あると便利な抱っこ紐。これがあれば買い物や家事もスムーズに進むはず!
ただ、首もすわっていない小さな赤ちゃんに使っていいのでしょうか。
また、使えるのならどんなものを選べばいいのでしょうか。
赤ちゃんを迎えるために用意を始めたママパパがそろえなくてはいけないものがいっぱいです。
抱っこ紐は育児のマストアイテムですが、
新生児から安心して使える抱っこ紐はどんな点に注意して選べばいいのでしょうか。
首すわり前の赤ちゃんの抱っこ紐の購入に悩んでいる人はぜひ、参考にしてください。
いつまでが新生児なの?
「新生児」とは生まれたばかりの赤ちゃんのことです。
ですが、では、いつまでそう呼ぶのでしょうか。
何となく検診の1カ月くらいまでかな?と思われた人もいるでしょうが、正解です。実は生後4週間までを新生児と呼んでいるのです。1歳になるまでは、年齢ではなく「1カ月児」「2カ月児」…というように月齢で数えます。
新生児の赤ちゃんはご存じのように「寝ること」「泣くこと」がお仕事ですから、昼夜の区別なく2~3時間置きにこれを繰り返します。ただ、1日中泣いてる時もあり、パパママを困らせることもしばしばです。
新生児の赤ちゃんは「横抱き抱っこ」が基本
今までママのお腹の中で安心してのんびりと過ごしていた赤ちゃん。お腹の中から出てきたばかりなので不安でいっぱいです。だから、少しでもママの側にいたいのです。ママのニオイ、心音、体温を感じ取ると安心。だから抱っこが大好きです。
ただ、首すわり前ですから、体はフニャフニャでグニャ。抱き上げた瞬間に指の間から流れ落ちそうな感覚に襲われてしまいますよね。まるで液体のようです。
新生児の赤ちゃんの基本の抱き方は「横抱き」です。素手で抱っこするとき、首がすわるまでは「横抱き抱っこ」をしましょう。
「横抱き抱っこ」のポイント
特に頭を持ち上げようとすると首がグラグラするので、しっかりと首を支えるのがポイントです。持ち上げたらたて抱きにしてから横に少しずつずらしていき、横抱き抱っこへと変えていきましょう。
- 「抱っこするね」と声をかけながら、頭の下に手を入れます
- 赤ちゃんの頭と首をしっかりと支え、利き手は背中からおしり辺りを支えます
- 赤ちゃんの体全体をしっかり支えたのを確認してから、静かに持ち上げます
- 胸の方に引き寄せ、腕の上にずらしてひじ辺りに置きます
- 腕全体で赤ちゃんをしっかり支えたら「横抱き抱っこ」の完成です
ここからは抱っこをサポートしてくれる抱っこ紐について見ていきましょう。
新生児期の抱っこ紐の選び方
「抱きグセがつくからあまり抱っこしないほうがいいわよ」
こう年配の人に言われたりすると凹んでしまいそうになることもあるでしょう。
しかし、今は昔とは違うと開き直ることも大事です。
首すわり前の赤ちゃんを抱っこしたままだと当然手が空きません。ということは家事ができないことになります。
ママはやることが多いので、抱っこ紐を上手に使って少しでものんびりしたいもの。
ただ、首すわり前の赤ちゃんは首がグラグラしています。慣れるまでは怖いけれど、アタッチメントのついたタイプなら首がすわっていなくても使えます。新生児期から使えるタイプは全部で4種類。定番のベビーキャリアに加え、持ち運びに便利なスリングやベビーラップなども人気があります。
チェックするべき項目はいつまで使うか、使えるかです。12カ月頃、36カ月頃まで使えるタイプなどがあります。長く使えるタイプは多機能な分、サイズがフィットしないなど問題があるものも。悩みはつきませんが、しっかりと選んでいきましょう。
新生児の赤ちゃんに使える抱っこ紐のタイプは以下の3種類です。
- ・キャリータイプ
- ・ベビーラップ
- ・スリング
それぞれを詳しく見ていきましょう。
3歳頃まで長く使える定番の「キャリータイプ」
