育児・赤ちゃんについて

新生児「うんちの量・色」で健康チェック|こんな時は病気の予兆?!

2022年9月28日

新生児「うんちの量・色」で健康チェック

助産師ゆき
こんにちは!助産師ゆきです。

 

言葉を話すことができない赤ちゃんは、自分で体の不調を訴えることができません。ママさんはそんな赤ちゃんの健康状態をチェックするカギを握っているのは「うんち」なんです。生まれきたばかりの赤ちゃんのうんちをみるママさんは色やにおいなどにちょっとびっくりするかもしれません。赤ちゃんは、健康状態によってうんちの量や色に変化をもたらします。つまり、ママさんは赤ちゃんのうんちの状態をチェックすることで、赤ちゃんの健康状態をチェックできるということなんです。
ここでは、新生児のうんちの量・色によって、赤ちゃんがどのような状態であるのかについて解説します。

 

新生児のうんちの量

新生児のうんちの量

新生児のうんちの量は「母乳」か「人工ミルク」かで、1日の便量や便の回数が変わるという特徴があるんです。もちろん赤ちゃんによって個人差はありますが、おおむねこれくらいの量になるというのを把握しておけば、赤ちゃんの健康状態をチェックする重要なデータになるでしょう。

出生時の平均的なうんちの量と回数

出生時には、母乳を飲んでいる赤ちゃんの場合、1日あたり20~30gのうんちをします

うんちの回数は多く、1日に7~10回ほどうんちをする赤ちゃんもいます。

助産師ゆき
便量は成長とともに増加し、排便回数は成長とともに減少しますので、赤ちゃんの成長の中で最も「1回あたりのうんちの量が少なく、排便回数が多い時期」となりますので、おむつの状態はきちんとチェックしておいてくださいね。

一方で、人工ミルクを飲んでいる赤ちゃんの場合だと、うんちの量は母乳の2倍近く、1日あたり40~60gほどになります。これは、母乳と人工ミルクでは含まれている成分の内容が異なるためで、それが赤ちゃんの排便の状態にも影響しているからだと考えられています。

生後1か月時の平均的なうんちの量と回数

赤ちゃんが生後1か月まで成長すると、1日あたりのうんちの量は増加して、母乳の場合だとあまり変わりませんが、人工ミルクの場合は60~80gまで増加します。一方で1日のうんちの回数は減少して、母乳の場合だと1日3~5回くらい、人工ミルクの場合は2~3回くらいになります。

生後3か月時の平均的なうんちの量と回数

生後3か月まで成長すると、母乳と人工ミルクでのうんちの量・回数ともに違いが小さくなっていきます。1日あたりのうんちの量は60~100gまで増加しますが、一方でうんちの回数は減少して1日あたり1~2回まで減少します。

余談ですが、うんちの量にたいして「おしっこの量」は、生後3か月以降も徐々に増加していきます。うんちと同じく成長に比例して尿量は増加しますが、反比例するように排尿回数は減少します。

 

うんちの回数が少ないと「便秘」?

うんちの回数が少ないと「便秘」?

「1日1回きちんとうんちが出ない」「2日もうんちが出ていない!」と、赤ちゃんのうんちの回数が少ないからといってすぐに「便秘になってしまった!」と慌てる必要はないんです。中には、健康状態に問題がないのに1週間に1回しかうんちが出ない赤ちゃんもいますよ。赤ちゃんの年齢や個人差によってうんちの頻度はまちまちですので、まずは赤ちゃんの状態とうんちの状態を見ましょう。

赤ちゃんの便秘が疑われる症状

以下のような症状があった場合、赤ちゃんが便秘になっている可能性があります。

 

    • ・うんちをする時に苦しそうにしている
    • ・うんちやおならの匂いがきつい
    • ・赤ちゃんのおなかが張っている
    • ・赤ちゃんの機嫌が悪いが、うんちをすると機嫌がよくなる
    • ・食欲がない、授乳してもすぐに吐いてしまう

赤ちゃんの便秘はとてもよく聞く身近な問題でもあります。そんなときママさん同士の情報交換で話題になるのは『オリーブ油』。オリーブ油って赤ちゃんに使っても大丈夫なの?と思ってしまいますが、半信半疑だったけど使ってみたらよかったよというママたちの声もよく耳にします。

赤ちゃんが便秘になってしまった場合の対処法

赤ちゃんの場合は、肛門の周りを少し刺激するだけでも便意をもよおす効果があります。オリーブ油や保湿オイルなどを綿棒の先につけて湿らせて、肛門の周りを刺激してみてください。

あまり中まで突っ込んでしまうと肛門を傷つけてしまい、出血してしまいますので注意して下さいね。

それでも改善が見られない場合は、小児科に相談してください。うんちを柔らかくする飲み薬や浣腸など、適切な対処法を実践できます。赤ちゃんの便秘については、以下の記事も参考にしてくださいね。

 

 

うんちの量が多いと「下痢」?

