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新型出生前診断はいつまでにやる?メリット・デメリットや費用について解説!

2022年4月27日

新型出生前診断はいつまで

妊娠中の方の中には、新型出生前診断(NIPT)について考えたことがある方もいらっしゃると思います。初めての妊娠の場合や年齢が比較的高い場合、「私は高齢だからしたほうがいいかな?」「年齢的な心配はないけれど私も診断してもらえる?」と悩んだりすることもありますよね。

 

しかしどのような検査をするのか、検査で何が分かるのかよく知らないという方も多いのではないでしょうか。

 

この記事では、新型出生前診断とはどのような検査をするのか、そしてメリットやデメリットにはどのようなものがあるのか解説していきます。新型出生前診断の検討をしている方や興味をお持ちの方はぜひ参考になさってください。

 

出生前診断の種類

出生前診断の種類

出生前診断には「非確定的検査」と「確定的検査」の2種類の検査方法があります。検査の種類によってどこまでわかるか違うので詳しくみていきます。

 

非確定的検査

非確定的検査とは、お腹の中の赤ちゃんに染色体異常の可能性があるかどうかをみるものです。この検査だけでは確定できないので、もし非確定的検査で陽性と出た場合は、確定的検査で再度検査します。

 

妊婦さんの体への負担が少なく、赤ちゃんへの影響もないので、流産のリスクが非常に低いとされているのです。非確定的検査と呼ばれるものを以下にまとめてみました。

 

新型出生前診断 (NIPT)・妊娠10週0日からできる検査

・妊婦さんから採血し血液検査する

・ダウン症、13トリソミー、18トリソミーの可能性が分かる

・結果が出るのは1~2週間後

コンバインド検査・妊娠11~13週にできる検査

・超音波検査と採血を組み合わせて行う

・ダウン症と18トリソミーの可能性が分かる

・この検査の他にも、たんぱく質の量や妊娠週数などさまざまな点から病気の可能性を出す

・結果が出るのは2週間前後

母体血清マーカー検査・妊娠15~18週にできる検査

・妊婦さんから採血してたんぱく質を解析する

・ダウン症や18トリソミーなどの可能性が分かる

・結果が出るのは2週間前後

超音波検査(エコー検査)・普段の妊婦検診でもよく行われている

・妊婦さんのお腹にゼリー状のものを塗り、その上から機械をあてて、赤ちゃんの様子を観察する

・3Dや4Dの超音波検査では、心臓疾患や口蓋裂、多指症など、さまざまな異常をみつけることができる

・染色体異常の診断はできない

 

確定的検査

確定的検査とは、お腹の中の赤ちゃんの異常を、その検査だけで確定できるもののことです。しかし、検査の方法にはリスクが。お腹に針を刺して羊水や絨毛を取るので、非確定的検査と比べると流死産の可能性が上がります。

 

そのため検査を受ける際はリスクもきちんと理解した上で受けることが必要です。確定的検査と呼ばれるものは以下のとおりです。

 

羊水検査・15~16週以降に検査できる

・羊水には赤ちゃんの細胞が含まれている

・妊婦さんのお腹に針を刺して羊水を採取して染色体の変化を確認する

・羊水は約20ml採取

・破水や出血、早産などが起こる可能性あり

・0.3%の確率で流産などのリスクも

・結果が出るのは2~4週間後

絨毛検査・11~14週に検査できる

・胎盤の絨毛を採取して検査する

・破水や出血、早産などが起こる可能性あり

・1%の確率で流産などのリスクも

・結果が出るのは2~3週間後

・お腹の中の赤ちゃんとは直接関係のない細胞なので、現在ほとんど行われていない

 

新型出生前診断とは

出生前診断の種類

新型出生前診断とは、妊婦さんの血液を採取して血液検査をすることで、お腹の中の赤ちゃんの染色体異常を調べる検査のことをいいます。つまりお腹の中にいる時点で先天性の異常がないかどうか確認するということです。

 

この検査は、今までの血液検査に比べて精度も高く、羊水検査や絨毛検査のような流産のリスクがありません。ではこの検査で具体的にどのようなことが分かるのでしょうか。

 

ここでは、新型出生前診断でわかることや、診断をいつ行うのか、対象となる人はどのような人なのかみていきます。

 

新型出生前診断でわかること

新型出生前診断では、以下のようなことが分かります。

・ダウン症(21トリソミー)

・13トリソミー

・18トリソミー

 

トリソミーとは、通常2本である染色体が3本ある状態のことです。上記にあげた3つについて詳しくみていきます。

 

ダウン症

ダウン症は、21番目の常染色体の異常によって起こる先天異常です。知能の発達にはばらつきがあり、心臓や消化器官の疾患がみられる場合もあります。

 

根本的な治療法はありませんが、リハビリなどのサポートを受けたり支援学級や特別支援学校などに通ったりすることも。スポーツや芸術においてすばらしい才能を発揮する方も多くいるのが特徴です。

 

13トリソミー

13トリソミーとは、13番目の常染色体が3本あることによって起こるものです。脳の発育の遅れによって、重度の知的障害が現れることもあります。小さな体で生まれる傾向があり、心臓の異常や鼻から口がさけている「口蓋裂(こうがいれつ)」がみられる場合も。

 

こちらも現在までに治療法はなく、辛いことに約80%の赤ちゃんが生後1か月で亡くなります。赤ちゃんが1年以上生きられる確率は10%ほどととても低いのです。

 

18トリソミー

18トリソミーとは、18番目の常染色体が3本あることによって起こるものです。筋肉の発達があまりよくなく小さい体で生まれてくる傾向があります。心臓や肺、消化器官、腎臓などに異常がみられる場合も。

 

こちらも治療法はなく、赤ちゃんの半数が生後1週間以内に亡くなります。1年以上生きられる確率は10%ほどと、やはりこちらも低い数字となっています。

 

いつ行う?対象となる人は?

