健康状態をチェックする方法の一つ、赤ちゃんの体温(体温の変化)ですね。日常的に、体温計を使って平熱を把握しておくことで、体温の変化にいち早く気づくことが生後間もない赤ちゃんの健康を守るために大切です。
ところで「新生児の体温って、どうやって測るのが正しいの?」と悩んでいるママさんやパパさん!
ここでは、新生児の体温の正常値や、適切な体温の測り方について解説します。これから出産を控えているママさんにぜひ読んで欲しいです♪
目次
新生児の平熱ってどれくらい?
そもそも「平熱」というものは個人差がありますので一概には言えない内容ではありますが、新生児の平均的な平熱となれば36.5~37.5度くらいであるとされています。(大人よりもちょっと高めですね。)
赤ちゃんはまだまだ体内の器官が未発達です。また、さまざまな病気のリスクもあるということから、大人以上に平熱の把握は重要です。
赤ちゃんは自分から「体調が悪い」とアピールすることができないので、ご家族が赤ちゃんの体温を測定し、発熱のがないかを確認することが大切なんです。
「熱がある」というのは、簡単に言えば「通常の平熱よりも体温が高い」ことになります。
新生児の体温の測定方法
新生児の体温を測るうえで重要なことは「新生児の体温は変化しやすい」ことを意識して、平熱がどのくらいであるかを計算することです。
新生児は汗腺など体温調節に関係する器官がまだまだ未発達の状態で、1日の間でも時間ごとに体温が大きく変化する可能性があります。また、直近の行動(食事や入浴など)でも体温に影響することがあるため、常に同じ平熱の状態になるということは珍しいかもしれません。(例えば、眠い時、お風呂上がりなどには少し体温が上がりますね。)
1日の間でも変動する新生児の平熱をどのようにして把握するべきなのかといえば、1日に数回の体温測定を行い、これを1週間ほど続けることで体温のデータを収集します。あとは、数回分の体温測定の数値の平均値を算出することで、赤ちゃんの平熱を把握することができます。(ママさんが負担にならないように、気づいたら測ってみよう♪くらいの気持ちでいいかと思いますよ。)
新生児の平熱の測り方の注意点
次に、新生児の平熱を測る際に注意するべきポイントについて解説します。
可能であれば乳幼児用の体温計を用意する
1つ目は「乳幼児用の体温計を用意する」ことです。
「大人用の体温計」で代用できないわけではありませんが、乳幼児用の体温計があれば、さっと測ることができて家に一つあるとおすすめです。
メリットとしては、乳幼児の体に合わせた構造をしていて体温測定しやすい工夫がされていますので、可能であれば乳幼児専用の体温計で新生児の体温測定を行うことをおすすめします。
基本的に同じタイミングで体温測定を行う
2つ目は「同じタイミングで体温を測定する」ことです。
前述のとおり、新生児の体温は1日の間でも大きく変動します。基本的に朝は体温が低く、夕方から夜にかけて体温が高く、睡眠の前後でも体温は大きく変動します。そのため、1週間の間体温測定を実施するにあたって、1日ごとに体温測定のタイミングがずれていると、平均値も定まらないですよね
数日にわたって体温測定を実施する場合、基本的に同じ時間に体温を測ってあげてください。これを実施するためには、体温測定の大体のタイミングを決めておき、その時間に体温測定を実施して1週間ほど初めは記録を取るとわかりやすいですね。(体温測定のタイミングは、朝起きてから、やお昼寝の後、など。)
体温が上がりやすい行動の後は時間を置いて測定する
3つ目は「体温が上がる行動の直後の体温測定を避ける」ことです。
新生児の体温は基本的に上がりやすく、直近の行動によっても体温が上がるケースがあります。たとえば「授乳直後」「入浴直後」には、急激に体温が上昇します。この体温があがった状態の体温を測定しても、平熱を把握しにくくなっちゃいます。
もし、体温が上がるタイミングでしか体温測定ができないというのであれば、30分時間をあけてみましょう。
常に同じ部位で体温測定する
4つ目は「常に同じ部位で体温を測定する」ことです。
赤ちゃんの体温は、どの部位で測定するかによっても、同じタイミングでも体温が異なるという特徴があります。つまり「今日はわきで、あしたはおでこで」という測定をしてしまうと、正確な平熱を出すことができなくなってしまうんです。
体温測定は常に同じ体温計を使用し、常に同じ部位で測定するようにしてくださいね。
新生児の発熱で小児科に行くべき目安は?
