育児・赤ちゃんについて

新生児「しゃっくり」が多いと問題?しゃっくりが多い原因と対処法を知ろう

2022年10月12日

新生児「しゃっくり」が多いと問題?しゃっくりが多い原因と対処法を知ろう

保育士とも
こんにちは。保育士ともです。

赤ちゃんと一緒に生活していると、突然赤ちゃんが「しゃっくり」を始めることがあります。しゃっくり自体は大人でも自然に発生するもので問題ないと思うママさんのほか、「ウチの子、ずっとしゃっくりしているけれど、問題ないかな?」「頻繁にしゃっくりしているけれど、何かの病気?」と心配になってしまうママさんもおられるでしょう。

ここでは、新生児のしゃっくりが問題になるのかどうかについて解説します。お子さんのしゃっくりが不安なママさん・パパさんにとって大切な情報がたくさん盛り込まれていますので、ぜひ最後まで読んでくださいね。

なぜしゃっくりは発生するのか?

なぜしゃっくりは発生するのか?

まずは、そもそも「なぜ、しゃっくりは起こるのか?」しゃっくりのメカニズムについて解説しますね。しゃっくりを一言で説明すると、これは「横隔膜のけいれんによる症状」です。もちろん、大人も子供も同じですね。

人間は、呼吸をする際に「肺」を膨らませたりしぼませたりすることで、空気を体内に取り込んで二酸化炭素など不要な気体を体外に排出しています。このとき、その肺の動きを下から支えているのが「横隔膜」という部位なんです。

横隔膜が上下することで、肺の大きさをコントロールして呼吸しています。息を吸う時には横隔膜が下がって肺を膨らませ、息を吐くときには横隔膜が上がることで肺をしぼませているんです。

この、呼吸において重要な部位である横隔膜ですが、何らかの原因で突然「けいれん」を起こすことがあります。けいれんによって横隔膜が急速に縮むと、肺の中に勢いよく空気が取り込まれることになります。それと同時に、喉にある声門(声を出すための門)が閉まるため、あの独特な「ヒック」という声が出るんです。

「驚かす」とか「水を飲む」といった民間的な対処方法が知られていますが、そんなことをしなくても多くの場合は数分でしゃっくりは治まるでしょう。(私は息を30秒止めて、ごくりと飲み込むやり方をしていました。)

 

しかし、何時間もしゃっくりが続くようであれば、健康上に問題を生じることになります。

たとえば「食欲が低下してしまう」「夜、眠れなくなってしまう」といった弊害が考えられます。また、それだけ長く続くしゃっくりだと、その原因として何らかの病気の存在が疑われますので、早めに病院で診てもらうことをおすすめします。

赤ちゃんのしゃっくりの原因

赤ちゃんのしゃっくり、放置しても問題ない?

まず、前提として新生児の場合だと大人よりも頻繁にしゃっくりが出やすいです。つまり、仮に「ウチの子、すぐにしゃっくりするけれど、問題ないかしら?」と意識するような事態であったとしても、多くの場合は健康上とくに問題のないケースが多いので安心してくださいね。

さて「新生児はしゃっくりが多い」と説明していますが、では、なぜ新生児だとしゃっくりが多いと感じることになるのでしょうか。

横隔膜が未発達だから

1つ目の理由は「新生児は横隔膜などの臓器が未発達であるから」という理由なんです。

赤ちゃんというものは、大人と比較すると体内の臓器のほとんどが未発達の状態であり、大人とは異なる機能の仕方をします。そのため、大人では考えにくい症状の出方をすることも多いのですが、これにしゃっくりも関係しているんです。

先ほどの項目で「しゃっくり=横隔膜のけいれんが原因」という話をしていますね。この横隔膜、新生児の場合だと他の臓器と同様に横隔膜も未発達の状態なんです。大人でも横隔膜が刺激されることを原因としてけいれんを起こしてしゃっくりが出ますが、新生児の場合だと大人以上に横隔膜が刺激に弱く、ちょっとした刺激でもしゃっくりを起こしてしまうんです。

授乳中に空気も一緒に吸い込んでしまう

2つ目の原因は「赤ちゃんの授乳中に母乳・ミルクと一緒に空気も吸い込んでしまう」ことなんです。

赤ちゃんの主食は、ママさんの母乳または人工ミルクです。いっぱい飲んで大きく育って欲しいものですが、この食事中にどうしても「空気」も一緒に体内に送り込んでしまうケースが多いんです。

もちろん、飲み込んでしまった空気はげっぷなどで体外に排出することができます。しかし、このとき押し出した空気が横隔膜を刺激することになりますので、これにより横隔膜がけいれんを起こしてしまい、しゃっくりをする原因になるんです。

