育児・赤ちゃんについて

赤ちゃんの股関節について|股関節脱臼に注意しよう

2021年3月23日

赤ちゃんは寝ているときも、抱っこされているときも常に足が軽く曲がっている状態になっていますよね。それは股関節に特徴があるからです。
実は赤ちゃんの股関節は大人と違ってとても柔らかく、ゆるゆるの状態なんです。無理に足を伸ばそうとしたり、引っ張ったりするなど様々な理由で赤ちゃんは『股関節脱臼』という病気になります。股関節脱臼とはなにか、それを防ぐにはどうしたらいいのか、お話していきましょう。

股関節脱臼とは

赤ちゃんの自然な姿勢とは、仰向けで寝転がったときに、股関節と膝が軽く曲がり足がM字になっている状態です。この姿勢が崩れていたり、無理に脚を伸ばそうとしたりすると、赤ちゃんの股関節が脱臼してしまいます。この脚のつけねの関節がはずれた状態のことを『股関節脱臼』といいます。

股関節脱臼になる理由

股関節脱臼になる理由は先天性のものと、後天性のものがありますが、最近では約9割が生まれてから何らかの原因で引き起こすものだといわれています。原因としていくつかあげてみましょう。

向き癖がある

赤ちゃんが仰向けで寝ているとき、いつも同じ方向を向いていることはありませんか?どちらか一方だけ向き癖があると、向く反対側の脚が立て膝になり、股関節が脱臼しやすくなってしまいます。そっと頭の向きを変えてあげたり、玩具を置いてみたりして左右偏らないようにしましょう。

女の子に多い

股関節脱臼になる確率は男の子にくらべ女の子の方が5~7倍多いといわれています。女の子の股関節は比較的柔らかく、股関節脱臼をおこしやすいといわれています。

冬に産まれた赤ちゃんに多い

冬場に産まれた赤ちゃんにみられるのが多いのは、寒いからといって衣類にくるまれることが多く、脚を自由に動かせないことが原因です。脚を伸ばした状態で衣類を身につけないように注意したいですね。

先天性のもの

出産時に逆子やなんらかの原因によって股関節を脱臼することがあります。

遺伝的なもの

家族に股関節脱臼になった人がいる場合は、赤ちゃんも同じようになりやすいといわれています。

股関節脱臼に気付くポイント

股関節脱臼は早く気付くことで、軽度であれば自然に治すことができます。しかし、重度であれば、入院して治療したり、数ヶ月装置をつけて治していく必要があります。赤ちゃんが入院したり、治療したりするのはおかあさんも辛いですし、大変ですよね。股関節脱臼に早く気付くことが大切です。
☑左右の脚が均等に開くかどうか
☑仰向けで両足を立てたときに膝の高さが違わないかどうか
☑片側の足だけおむつを履かせにくいかどうか
☑股や太もものしわの数や深さ、位置が左右で違っていないか

当てはまるものがあると必ずしも股関節脱臼とはいえませんが、可能性はあります。少し違和感があったり、気になる場合はお医者さんに相談したり、受診したりするようにしましょう。
病院で健診のときに、お医者さんが触診で分かることもあれば、軽度の場合見逃してしまうこともありますので、おかあさんも日常生活の中で気付けるといいです。

気をつけたいこと

股関節脱臼にならないためにも、日常から気をつけられることがたくさんあります。赤ちゃんは股関節が柔らかく、些細なことで脱臼してしまう危険があるので、引き起こさないためにもいくつか注意しながら赤ちゃんと楽しく過ごせるようにしましょう。

おむつのサイズと替え方

おむつがきついと、赤ちゃんの脚を締め付けてしまい自由に動かしくくなります。きつすぎないもの、赤ちゃんの脚の動きの妨げにならないものを選ぶようにしましょう。成長するにつれておむつの大きさもかえてあげてくださいね。
また、おむつ替えのときに無理に脚を引っ張ったり、もちあげたりしないように注意しましょう。赤ちゃんのお尻を浮かせたいときには、お尻や腰からそっと持ち上げるようにしておむつ替えを行うようにしましょう。

身につける衣類

かたい素材の衣服や、脚を締め付けるような衣類は赤ちゃんの脚の動きのさまたげになります。歩けるようになるまでは、やわらかい素材で脚が曲げられるような楽に着られる衣類を身につけるようにしましょう。

抱っこの仕方

“コアラ抱っこ”を知っているでしょうか?股関節と両膝を曲げ、脚がM字の状態でおかあさんに抱っこされている状態のことをいいます。この状態は赤ちゃんの自然な姿勢ともいえます。正面抱きの場合は抱っこ紐をつけていても、この状態が保てるので安心ですが、横抱きの場合は少し注意する必要があります。横抱きは赤ちゃんの脚が伸びてしまい、脱臼する危険もあるのであまりおすすめできません。

向き癖に気をつける

赤ちゃんが寝ているときに同じ方向ばかり向いていると、反対側の脚の股関節がかたくなり脱臼しやすくなります。赤ちゃんの向き癖が気になるときは、そっと頭の向きをかえてあげたり、向き癖のある反対側から話しかけるようにしたり、タオルや低いクッションで高さをつけたりするのもいいですよ。

さいごに

赤ちゃんは股関節脱臼になっていても痛みや違和感を感じることがないといわれています。泣いて訴えることがないので、周りの大人が気付いて対処してあげることが必要です。日常生活のなかで赤ちゃんの脚を引っ張ったり、締め付けたりしないように注意しながら赤ちゃんの健やかな成長を見守っていきましょう♪もしも不安なことや気になった場合には一人で抱え込まずに、お医者さんに相談したり受診したりするようにしてくださいね。

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  • この記事を書いた人

助産師ゆき

看護師免許
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保健師免許

8年間助産師として勤務し、様々な妊産褥婦さんと関わり勉強させていただきました。
その後2020年に第1子を出産し、今までの経験を総動員して育児をしてみたものの上手くいかないことが多々あり、育児の難しさを身に染みて感じました。でもそれ以上に子供は可愛く大変さも吹き飛ぶ日々。現在は育休から復職し、育児の経験を踏まえ、専門的な知識だけではなく、生活で役に立つ情報を伝えられたらいいなと思います。どうぞよろしくお願いします!
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