検査は妊娠10週0日から行うことができ、大体15週までに済ませることが一般的です。早めに検査することで今後の対処方法を検討する時間も確保できますので、医師や周りの方にも相談しながら決めるといいでしょう。対象となるのは以下の条件に当てはまる人です。

 

・出産予定日の時点で年齢が35歳以上

(凍結胚移植の場合は、採卵時の年齢が34歳2か月以上)

・過去に、ダウン症候群・エドワーズ症候群・パトー症候群などの赤ちゃんを妊娠、出産したことのある人

・妊婦または配偶者に染色体異常がみられる人

 

上記のいずれかに当てはまる人は対象者となるので、不安だという方は検査を検討してみてもいいでしょう。

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新型出生前診断のメリット・デメリット

新型出生前診断のメリット・デメリット

新型出生前診断を行う際は、メリットとデメリットをしっかり理解しておくことが重要です。ここでは、診断に伴うメリットとデメリットをそれぞれご紹介していきます。

 

メリット

赤ちゃんの健康状態を確認できる

赤ちゃんがお腹の中にいるときは、実際に赤ちゃんの様子を見ることはなかなかできないですよね。エコーでは限界もありますし、目に見えないものは確認しようがありません。

 

また、妊娠中は気持ちの浮き沈みも激しく、赤ちゃんがちゃんと成長できているかどうか気になって不安という方も少なくないでしょう。

 

新型出生前診断では、お腹の中にいる時点で赤ちゃんがどのような状態なのか確認することができます。こちらは確定診断はではありませんが、何らかの異常の可能性があればさらに検査することができるので、早めの対処がしやすいのです。

 

赤ちゃんを受け入れる準備ができる

もし、赤ちゃんに何らかの異常が見つかった場合、早くから心の準備をしておくことができます。どのような結果になっても、赤ちゃんに会いたいとお考えの方は、結果を受け止め、準備する期間が得られます。

 

これに関しては違いがありますが、人によっては生まれる前に知っておいてよかったという方も。ショックを受けるかもしれませんが、それは生まれてから知っても変わりません。

 

先に分かっていることで将来起こることや状況に対応する力も身に着けておくことができるので、赤ちゃんにとっても心強いでしょう。

 

妊婦さんや赤ちゃんに対するリスクが低い

出生前診断は、妊婦さんや赤ちゃんに対するリスクの高いものと低いものがあります。新型出生前診断の場合は、妊婦さんの採血だけで検査できるので、リスクが低いのが特徴です。

 

しかし、全くリスクがないというわけではないので、多少のリスクはあることを承知の上、行うようにしましょう。

 

デメリット

診断を行うには条件がある

新型出生前診断を行うには、ほとんどの場合、条件に当てはまった方でなければなりません。

妊娠中は、年齢や出産回数関係なく赤ちゃんの様子が心配になりますよね。しかし年齢的にも若く、特に問題がない妊婦さんの場合は診断を行えないことが多いのです。

 

「条件には当てはまらないけれどどうしても診断をしてほしい」という方は、条件なしで行ってくれる病院や施設を探してみるといいですね。

 

事実を受け止めるのが難しい場合がある

新型出生診断を行うということは、少なからず覚悟を決めているからだと思います。しかし、やはり検査で陽性が出て、その事実を突きつけられると、思っていたよりもショックを受けてしまうことも。

 

妊娠中で不安定な精神状態であることも重なって、なかなか前に進めない方もいらっしゃるでしょう。しかし、新型出生前診断はあくまで非確定的検査なので、これが確定というわけではありません。

 

確定的検査を受けないと本当の意味での結果は分からないので、新型出生前診断だけで判断するのではなく、その先の検査もしっかり受けるようにしてください。

 

陽性が出た場合は、妊婦さんやご家族へのカウンセリングもありますので、心配や不安は抱えたままにせず、専門の機関や医師へ相談することをおすすめします。

 

新型出生前診断も、妊娠出産にかかる費用なので、全額自己負担となります。病院や施設によって変わりますが、大体数万~20万円ほどかかることも。

 

普段の妊婦検診に加えてさらに費用がかかるので、出産前の出費が増えます。それでも「不安を取り除きたい」「しっかり調べておきたい」とお考えの方は先にどのくらいの費用がかかるのか確認しておくのがおすすめです。

 

まとめ

新型出生前診断のメリット・デメリット

新型出生前診断には賛否ありますが、妊婦さんにとっては気になることだと思います。自分の子どもはお腹の中でちゃんと成長できているのか、何か大きな病気や異常はないか心配になりますよね。

 

新型出生前診断は、その検査だけでは確定することはできませんが、赤ちゃんに問題がある可能性を早期に見つけることができます。年齢やご家族などに心配なことがある場合は、一度医師へ相談してみてください。

 

その際に、必ずメリットとデメリットを確認し、しっかりと受け止めたうえで診断するか決めるのがいいでしょう。ご自身が後悔することのないよう、ご家族とも話し合ったうえで最善の選択をするようにしてくださいね。

 

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  • この記事を書いた人

助産師ゆき

看護師免許
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8年間助産師として勤務し、様々な妊産褥婦さんと関わり勉強させていただきました。
その後2020年に第1子を出産し、今までの経験を総動員して育児をしてみたものの上手くいかないことが多々あり、育児の難しさを身に染みて感じました。でもそれ以上に子供は可愛く大変さも吹き飛ぶ日々。現在は育休から復職し、育児の経験を踏まえ、専門的な知識だけではなく、生活で役に立つ情報を伝えられたらいいなと思います。どうぞよろしくお願いします!
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