生まれたばかりの赤ちゃんが、まるで歩いているような仕草を見せる「原始歩行」。
実はこれ、誰に教わったわけでもないのに備わっている反射行動なんです。
でも、いつまで見られるのか、消えないとどうなるのか、気になる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、小児科医監修のもと、原始歩行のメカニズムから、見られない・消えない場合の注意点、そして歩行発達との関係まで、専門家の視点で詳しく解説します。
赤ちゃんの健やかな成長を願うあなたに寄り添う情報が満載です。
原始歩行とは?
原始歩行とは原始反射の一つで、生まれもってそなわっている行動のひとつです。
原始歩行は新生児の腋(わき)下を支えて起立させ、足を軽く床につけて前傾させます。そのときに赤ちゃんが、左右の足を交互に動かしてまるで歩いているような動作をすることをいいます。
原始歩行はいつみられるの?どのような行動につながっていくの?赤ちゃんの行動について見ていきましょう♪
原始反射とは
原始反射とは生まれたばかりの赤ちゃんに見られる無意識の反応のことをいいます。赤ちゃんはまだ自分の意思で動くことができないので意識的な動作ではなく、周りからの刺激によって勝手に体が反応する無意識におこる反応です。原始反射は基本的にすべての赤ちゃんに見られ、生きていくために大切な行動でもあるのです。脳や神経系、発達などに問題がなく、健康に育っているかを見る基準のひとつにもなります。
また、原始反射は複数あり、原始歩行のほかにも、探索反射、モロー反射、哺乳反射、自動歩行、バビンスキー反射など約20種類もあります。
原始歩行が見られる時期
原始歩行は、生後1~2ヶ月頃まで見られる行動で次第に消えていきます。不思議なもので歩けるようになるまで続くものではないようです。原始歩行が消えると、次第にお座りしたり、ハイハイしたりまた別の姿勢を保とうとするはたらきがみられます。
原始歩行から歩行ができるまで
原始歩行から(二足)歩行ができるようになるまで、4段階に分けて発達するといわれています。
第一段階…原始歩行がみられ、1~2か月で消失します。
第二段階…お座りやハイハイができるようになる期間で、姿勢を保てるようになります。
第三段階…1歳前後で歩行できるようになります。
第四段階…3歳頃になると走るなど、大人と同じように少し複雑な動きもできるようになります。
赤ちゃんは歩けるようになるまで、いろんな準備をしているんですね。
原始歩行が見られない…そんなときは?
原始反射は消失する時期には個人差があります筋肉の発達によって、反射が強い、弱いと感じられることもありますが、しっかりと原始反射がみられていたら大丈夫ですよ。
しかし、原始反射が消える時期にもかかわらず、しばらく続く場合は、かかりつけ医に一度相談してみましょう。定期健診でお医者さんも原始反射が見られるかを確認していますので、そのときにお話を聞くのもいいですね。
原始反射がなかなか消えないときには、発達の遅れや、脳や神経に伝達がうまくいかない何らかの異常が見られることがあります。
1人で悩まずに相談し、お医者さんと一緒に対応していきましょう。
さいごに
赤ちゃんに見られる原始反射のひとつ、原始歩行についてお話ししました。生まれながらに、『歩く』という力が備わっているんですね。自動歩行やハイハイする時間は、歩くための準備期間でもあります。繰り返すことによって筋力も自然とついていきます。1歳ごろから歩き始めたり、一緒にお散歩したりできるようになるのが楽しみですね。焦らず見守ってあげましょう♪
他の反射についての記事もありますので良かったら参考にしてくださいね。