うんちの量が多いと「下痢」?

「1日に何回もうんちをしている」「うんちが何だか水っぽい…」となっても、すぐさま「下痢」を疑う必要はありません。基本的に赤ちゃんのうんちはゆるめであり、回数についても個人差や食事量などで変動しますので、上記のような症状があったからと言って必ずしも赤ちゃんが下痢であるとは限らないんです。

赤ちゃんの下痢の原因

赤ちゃんのうんちの回数が増えていて、なおかつうんちが水っぽくなっている時は注意が必要です。1日に何回も、おむつからはみ出てしまうような水っぽいうんちが出る場合は、赤ちゃんが下痢になっているかもしれません。

赤ちゃんの下痢の原因としては、ウィルスや細菌などに感染して「胃腸炎」になっている可能性があります。感染すると腸の働きが悪くなってしまい、赤ちゃんの消化吸収の機能が落ちるてしまうで、水分や栄養分が消化吸収されにくくなって下痢になってしまうんです。
下痢が続くようであれば、早めに小児科を受診するようにしてくださいね。離乳食の場合だと、食事内容を見直すだけで下痢の症状が改善されるケースもあります。感染症の場合は薬をもらうなどの専門的な治療をする必要もありますので、小児科に一度受診してみましょう。

 

新生児のうんちの色と健康状態

新生児のうんちの色と健康状態

新生児のうんちの量は、食事量などの条件によって日ごとに変動しますし、個人差の影響も小さくありません。一方で「うんちの色」については、個人差の影響よりも「病気かどうかを調べるサイン」としての意味合いが強く、ママさんは赤ちゃんのうんちの色については常に目を光らせておく必要があるんです。

うんちが「黄色」の場合

赤ちゃんのうんちが「黄色」であれば、それは赤ちゃんが健康であるといえます。黄色の正体は「胆汁」の影響なんです。離乳食が始まる前の赤ちゃんのうんちは胆汁の色がそのままうんちに残っているので、鮮やかな黄色や黄土色をしています。これを初めて見たママさんはちょっとビックリするかもしれませんが、赤ちゃんが健康な証拠なので心配する必要はありません。

うんちが「緑色」の場合

赤ちゃんのうんちが「緑色」であれば、これも赤ちゃんが健康である証拠だといえます。緑色になる原因も「胆汁」が関係しています。これは、うんちが「酸性」になることで、黄色い胆汁が酸化されて緑色に変化した影響によるものなんです。とくに、赤ちゃんが母乳を飲んで育っている場合は、母乳に含まれる乳糖が乳酸菌の生成を促すことで、うんちが酸性になり、緑色になりやすいんです。
色の変化と同時に、うんちから少し甘酸っぱいような臭いがするのが特徴です。「酸性って、問題ないの?」と思われるかもしれませんが、乳酸菌は腸の働きを促す作用があるため、うんちが酸性なのは実は良いことなんです。つまり、緑色のうんちは赤ちゃんが健康な証拠であり、ママさんは安心して大丈夫ですよ。

うんちが「茶色」の場合

赤ちゃんのうんちの色が「茶色」の場合であれば、これもとくに問題ない状態であるといえます。大人の便も、健康な状態であれば茶色になることが多いですよね。赤ちゃんの場合は「離乳食」を食べ始めることによって、黄色や緑色からうんちは茶色になる傾向にあります。この状態になる頃は、むしろうんちの色よりも「うんちに含まれているもの」について注意する必要があります。
たとえば「血液が混ざっている」などの状態は、消化器官が傷ついている可能性があるため、念のため小児科で診てもらったほうが安心です。

うんちが「赤色」の場合

赤ちゃんのうんちが「赤色」をしている場合は、注意が必要になるかもしれません。問題ないケースとしては「赤い食べ物を食べた」という場合です。たとえばトマトやスイカなどを食べた後は、その影響でうんちが赤色に近づいているケースもあります。この場合は特に問題ありません。

