妊娠中について 妊娠中期

【妊娠中期の出血】鮮血・腹痛がない場合はどうしたらいいの?

【妊娠中期の出血】鮮血・腹痛がなければ大丈夫?

助産師ゆき
こんにちは!助産師ゆきです。

 

妊娠中期になると、妊娠初期と比較すると体調が落ち着いてくるママさんが多いですが、この妊娠中期は、ちょっとした体調の変化や症状の出方にも注意が必要な時期でもあるんです。

 

たとえば、時々耳にする「鮮血の出血+腹痛」の症状は流産の危険があるという少々心配なお話ですが、では、腹痛はないけど「鮮血の出血だけある」という場合にはどうなの?問題はないのかあるのか?知っておきたいママさんも多いかと思います。

 

ここでは、妊娠中期に鮮血が出ているけれど腹痛はないという状況が、安全なのかどうかについて詳しく解説していきます。

 

症状の出方には個人差がある

症状の出方には個人差がある

助産師ゆき
結論を述べますと、「妊娠中期に鮮血の出血がある」「けれども腹痛やお腹の張りは感じない」という症状の場合、危険な状態ではないとは言い切れないのが実際のところです。

なぜなら、妊娠して以降のさまざまな症状の原因となっている病気を発症したとして、同じ病気のママさんたちの中でも、同様の症状の出方をするわけではないからなんです。

 

たとえば、「風邪をひいた」としましょう。風邪をひくとさまざまな症状、たとえば咳や鼻水、発熱や倦怠感などが代表的なものですが、人によって症状の出方は違いますよね。高熱と咳に苦しむ方もいれば、鼻水がひどいという方もおられますので、一概に風邪をひいたとしても人によって異なる症状の出方をするものなんです。

 

これは妊娠中の症状の出方にも同じようにいえることで、妊娠中期の鮮血の出血や腹痛にもさまざまな原因があり、症状にも個人差があります。

たとえば「切迫流産・切迫早産」でも、出血やおなかの張りなどの症状が出る可能性がありますが、ママさんによって症状の出方や同じ症状でも強弱が異なります。

つまり、ママさんによっては切迫流産で鮮血と腹痛の両方が出ることがあれば、出血だけしか自覚症状がないというママさんがいてもおかしくありません。

 

鮮血の出血があること自体は、何らかの原因があるはずですが、「腹痛がない」ということだけをとって「切迫流産ではない」と自己判断することは避けたいところです。

 

そのため、妊娠中は特に、自覚症状だけで今ある症状を判断するのではなく、医療機関で医師に相談し、必要に応じて受診して適切な処置を受けることが重要になります。おなかの赤ちゃんからの不調のサイン思うと、些細な異変でも医師に相談しようという気持ちになりますよね。

 

妊娠中期の出血については、以下の記事でも詳しく解説していますので、ぜひこちらも御覧になってください。

 

  • 【マタママ必見】妊娠中期の出血|原因や対処法・過ごし方までご紹介!

https://cuseberry.com/blog/maternity-bleeding/

 

 

妊娠中期の出血の原因

妊娠中期の出血の原因

妊娠中期になると、妊娠初期以降に感じていたさまざまな体調の急激な変化は一旦落ち着きを見せてくれます。やっと優雅な妊娠生活を満喫できる時期ともいえますね。

 

しかし、この時期に入ってからも何らかの原因によって「出血」それも鮮血が出るという事態に遭遇するママさんは決して珍しくありません。では、どのような原因で妊娠中期にママさんは出血するのでしょうか?

 

子宮腟部のびらん

子宮の入り口にある粘膜のホルモン量が変化する影響で、充血した状態になることです。子宮の中で赤ちゃんが大きくなることで圧迫されてしまい、うっ血を起こしてにじむような出血が起きることがあります。出血の量は、下着につく程度の少量であることが多いです。

 

また、子宮腟部にびらんがあると、内診や性行為などのわずかな刺激で出血することもあります。危険な状態ではないので慌てる必要はありませんが、出血部に細菌などが感染する可能性はありますので、適切な処置を施してケアすることは重要です。

 

子宮頸管ポリープ

宮頸管ポリープは、子宮内の胎盤組織がポリープ状に子宮口の外に飛び出した状態になっていることをいいます。先ほどの「子宮腟部のびらん」と同様に、ほとんどの場合は少量の出血がみられる程度です。妊娠中期にこの症状があった場合、医療機関でも経過観察の処置にすることが多いです。

 

しかしながら、ポリープから頻繁に出血する場合には、細菌感染を招いてしまう心配があります。細菌感染を起こしてしまうとママさんの症状のほか、悪い場合だと早産につながる可能性がありますので、医療機関で診てもらい、適切な処置を施すことが必要です。

 

