意識の反応のことをいいます。
赤ちゃんはまだ自分の意思で動くことができないので意識的な動作ではなく、周りからの刺激によって勝手に体が反応する無意識におこる反応です。
原始反射は基本的にすべての赤ちゃんに見られ、生きていくために大切な行動でもあるのです。脳や神経系、発達などに問題がなく、健康に育っているかを見る基準のひとつにもなります。
また、原始反射は複数あり、把握反射のほかにも、モロー反射、哺乳反射、自動歩行、バビンスキー反射など約20種類もあります。
把握反射は何につながるの?
外からの刺激によって手足をぎゅっと握る、把握反射を繰り返すことで運動神経が向上していきます。そして少しずつ、握力がついたり、自分の意思で物をつかめるようになってきます。
また手だけでなく、足にもこの把握反射が見られます。足の把握反射は、足の裏(土踏まずの辺り)を綿棒や指で刺激すると足の指5本ともキュッと曲げる動きをします。
この動きを繰り返すことで、歩くときに、足の裏でバランスをとったり、しっかりと足の裏全体で体のバランスをとったりできるようになります。
把握反射はいつまで続くの?
把握反射は、基本的には0~3ヶ月の赤ちゃんに見られる行動で4ヶ月頃から次第に消えていきます。把握反射が消えることで、だんだんと自分の意思で物をつかめるようになってくるので楽しみですね。
足の反射はもう少し長く、自分の足で立つようになる生後9~11ヶ月頃になくなります。足の把握反射が消失したときに、つかまり立ちをしたり、1人で歩いたりすることができます。
把握反射がなかなか消えない・・・そんなときは?
把握反射は消失する時期には個人差があるので、1~2ヶ月でしたら見守ってあげることもいいでしょう。
筋肉の発達によって、把握反射が強い、弱いと感じられることもありますが、しっかりと原始反射がみられていたら大丈夫ですよ。
しかし、原始反射が消える時期にもかかわらず、しばらく続く場合は、かかりつけ医に一度相談してみましょう。
定期健診でお医者さんも原始反射が見られるかを確認していますので、そのときにお話を聞くのもいいですね。
原始反射がなかなか消えないときには、発達の遅れや、脳や神経に伝達がうまくいかない何らかの異常が見られることがあります。
1人で悩まずに相談し、お医者さんと一緒に対応していきましょう。
把握反射を促す
ときどき、赤ちゃんの手や足を刺激してあげることで把握反射を促してあげましょう。
赤ちゃんは把握反射を繰り返すことによって運動神経が向上したり、筋肉が発達したりしてきます。
また、把握反射がなくなり、1人で歩き始めたとき、家の中では靴下をはかないことをおすすめします。
まだ赤ちゃんはバランスが不安定なので、足の裏や指で足を踏ん張るときに、靴下をはいていると滑ったり、うまく地面を蹴ることができません。
赤ちゃんは少々寒くてもお部屋でしたら裸足で大丈夫ですよ。滑ったり、転倒したりしないよう十分に見守ってあげてくださいね。
さいごに
赤ちゃんに見られる原始反射のひとつ、把握反射についてお話ししました。
手だけでなく、足もぎゅっと握ることで物をつかんだり、歩く準備をしたりしています。
見られるのはほんの赤ちゃんの時期だけですので、優しく刺激を与えながらその可愛い反応を楽しんでくださいね。