身体が冷えることによる横隔膜の刺激

3つ目の原因は「何らかの原因で赤ちゃんの身体が冷えてしまうことによって横隔膜が刺激される」ことなんです。

身体の冷えは、身体を縮こませてしまい、これが横隔膜の刺激につながってしゃっくりの原因になりかねません。季節によっては時間的な要因も考えられますが、ともかく身体を温めることで冷えを回避し、この原因によるしゃっくりは回避できるでしょう。

とはいえ、それは大人の場合の話です。新生児の場合は、自分自身で厚着するなどして暖をとることはむずかしいことです。最大の原因と考えられる点は「おむつ」です。おしっこで濡れたおむつは赤ちゃんの身体を冷やしてしまいます。これが原因となって、横隔膜を刺激して赤ちゃんのしゃっくりをもたらしてしまうんです。

赤ちゃんのしゃっくり、放置しても問題ない?

赤ちゃんのしゃっくり、放置しても問題ない?

赤ちゃんは基本的に大人よりもしゃっくりが出やすい条件が揃っています。つまり、頻繁にしゃっくりを繰り返したとしても、基本的に問題はないといえるでしょう。

赤ちゃんのしゃっくり自体は、肺や横隔膜の機能が正常であるという証でもあります。そのため、仮にしゃっくりを繰り返すようなことがあったとしても、前述のとおり赤ちゃんはしゃっくりが出やすい条件が揃っているので問題はないといえるでしょう。

ただし、それはくまでも「問題のないしゃっくりである場合」のみです。

実は、大人にも同じことが言えますが、しゃっくりには2種類に分類できるんです。

  • ・「自然に出る問題のないしゃっくり」
  • ・「病気を原因としている安全とはいえないしゃっくり」

赤ちゃんの場合でも、後者に該当するのであれば、放置することは極めて危険な状態であるといえます。

しゃっくりの原因となるような病気

病気と聞くとママさんの不安も大きくなってしまうかもしれませんが、赤ちゃんのしゃっくりは「何らかの病気」を原因としているケースもあるんです。ここでは、赤ちゃんのしゃっくりの原因になる可能性のある病気について解説します。

肺炎

「肺炎」は、細菌・ウイルスが感染して咽頭炎などの炎症症状が、肺に影響してしまう病気です。大人と比較すると免疫力が低い赤ちゃんの場合だと、「風邪」が悪化することで肺炎を引き起こすというケースも珍しくありません。

肺炎を発症してしまうと、横隔膜に刺激が伝わってしゃっくりを引き起こす可能性があります。自然な(問題のない)しゃっくりと比較すると、しゃっくりが長続きし(数時間以上)、悪い場合だと呼吸困難を引き起こしてしまうケースもあるんです。

呑気症(どんきしょう)

「呑気症」は、空気を大量に飲み込んでしまい、胃腸が膨張してしまう病気です。赤ちゃんの場合、授乳の際や声をあげて泣いた際に多くの空気を飲み込んでしまうケースがあり、呑気症を発症してしまうケースがあるんです。

呑気症になると、大きく膨らんでしまった胃が、横隔膜を刺激してしゃっくりを引き起こしてしまうことがあります。しゃっくり以外の症状としては、頻繁にげっぷや嘔吐を繰り返したり、腹部の膨満状態を引き起こすといった症状が見られます。

イレウス

「イレウス」は、消化器官の運動低下や消化管の一部が閉塞してしまうことにより、便やガスが腸内に停滞してしまう病気です。赤ちゃんの場合、「腸重積」や「感染性胃腸炎」といった病気でイレウスを起こしやすく、腹部が膨満してしまうことで横隔膜を刺激してしゃっくりを引き起こします。

なかには「ヒルシュスプルング病」など、生まれつきの病気によって生後間もない頃からしゃっくりが止まりにくくなるというケースもあります。多くの場合は発熱や嘔吐などの症状を伴って、これは治療が遅れると「腸管壊死」などの症状を引き起こして、重篤な状態になることも少なくありません。

肝芽腫、腎芽腫

赤ちゃんの肝臓や腎臓などに発生しやすい腫瘍であり、大人の腫瘍よりも病変が早く大きくなりやすいのが特徴です。体表面から腫瘍のしこりが触れるようになることが多く、お腹の中で増大することで横隔膜を圧迫して、しゃっくりの原因になることがあります。

いずれも発生頻度は低い腫瘍だといえます。

髄膜炎、脳炎

細菌やウイルス感染により、髄膜や脳に炎症が発生する病気です。赤ちゃんの場合、中耳炎や風邪をひいた後に髄膜炎や脳炎を発症することがあり、それが原因となってしゃっくりが引き起こされることがあります。