切迫流産・後期流産

妊娠22週未満にお腹の痛みや張りを伴った出血(鮮血であることが多い)が起こると、「切迫流産」と診断されます(22週目以降の場合は「切迫早産」と診断されます)。赤ちゃんの心拍が見られ、適切な処置を施すなど状況次第では妊娠を継続できる状態です。

 

一方で「後期流産」とは、妊娠22週未満に何らかの原因で妊娠が終了してしまうことをいいます。妊娠12週未満に起こる「早期流産」に比べて妊娠中期に流産が起こる可能性は少ないんですが、細菌感染による絨毛膜羊膜炎などが原因で後期流産が起こる可能性があるので少し注意が必要です。

 

その際の出血量には個人差があって、場合によってはほとんど出血が見られないケースもあります。

 

前置胎盤・低置胎盤

通常だと、胎盤は子宮の上のほうに作られるものですが、何らかの理由で子宮の下のほうに胎盤が作られて子宮口の全部または一部を覆うようになる状態を「前置胎盤」といいます。それとは別に、子宮口の近くに胎盤が作られる状態は「低置胎盤」といいます。

 

基本的に、胎盤の位置は子宮が大きくなるにつれて上のほうへと移動することが多く、通常は妊娠28週ごろに診断されます。

しかし、28週以前であっても子宮口に近い場所に胎盤が作られると出血が起こる可能性もあるんです。もし、産婦人科で医師から「胎盤の位置が子宮口に近いですね」と伝えられている場合は、ひょっとしたら急に出血が見られ、前置胎盤・低置胎盤と診断される可能性もあることを覚えておくと安心かもしれませんね。

 

 

妊娠中期に出血が見られる場合の対処法

妊娠中期に出血が見られる場合の対処法

もし、妊娠中期(それ以外の時期でも同様ですが)に出血が見られる場合は、まずは「安静にする」ことが重要なんです。実は、妊娠中期の出血の多くは、出血を確認後しばらく安静にしていれば、自然に治まることが多いんです。

 

助産師ゆき
患者さんの中にも、「疲れたり、動きすぎたときに出血したことがあるけれど、疲れたときは意識して体を休めることで出血もその時だけでおさまる。疲れたときはおなかが張ってくるのでわかる。」と話していました。

 

外出中や仕事中だと急に休むことが難しいかもしれませんが、できるだけ速やかに休める場所と条件を確保して、1時間ほど安静にしておきましょう。できれば、その日はもう帰宅して、家事も後回しにしてしばらく休んでおくことが一番いいです。

 

安静にしてから1時間以内に出血が止まったことを確認できれば、問題ないケースが多いです。念のためその時、または次の検診の時に産婦人科に相談しておくとその後も安心です。

  • ・休んでから1時間以上も出血が止まらない
  • ・または逆に出血量が増えたと感じた場合

には、おなかの赤ちゃんにも何らかの異変があるかもしれませんので、速やかにかかりつけの産婦人科に連絡してください。

 

おそらく通院など何かの指示があると思うので、言われた通りに落ち着いて行動をしましょう。この時も慌てなくて大丈夫ですよ、まずは落ち着きましょう。

 

助産師ゆき

大切なことは「慌てない」ことです。慌てて間違った行動をしてしまったり、転倒などでケガをしてしまうと大変です。おなかの中の赤ちゃんはママさんの一番近くにいますから安心して産婦人科で言われた通り、ゆっくりと行動していきましょう。

 

出血した際には出血の状況を把握しておこう

出血した際には出血の状況を把握しておこう

妊娠中期に出血があった時には、まずは「出血の状況」を確認しておいてください。出血の状況を細かく確認しておくことで、産婦人科に連絡するにあたって医師が判断材料として活用できます。

 

出血はどんな状況であっても不安を誘うとは思いますが、可能な範囲で出血の色や量などの状態をこまかくチェックしておくことを頭の片隅に置いておいてくださいね。

 

出血の量

どのくらい出血しているかは、産婦人科がママさんの状態を確認するのに重要な情報の1つです。とはいっても、具体的に数値化することの難しい情報ではありますので「生理●日目くらいの出血量」といった表現をすると、産婦人科側も出血量がどのくらいかを把握しやすいでしょう。

 

出血の色

出血している血液の色は、重要な情報かつママさんも具体的な情報を伝えやすい情報源となります。鮮血のような赤色や、古くなった血液のような茶色、おりものが混ざっているようなピンク色など、具体的な色の情報を把握しておきましょう。

 

出血の状態

出血の原因やママさんの体調によっては、出血の仕方・状態にも大きな違いが発生します。たとえば、サラサラして水っぽい感じ、ちょっと粘り気がある、レバーのような塊が出てくるといった表現ができるでしょう。

また、休んでいる間の出血量の増減はどうなのか、出血が出たり止まったりを繰り返しているのかなどもチェック。

 

