「新生児聴覚検査ってどんな検査?」
「検査結果が心配…」
生まれたばかりの赤ちゃんの聴覚は、言葉の発達やコミュニケーションに大きく影響します。
新生児聴覚検査は、赤ちゃんの聴覚に問題がないかを確認するための大切な検査です。
この記事では、新生児聴覚検査の内容、時期、費用、結果の意味などを詳しく解説します。
安心して検査を受けられるよう、ぜひ参考にしてください。
目次
新生児聴覚検査とは
新生児聴覚検査とは、生まれた赤ちゃんの耳が聞こえているか、障害がないかなどを調べる検査のことをいいます。
赤ちゃんにとって耳からの情報はコミュニケーションをはかるうえでもとても大切なものです。
体の健康と同じように五感のひとつである、聴覚について目をむけることはとても大切です。
それを調べる新生児聴覚検査について、どんな検査か、結果に対しての対応などをみていきましょう。
赤ちゃんにとっての聴覚とは
赤ちゃんはことばや表情、仕草などでコミュニケーションをとりますが、そのうえで聴覚もとても重要なはたらきをしています。
生まれたてで耳が聞こえにくい赤ちゃんは1000人あたり1~2人といわれています。
また、赤ちゃんの頃は合併症などで耳に障害が出やすいこともいわれています。
赤ちゃんは耳が聞こえなくてもおかあさんにそれを伝えることができないので、周りのおとなが気づき、いち早く対応することがとても大切です。
発見・対応が遅くなってしまうと、なかなか言葉がでにくく、発達にも遅れが出てしまうので、産まれたときに聴覚検査をすることをおすすめします。
早く発見することで、補聴器をつけたり手話を身につけたり、人工内耳などの支援、治療を選択することができます。
検査を受けるために
新生児聴覚検査はどのように受けられるのか、時期や費用についてお話しします。
【時期】新生児聴覚検査は出生後入院中に受けることをおすすめします。
生後2~4日頃に受ける人が多いのではないでしょうか。50日以内だと費用の一部は助成金がおりるところもあります。
地域によってかわってきますので地域の保健センターや産院にあらかじめ確認しておくといいですよ。
【費用】検査費用も2000~10000円と地域によってもかわってきます。詳細は住んでいる地域の制度を確認したり、産院に聞いたりするようにしてくださいね。また、助成金をうける際に、「新生児聴覚検査受診票」も必要になります。
どのような検査をするの?
新生児聴覚検査は赤ちゃんが眠っているときに行われます。
赤ちゃんの頭に脳波を見る電極をつけて、赤ちゃんが聞こえるであろう小さな音を流します。
その刺激や反応をコンピューターで解析したり分析したりすることによって、赤ちゃんの聴覚に異常がないかを検査します。
眠っている5分ほどで終わり、赤ちゃんが痛がったり苦しくなったりする検査ではないので安心できるといえるでしょう。
“パス(pass)”と“リファー(refer)”とは
新生児聴覚検査の結果はパス(pass)とリファー(refer)のどちらかに診断されます。
●結果がパス(pass)であったとき
検査した時点で、正常な反応が見られて原則として異常がないことを意味します。その後は乳幼児健診や定期健診で経過をみていきましょう。
●結果がリファー(refer)であったとき
リファーとは要検査を意味します。結果がリファーであったからといって、必ずしも聴覚に障害があるというわけではありません。何らかの理由で反応が出なかったり、うまく捉えられなかったりして、再検査をする必要があることを意味します。また、リファーが出たことによって、何らかの疑いがあり、精密検査をすることもあります。
パスが出たらもう安心?
パス(pass)の結果が出たらもう聴覚に異常がないと安心していいかといわれると、そうではありません。
新生児聴覚検査の時には表われなかったもの(先天性のもの)が、後から表われたり、感染症、合併症によって今後難聴になったりする可能性もあります。
赤ちゃんが成長する過程で、耳がきこえているかに意識をむけるようにしましょう。家でも赤ちゃんが音に反応するを確かめることができますね。
少しでも不安に思ったり心配になったりしたときには、かかりつけ医に相談したり、受診したりするようにしましょう。
さいごに
赤ちゃんの聴覚に異常がないかを日常生活で確認するのは、視覚などに比べ、少しわかりにくいこともあります。
そのため、新生児聴覚検査で一度検査することをおすすめします。検査の結果でパス、リファーどちらが出ても今後の経過観察を大切にするようにしてくださいね。赤ちゃんの健やかな健康を見守っていきましょう。