ベビーキャリアはbaby+carryで、赤ちゃんを運ぶ時に用いる道具のことです。最も一般的なタイプです。その多くは新生児から3歳頃まで使えますが、新生児期に特化した機能のキャリータイプもあります。
安定感が高く、対面抱っこ(縦抱っこ)・横抱っこ・前向き抱っこ・腰抱っこ・おんぶとこのタイプの抱っこ紐がひとつあればいろんな抱き方ができるのが特徴です。腰ベルトの付いているタイプなら、肩と腰で赤ちゃんの体重を分散させることができるのでママの体への負担を軽減してくれます。
デメリットは多機能な分、かさばります。折りたためない製品が多いためベビーカーが使えるようになると、より存在感が増してしまいジャマに思えるかもしれません。さらに多機能ゆえに値段が高いこともあげられます。
おすすめ「キャリータイプ」の抱っこ紐
エルゴベビー「オムニ 360 クールエア」
(エルゴベビーより)
月齢の目安:新生児(3.2kg)~48か月(20kg)
抱き方:対面抱き、前向き抱き、おんぶ、腰抱き
抱き方は4スタイルに切り替えられます。涼しく、軽く、乾きやすいメッシュ製。発育に合わせて体にフィットする「エルゴノミックシート」、首がすわるまで3段階でサポートしてくれる「ヘッド&ネックサポート」付き。汚れたら洗濯機で気軽に洗えるのも魅力です。
ベビービョルン「ベビーキャリア ONE KAI Air スタイ付き」
(ベビービョルンより)
月齢の目安:新生児(3.5kg)~36か月(15kg)
抱き方:対面抱き(ハイ&ロー)、前向き抱き、おんぶ
赤ちゃんの首すわり前はハイポジションの高い位置に、首座り後はローポジションの低い位置に装着して縦抱きできます。前向き抱っことおんぶの4つのスタイルが可能。首すわり前の新生児にも対応していて、成長に合わせて2段階のサイズ調整が行えます。独自の3Dメッシュで通気性に優れています。
アップリカ「コアラ ウルトラメッシュ」
(アップリカより)
月齢の目安:新生児(2.5kg)~36か月(15kg)
抱き方:対面抱き、前向き抱き、おんぶ
赤ちゃんの首すわり前は付属の「ホールディングパッド」を使うと横向き抱っこが可能に。抱っこ紐を装着してから前を大きく開いて赤ちゃんを入れられる「ペタル構造」、肩と腰ラクな「Wトライアングル設計」など、独自機能が満載の抱っこ紐です。
コンビ「ジョイン EL-E」
(コンビより)
月齢の目安:新生児(2.5kg)~36か月(15kg)
抱き方:対面抱き、おんぶ、腰抱き
※ただし、新生児期から使用するには別売が必要
素材が柔らかく、抱っこ紐を使ったときの肩負担をぐっと軽減してくれるベビーキャリアです。新生児期から使用するには別売りのインファントシートを購入する必要があります。このシートは、生まれて間もない赤ちゃんのM字姿勢を守りつつ、優しく支えて抱っこをサポートしてくれます。
キューズベリー「ZERO」
(キューズベリーより)
月齢の目安:新生児(3.2kg)~12か月(11kg)
抱き方:対面抱き、前向き
キューズベリーは純日本製の抱っこ紐。新生児〜首すわりまでの赤ちゃんの首から頭部にかけてしっかり守るヘッドサポートがあるので首座り前でも安心して使用できます。また、前開き抱っこ紐で装着が簡単なところも、おすすめのポイントです。
布1枚を巻き付ける「ベビーラップ」
赤ちゃんを抱っこ・おんぶするための長い布を「ベビーラップ」と言います。中高年の方にはなじみのない言葉でしょうが、「ベビーラップ」は1971年ドイツのエリカ・ホフマンがメキシコのお土産にもらったレボゾという布地で抱っこする風習に感銘を受けて開発したことから生まれたもの。1972年にディディモスを創業しました。
ベビーラップは主に欧米を中心に人気がありますが、最近では日本でも広まってきました。使い方は体に布を巻きつけるだけと簡単なのも魅力です。ただ、長い布の巻き方があるので使う前に練習が必要になります。
北極しろくま堂「兵児帯(へこおび)」