出血の回数や頻度

出血が複数にわたって発生している場合は、それに関する情報も伝えられるようにしておきましょう。

たとえば「午前中に1回、午後に1回の出血があった」など、具体的な時間がわからない場合でもある程度の情報があった方が産婦人科に伝わりやすいのです。

 

出血したタイミング

出血が、どのようなタイミングで発生したのかを把握しておくことも大切です。この情報は時間帯のことではなく、「安静にしているときに出血した」「立ち仕事の後に出血した」など、どのような行動の際に出血したかといった情報が重要になります。

 

その他の症状

出血とともに、おなかの張りや痛みを伴う場合は、切迫流産・切迫早産や前置胎盤などのトラブルが発生している可能性があります。出血以外の症状に関する情報も医師が原因を特定する際に大切な情報になりますので、ちょっとした体調の変化や症状の出方にも注意しておこう。

 

 

妊娠中期に出血したら「入院」は必要?

妊娠中期に出血したら「入院」は必要?

妊娠中期の出血は、切迫流産などの危険な原因によって起こっている可能性もありますので、ママさんの体調などの条件次第では「入院」をすることも。常に入院が必要なのではなく、安静にできる環境などの条件次第で入院が必要になる場合もあるということを頭に置いておいておくと安心ですね。

 

そもそも「安静にする」とは何なのでしょうか?

 

切迫流産などの対処法としては、安静にして経過観察するという流れが一般的ですが、安静にするということを単なる「休憩する」ことと思っている方も少なくありません。

妊娠中のママさんにとって必要な安静とは、トイレや食事、入浴(症状次第ではシャワーもNGのケースがありますが)などの生活において必要最低限の行動以外を中止して、横になってラクな姿勢で過ごすことをいいます。

 

つまり、料理や掃除、洗濯などの家事についても、安静が必要な場合にはやってはいけないということなんです。ひたすら横になって身体を休ませておくことなのです。妊娠中の「安静」は休んでいればいいだけなのに、案外大変なんです。

 

妊娠中のママさんが正しく安静にするためには、ご家族や職場の方々など、身近な人たちの理解と協力が欠かせません。ただ、中にはそれを上手に理解できず、ママさんが安静にする必要があるタイミングで安静にできないというケースも、珍しくありません。

もし、安静にできない環境面等での理由がある場合だと、医師から入院を指示されることもあるでしょう。休むことも妊婦さんの役目です。「安静」の指示が出たときには、おなかの中の赤ちゃんとゆっくり過ごしてくださいね。

6児ママよっちゃん
私の場合は、六人目の出産時に、「安静に」と言われても、他の子供がいるために動かざるを得なかったんです。そのために状況が悪化して入院することになりました。本当にそうなる前にも、無理をしないことが一番です。

 

ママの冷静な行動が大切な理由

おりものの変化には速やかに気が付けるように日ごろからチェックを

妊娠中期に出血すると「安定しているはずの時期なのに!」と余計に慌ててしまうママさんも少なくありません。出血している状況であるからこそ、冷静になって行動することが大切。

 

慌ててしまうと、最適な行動をとれなくなってしまいます。病院への連絡も重要な情報を伝えられなくなってしまいますし、慌てて行動すると転倒や事故などでケガしてしまう可能性もありますよね。

確かに、出血の原因が危険な症状である可能性もあるため慌てちゃう気持ちももちろんのこと。でも、そんな時だからこそ、まずは安静を確保する方向に気持ちをもっていきましょう。場合によっては、周辺の人に助けを求めることも大切。

 

助産師ゆき
出血しないことが一番ですが、もし出血してしまったとしても慌てずに適切な行動をとれるように「出血を確認したらまずは冷静さと安静な状況を確保すること」を最優先と心得ておくとママさんも安心ですね。

 

まとめ

妊娠初期の慎重に過ごす時期を超えて、安心しはじめた妊娠中期に出血があると心配になります。それも鮮血である場合だと、仮に腹痛なしの状況であっても危険な原因が隠れている可能性もあるということから、さらに心配が高まってしまうものです。

 

それでもおなかの中の赤ちゃんは日々育っていますのが、慌てずに、まずは冷静になって安静を確保し、出血の状況を確認することです。

 

この限りではありませんが、出血したときの目安として、1時間たっても出血が治まらない場合は速やかに病院に連絡し、医師の指示に従って行動しましょう。ママさんはおなかの中の赤ちゃんといつも一緒にいます。出血はもちろんですがそのほかの症状でも迷ったり悩んだりしたときはいつでもなんでも医師に相談です。

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  • この記事を書いた人

保育士とも

保育士資格
第二種幼稚園免許

昔から小さい子が大好きで、夢の保育士に!7年間、保育園で働いていました。
0歳児の担任をしたときに、赤ちゃんのコミュニケーション力や意志の強さに驚きました。子どものことについての発信がママさんのお役に立てると嬉しいです。世の中のママさんを心から尊敬しています。
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