新生児が発熱した、と判断したら、できる限り早めに小児科に連れて行ってあげて、医師の診察を受けましょう。「何度くらいだと発熱した、と判断できるのか?」についてですが、基本的に「平熱+1度」あれば発熱していると考えられます。
また、新生児が良くない理由で発熱している場合であれば、以下のような症状がみられるケースが多いです。その場合は急いで小児科に連絡して診察の予約をとり、脱水症状などに注意しながら早めに小児科に連れていきましょう。
- ・元気がない、ぐったりしている
- ・下痢や嘔吐が続いている
- ・水分摂取がうまくいかない
- ・意識がもうろうとしている
- ・呼吸が苦しそう
- ・顔色が悪い
- ・皮膚に赤みなどの変化が見られる
新生児が発熱する原因
前述のとおり、食事や入浴、厚着や室温などの影響で新生児の体温が上昇することもあります。しかし、日常の行動以外でも異常な発熱を確認することもあります。その場合、考えられる原因としては以下の病気が考えられます。
ウイルス感染症
以下のようなウイルスに感染した場合、赤ちゃんが発熱を伴うことが多いんです。
- ・突発性発疹
- ・インフルエンザ
- ・アデノウイルス感染症
- ・エンテロウイルス感染症
- ・新生児単純ヘルペスウイルス感染症
- ・RSウイルス感染症
もし、家庭内に他に乳幼児がいたり、免疫力の低下している方がいる場合、その方にも感染したり、逆にその人たちが感染したウイルスから新生児に感染するという感染ルートも考えられます。(保育園では1人なるとクラスの多数が感染しちゃいます💦)
細菌性髄膜炎
「細菌性髄膜炎」は、脳の表面や脊髄を覆っている髄膜が細菌に感染して起こる炎症です。この病気は、赤ちゃんの命に危険を及ぼす可能性があるため、できる限り早めに治療を開始する必要があります。
細菌性髄膜炎にかかると、発熱をはじめとして、嘔吐や頭痛などの症状が出ます。ただ、頭痛が起きても赤ちゃんはそれを言葉で伝えることができないため、機嫌が悪くなったり、母乳やミルクを飲まなくなったりするという症状がみられることが多いんです。早めにこれらの症状に気づいてあげることが大切です。
敗血症
「敗血症」は、肺炎や腎盂腎炎といった病気を原因として血液中に細菌が侵入し、全身症状を起こす病気です。
新生児の敗血症の場合、発熱以外にも元気がなくなったり、母乳やミルクの飲みが悪くなります。また、顔色が悪くなり、お腹が張るといった症状とともに、前述の「髄膜炎」を併発する可能性があるため注意が必要です。
尿路感染症
「尿路感染症」は、先天的な尿路奇形を原因として、尿が逆流したり停滞したりすることによって細菌やウイルスに感染して炎症を起こす病気です。
発熱以外にも、排尿痛や頻尿も症状として現れますが、頭痛などの症状と同様に赤ちゃんは言葉でそれらの症状を伝えることができません。そのため、ママさんにとっては赤ちゃんの発熱が、尿路感染症を疑うことのできる重要なサインであるといえます。
新生児の発熱を下げる方法
基本的に、新生児に発熱の症状が見られる場合は、速やかに小児科を受診するようにしましょう。しかしながら、お医者さんにかかったからといって、すぐに赤ちゃんの熱が下がるというわけではありません。治療後、日常生活において少しでも赤ちゃんがラクに熱を下げられるように、ママさんができることをお伝えしていきますね。
室温や衣服の調節をして快適な環境を
1つ目のポイントは「室温や衣服の調節をして快適な環境を整える」ことです。
基本的に発熱している状況は、赤ちゃんにとっても暑いと感じているでしょう。そのため、季節にもよりますが夏場であれば扇風機などを使って、部屋全体に新鮮で涼しい空気が行き届くようにしてあげてくださいね。また、上着を脱いで下着にするなど、楽な衣服にしてあげてくださいね。
また、熱がある状態だと体を温めた方が良いと考えるママさんもおられますが、あまりにも過剰に温めすぎることは解熱を妨げてしまうことがあります。そのため、季節にもよりますが可能な限り厚着させすぎたり布団をかけすぎたりすることなく、赤ちゃんにとって快適な温度を保てる程度の服装で解熱を待ちましょう。
水分補給を心がけて脱水を回避する
2つ目のポイントは「水分補給を心がける」ことです。
赤ちゃんが発熱すると、赤ちゃんは脱水症状を起こしやすい状態になっています。脱水が続くと赤ちゃんは危険なので、回避するためにも十分な水分補給が大切です。
新生児の場合だと得られる水分の大半が母乳やミルクになりますが、発熱して体力が奪われている状況だと食欲が低下している可能性もあります。母乳やミルクを飲む量が少ない場合には、こまめに何度もあげるようにして十分な水分を摂取させてあげてくださいね。
解熱剤を使用する
3つ目のポイントは「解熱剤を使用する」ことです。
大人の発熱でも苦しい時には解熱鎮痛剤などを服用するケースが多いですが、赤ちゃんの症状によっては解熱剤の使用を進める医師もいます。基本的に赤ちゃんの熱が高くても、元気にしているのであればむやみに解熱剤を使う必要はないでしょう。
解熱剤は「病気を治療するもの」ではなく、あくまでも「熱を一時的に下げる」ことしかできない医薬品なんです。そのため、赤ちゃんが食事や水分を十分に採れない時など、熱を一時的に下げることで体を楽にしたほうが良いこともあります。このような時には解熱剤が必要となりますので、小児科の医師に解熱剤を使ったほうが良いのかどうか、どういった解熱剤を使用するべきなのかを聞いてみましょう。あまり独自では判断しない方がいいです!
まとめ
普段から、赤ちゃんの大体の体温や熱を把握しておくと、赤ちゃんの体が熱い、呼吸がいつもよい早いなど「いつもと違う」に気づくことができるものです。少しでも早い段階で赤ちゃんの発熱に気づいてあげるためには、新生児の体温を測り、平熱を把握しておくことも大切です。(お子様によって変わってくるので一つの目安にしてくださいね。)
最初は、赤ちゃんも動いちゃうので、体温測定が難しいかもしれませんがすぐに慣れてくると思うので、ぜひ試してみてくださいね。