生まれてすぐの赤ちゃんのおへそはまだ乾いてなく、ジュクジュクした状態です。「ジュクジュクしていますが大丈夫ですか?」「ケアは必要ですか?」という心配の声をよく聞きます。成長するにつれておへそはどのようになっていくのか、またおへそのケアについてご紹介していきます。
生まれたての赤ちゃんのおへそ
お腹のなかでおかあさんと赤ちゃんはへその緒で繋がっています。そして、生まれたと同時にそのへその緒はカットされますが、その一部は赤ちゃんのおへそ側にくっついたまま残り、完全に取れるまで少し時間がかかります。
へその緒がとれるまでの期間、とれた後はケアが必要です。どのようにケアしていくのか見ていきましょう。
へその緒がとれるまで
赤ちゃんのはへその緒を切ったとき、へそに傷がのこっている状態で非常にデリケートになっています。へその緒が乾燥すると、徐々に縮んで茶色に変わって硬くなり、自然と取れていきます。おむつ替えや沐浴のときなどに、いつの間にかと取れていたなんてこともありますよ。
まずは、へその部分が蒸れないようにすることが大切です。
乾くまではおむつの端を折っておむつがおへそに当たらないようにしたり、おへそ周りを消毒したりするようにしましょう。消毒方法についてはへその緒がとれた後のケアと一緒にご紹介しますね。
へその緒がとれるまでの時間には個人差があり、早い人で産後の入院中に取れる人もいれば、遅い人では約1ヶ月かかる人もいます。無理に取ろうとせずに、生後1ヶ月くらいまでは、取れなくても焦らずに様子を見ましょう。1ヶ月健診の時にまた相談してみるといいすよ。
へその緒がとれた後のケア
へその緒がとれたあと、赤ちゃんのおへそはジュクジュクした状態になります。肌の状態は万全ではなく、炎症を起こしたり、感染したりしやすくなっているため、消毒しながらおへそを空気に当て、乾燥させることが大切です。
消毒の仕方
ではへその部分をいつ、どのように消毒するといいのでしょう。出産の時にへその消毒セットをもらったり、沐浴指導で教えてもらったりすることもあります。
消毒はまずは一日一回を目安にしてみましょう。タイミングとしては、沐浴後がおすすめですよ。水分をしっかり拭き取ってから、おへその根元~へその緒の部分にかけて、消毒液をふくませた綿棒で全体的に消毒していきます。へその緒を持ち上げたり、動かしたりすると「赤ちゃんが痛いかな・・・?」と心配になるかもしれませんが、少し動かす程度でしたら大丈夫なので、怖がらずに優しく動かしてあげてくださいね。
もしも、消毒して赤ちゃんの肌が赤くなることがあったら、一度消毒をやめかかりつけ医に相談するようにしてくださいね。
こんなときは受診を
・長い間おへそがジュクジュクした状態が続く
・膿が出る
・変なにおいがする
・おへそや周りが赤く腫れている
・出血がある
おへその状態が、こんなときには菌が感染している場合があります。なるべく早く、受診するようにしましょう。
おへその病気とは?
おへそが蒸れて炎症を起こしたり、菌が繁殖したりした場合、次のような病気にかかることがあります。
臍炎・臍肉芽腫
おへその周りが蒸れたり、赤ちゃんが手で触ったりして、感染して炎症をおこすと、臍炎(さいえん)・臍肉芽腫(さいにくげしゅ)になる場合があります。
赤く腫れたり、膿が出てきたり、おへそから変なにおいがするのが特徴的です。消毒をしながらも、薬を塗ったり、薬で表面を焼いたり、するなどの処置をしないとなかなか治らないこともあるため、受診をおすすめします。
臍ヘルニア
臍ヘルニアとは『でべそ』のことをいいます。赤ちゃんのうち5~10人に1人くらいの割合でみられます。へその緒が取れた直後の臍の穴がふさがれてない時期にお腹に圧がかかることでべそになります。赤ちゃんのへその緒の部分の皮膚や筋肉が成長ともにくっついていきますが、なかなか閉じずに腸がそこから出てきてしまうことがあります。
臍ヘルニアは赤ちゃんが痛がることはありませんが、触ったり引っ張ったりしないように気にして見てあげてくださいね。
1歳を過ぎると自然に治ってくると言われていますが、治らない場合は様子を見ながら手術をする場合もあるので「でべそかな?」と気になったときには早めに一度受診するようにしてくださいね。
さいごに
生まれたての赤ちゃんのおへそは、デリケートな状態になっています。へその緒がとれる前後で少しの間、ジュクジュクした状態が続きますが、消毒したり、乾燥させたりしながら優しくケアしてあげましょう。成長するにつれて自然と乾燥してきますので、安心してくださいね。万が一、腫れたり、出血したり、赤みが見られたときには、受診するようにしましょう。