高熱や嘔吐、呼びかけに反応しなかったり目が合わなかったり、ぐったりしているなどの症状が生じるのが特徴です。この病気は早急に治療を開始しないと、重い後遺症を残す可能性があります。

肺炎球菌ワクチンやインフルエンザ桿菌ワクチンの普及により、子どもの細菌性髄膜炎はかなり減少していますので、可能性自体はそこまで高くないといえるでしょう。

てんかん

「てんかん」は、脳の神経細胞の一部が過剰に興奮することにより、けいれんや意識消失などの症状を引き起こす病気です。先天的のものと、外傷・脳卒中などの後天的なものがあります。先天的なてんかんでは、赤ちゃんの頃からけいれん発作を生じることがあり、しゃっくりの原因となる場合があります。

赤ちゃんのしゃっくりを止める方法

赤ちゃんのしゃっくりを止める方法

赤ちゃんのしゃっくりを無理に止める必要はありませんが、「どうしても気になるから止めたい!」というママさんもおられるでしょう。そこで、赤ちゃんのしゃっくりを止める方法をいくつかご紹介します。

 

授乳後の「げっぷ」を習慣化する

1つ目の方法は「授乳後にげっぷさせることを習慣にする」ことです。

赤ちゃんのしゃっくりは、授乳時に空気を一緒に飲み込むことで起こることも多いんです。そのため、授乳後はしっかりと赤ちゃんにげっぷをさせてあげてくださいね。げっぷによって、授乳時に飲み込んだ空気を外に出すことにより、しゃっくりの原因を減らすことができるでしょう。吐き戻しも軽減されますよ◎

赤ちゃんがミルクや母乳を飲んだ後に、初めてげっぷをさせる時はどのママさんも力加減などを心配して緊張してしまうものです。背中を優しくトントンと叩いてあげるだけで案外簡単にげっぷをしてくれるので安心して対応してあげてくださいね。

身体を温めてあげる

2つ目の方法は「赤ちゃんの身体を温めてあげる」ことです。

温めたタオルを赤ちゃんのおなかや背中に当ててあげて、体をじんわりと温めてあげましょう。お風呂上がりや寒い冬の時期にはもちろんですが、おしっこの後もおむつが冷えている可能性が高いので、忘れずにおむつ替えをしたり、温めたりしてあげてくださいね。

軽く背中をトントンしてあげる

3つ目の方法は「赤ちゃんの背中を軽くトントンしてあげる」ことです。

赤ちゃんを縦に抱っこしてあげて、さするようにトントンと軽くたたいてあげてください。物理的に空気を押し出す効果も期待できるんですが、トントンされることで体が温まって自然としゃっくりが止まることもあります。ただし、強くたたきすぎると吐き戻す原因になってしまう可能性がありますので、あくまでも「優しくなでるように」たたくのがコツです。

危険なしゃっくりの見分け方

危険なしゃっくりの見分け方

最後に、安全とはいえないようなしゃっくりの見分け方について解説します。こんな時は要注意!

しゃっくりの時間が長い

1つ目のポイントは「赤ちゃんのしゃっくりの時間が異様に長い」ことです。

通常、しゃっくりは大人でも数分で治まることが多いです。赤ちゃんの場合も同様であり、何時間もしゃっくりが続くようであれば病気などが原因になっている可能性があります。また、長い時間しゃっくりを繰り返していると苦しくてつらいものです。早めに小児科に連れて行って医師に診てもらうことをおすすめします。

赤ちゃんが元気ではない

2つ目のポイントは「赤ちゃんが元気ではない」ことです。

通常、しゃっくりするだけでは赤ちゃんの体力を奪うことはありません。しかし、病気が原因の場合だと赤ちゃんの体力を奪われているケースも多く、しゃっくりしていると同時に赤ちゃんが「ぐったり」としているケースが多いんです。この場合も、早めに小児科で診てもらうことをおすすめします。

まとめ

赤ちゃんのしゃっくりが多いことは、基本的に問題がないケースが多いのでママさんも過度に心配することはないので安心してください。しかし、場合によっては病気を原因としているケースもあって、放置すると危険なこともあります。

赤ちゃんは自分の状態を言葉で伝えてはくれないので、ママさんが赤ちゃんの健康状態をきちんとチェックしてあげてください。問題のないしゃっくりの場合のほうが多いのですが、問題あるしゃっくりかどうかを見極めることが重要なんです。

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  • この記事を書いた人

保育士とも

保育士資格
第二種幼稚園免許

昔から小さい子が大好きで、夢の保育士に!7年間、保育園で働いていました。
0歳児の担任をしたときに、赤ちゃんのコミュニケーション力や意志の強さに驚きました。子どものことについての発信がママさんのお役に立てると嬉しいです。世の中のママさんを心から尊敬しています。
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