出産後の幸せな時間に忍び寄る「産褥熱」。
高熱や下腹部痛など、その症状はママにとって大きな負担となります。
産褥熱は一体なぜ起こるのか?どんな症状が現れるのか?
そして、どのように対処すれば良いのか?
この記事では、産褥熱の原因から症状、検査、治療法まで、産後ママが知っておくべき情報を網羅的に解説します。
不安を解消し、安心して産後を過ごせるよう、一緒に学びましょう。
産褥熱(さんじょくねつ)とは?
出産のときにできた傷から細菌が入り感染して起こる発熱を産褥熱といいます。
産後3~5日以内に産褥熱を引き起こすことがあります。
産褥熱が悪化すると細菌が血液内に侵入し、全身に感染してしまうことがあります。そうならないようにするためにも、安静にしたり、早めに治療したりすることが大切です。
産褥熱の症状や原因、治療法などについてご紹介します。
症状は?
産後10日以内に2日以上にわたって38度以上の熱が出た場合に産褥熱と定義します。
症状として、
- ・発熱
- ・下腹部の痛み
- ・悪露にきついにおい
- ・出血をともなう
- ・子宮の圧痛
などがあげられます。
原因は?
子宮内膜炎
一番多いのは、子宮内に細菌がはいることで感染する子宮内膜炎です。悪露がたまってしまい、子宮内に細菌が感染することで炎症をおこします。
母体の免疫力低下
出産で体力を使ったり、ホルモンバランスの影響によって産後は母体の免疫力が低下している状態です。このとき、産褥熱は発症しやすくなります。
また、帝王切開で出産した場合や、前期破水、早期破水で出産までに時間を要したときにも発症率が高くなります。
産褥熱の最も多い感染経路は外陰、膣、頸管からの上行性子宮感染です。
検査の流れ
産褥熱だと診断するには、次のような流れになります。
[症状の経過を見る]発熱や下腹部の痛みなど
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[採血検査、エコー検査、尿検査、細菌培養検査]炎症の確認、原因菌を調べる
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治療を開始
必要に応じてCT検査をされることもあります。
治療について
検査で産褥熱だと診断された場合、多くは抗生剤を内服することによって治療していきますが、入院して点滴で抗生剤を投与することもあります。
それ以外にも、状況に応じて次のような治療が行われることがあります。
- ・子宮の中に胎盤や血腫を取り除く
- ・子宮収縮剤の投与
- ・お腹の膿を取り除く手術
- ・悪露や分泌物の排泄の促進
対処法はある?
産後、出産で体力を消耗したにもかかわらず、産褥熱によって発熱や痛みを感じるのはとても辛いですよね。できる対策は限られていますが、なってしまった場合には、早い処置が何よりも大切です。
まずは下陰部を清潔に保つようにしましょう。産後は悪露もありますので、下着やナプキンをこまめに変えてくださいね。
そして悪化すると、産褥敗血症を引き起こして入院しなければならないことがありますので、症状が表われた場合はすぐに受診するようにしましょう。
産後、赤ちゃんやご家族と大切な時間を健康に過ごせますように。