問題なのは「血液に由来する色」の場合です。赤ちゃんが突然吐いたり、おなかが痛そうにして強く泣いて、いちごジャムのような赤いうんちをしたときは「腸重積症」という病気の疑いもあります。このような赤色のうんちが出た時は、使用済みの紙おむつを持参して、早めに小児科を受診してください。

うんちが「血交じりの黒色」の場合

もし、赤ちゃんのうんちが「血液が混じった黒」の場合であれば、すぐ小児科を受診しましょう

血が混じっている黒いうんちは、消化管からの出血が原因かもしれません。肛門の近くでの出血の場合は赤くなりやすく、腸の奥での出血の場合は血とうんちが奥で混ざるため黒くなりやすいです。早めに専門医に相談し、適切な治療を受けてくださいね。
なお「胎便」も黒くなりやすいという特徴があります。生まれたての赤ちゃんが出すうんちは胎便と呼ばれていて、ママさんのおなかの中にいたときの腸管内にたまったカスが出てきます。色は黒くてどろっとしているのですが、退院するころには前述の黄色や緑の便に変わりますので安心してくださいね。

うんちが「白色・灰白色・クリーム色」の場合

うんちの色が「白色・灰白色・クリーム色」の場合も、早めに小児科を受診することがおすすめ。うんちに白いブツブツや粘液が混ざっているだけなら大丈夫なのですが、うんち全体が白っぽいときは早めに小児科へ行きましょう。赤ちゃんが母乳やミルクを飲んでいる頃に見られる「うんちの中の白いブツブツ」の正体は、母乳やミルクに含まれる脂肪分が他の成分と反応してできた固まりなんです。腸管からの粘液も混じることがあり、異常ではありませんので安心してくださいね。
もし、「うんち全体が灰白色」で、それが長く続く場合は、胆汁が分泌されていない証拠かもしれません。この場合は「胆道閉鎖症」や「肝炎」などの病気の可能性が考えられます。また、冬の風邪などのときは、ウィルスによってはうんちが白色になることがありますので、これらの白系の色のうんちが出た場合は早めに小児科を受診してくださいね。

うんちを小児科へ持っていく際の注意点

うんちを小児科へ持っていく際の注意点

赤ちゃんのうんちを実際に小児科へ持っていくことは、うんちの状態や検査の関係で利便性が高いですが、持参するにあたっては注意するべきポイントがあります。

できるだけ早く受診する

赤ちゃんのうんちは、時間が経過するにしたがってその状態が変化してしまいます。そのため、うんちを小児科へと持参するにあたっては、うんちをしてからできるだけ早い段階で小児科へと持参することが大切。

難しい場合は「写真」でもOK

すぐに小児科を受診することが難しい場合は、どうしてもうんちの状態は変化してしまいますので、持参しても小児科で正しい診断ができなくなってしまう可能性があります。その場合は、できるだけ早い段階でうんちを「写真」におさめておき、その写真(スマホの写真データでもOK)を小児科に持参しましょう。

助産師ゆき
このとき「写真ではわからない状態」については、メモを残しておくことをおすすめします。

たとえば

  • ・その日のうんちの回数
  • ・うんちの臭い
  • ・うんちの状態

これらをメモして小児科に持参すれば、写真の情報と合わせてスムーズに適切な診断がしやすいと思いますよ。

まとめ

赤ちゃんのうんちの状態をチェックし、それがどのような意味を持つかについて把握しておくことは、日ごろから赤ちゃんの健康状態をチェックするために重要なことなんです。赤ちゃんのうんちの量や色などの状態がおかしいと感じたら、早めに小児科に相談して、必要な場合は適切な治療を受けることが大切です。

ただし、うんちの状態がちょっと変わったからと言って、ママさんが慌ててしまうようなことだけは避けてくださいね。赤ちゃんのための適切な行動をとるためにも、ママさんが落ち着いて行動してあげましょう。うんちの状態が常に最悪の状況を指し示しているわけではないので、まずは冷静になって小児科へと相談してみてくださいね。

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  • この記事を書いた人

助産師ゆき

看護師免許
助産師免許
保健師免許

8年間助産師として勤務し、様々な妊産褥婦さんと関わり勉強させていただきました。
その後2020年に第1子を出産し、今までの経験を総動員して育児をしてみたものの上手くいかないことが多々あり、育児の難しさを身に染みて感じました。でもそれ以上に子供は可愛く大変さも吹き飛ぶ日々。現在は育休から復職し、育児の経験を踏まえ、専門的な知識だけではなく、生活で役に立つ情報を伝えられたらいいなと思います。どうぞよろしくお願いします!
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