(北極しろくま堂より)
月齢の目安:生後2週から~36か月(14.9kg)
抱き方:対面抱き、おんぶ
日本で初めての国産ベビーラップを製造販売しているメーカー。
2019年より厚みのある生地を使った「へこおび」を発売。ベビーラップの半分の幅しかないので、コンパクトに持ち運べるのが特徴です。「へこおび」とはもともと薩摩藩の少年兵が使っていた柔らかい帯のことで、漢字で書くと「兵児帯」です。赤ちゃんの体重がかかってもパパママの負担になりにくい、体重の分散がしやすいというメリットもあります。
さらにネットに入れて気軽に洗濯できるのも便利です。持ち運びに便利な収納袋付き。
ディディモス「ベビーラップ」
(ディディモスより)
月齢の目安:新生児(2.5kg)~
抱き方:対面抱き
ベビーラップを作り出したドイツのメーカー。練習は必要ですが、コツさえ掴んでしまえば手放せなくなると世界中で愛用者が増えています。大人の体の負担を考えられた新生児から使えるオーガニックコットンのベビーラップです。縦と横で異なった糸を織り合わせる特殊な技術により、弾力性や耐久性に優れていて、とってもおしゃれなのが特徴です。
ハンモックのように包み込む「スリング」
新生児から2~3歳まで使える「スリング」は、布1枚で赤ちゃんをすっぽり覆ってしっかりホールドする抱っこ紐です。ただ、練習は必要となります。新生児の赤ちゃんの寝かしつけには「スリング」がおすすめです。
「スリング」は片側の肩に掛けてハンモックのように赤ちゃんを包み込むタイプ。コンパクトに折りたためて持ち運びにもラクなのが特徴です。さらに授乳ケープ代わりに使えます。
「スリング」は以下の3タイプがあります。
- ・リング
一枚の布に二つのリングが付いているタイプ。リングに通した布を引き絞ることで長さ調節が可能になります。使いこなすには練習は必須です。
- ・バックル
スリングの後ろにファスナーやバックルがついているタイプ。簡単にサイズ調節でき、着脱も簡単。あらかじめ長さを調節して使えますが、バックルだと大きくかさばる感が大。ファスナータイプならその心配もありません。
- ・チューブ
筒型のスリングタイプ。長さの調節はできませんが、リングスリングより着脱が簡単で、留め具もなくかさばらないのが最大のメリット。
■ディディモス「リスカ」
(ディディモスより)
月齢の目安:0か月(体重制限なし)
1972年に世界で初めてベビーラップを製品化したディディモスが製造・販売するスリング。
初めてでも引き締めやすいつくりになっているのでしっかり密着してくれる抱っこ紐。柔らかい布が、肩など体の丸みにしっかりフィットし、長時間抱っこしていても肩や腰が痛くなりにくいのが特徴です。難しそうな巻き方も装着したスリングに赤ちゃんを入れて引き締めるだけと簡単です。
北極しろくま堂「キュット ミー!しじら織り」
(北極しろくま堂より)
月齢の目安:生後2週目~36カ月(16kg)
だっことおんぶの専門店「北極しろくま堂」が製造・販売するスリング。綿100%のサラッとした薄く柔らかいしじら織りを使用しているので、保温性や通気性に優れています。サイズは180cm×80cmの1サイズ。定期的に使い方相談会も開催されているので、使い方が不安なら利用するのも手です。
まとめ
新生児期に抱っこ紐を使う時は練習が必要です。首がすわっていないとママの緊張感がそのまま赤ちゃんに伝わってしまう恐れもあります。泣いて嫌がる場合は無理しないこと。赤ちゃんのペースに合わせてあげることも大切です。
抱っこ紐を正しく使うためには普段はスルーしてしまいがちなトリセツをしっかりと読むことです。自分勝手に使ってしまうと間違っていても気づきません。
機能や使用用途だけでなく、赤ちゃんの成長に合わせて抱っこの仕方も変えていけば、ママの負担も軽くなります。この記事を参考に、新しく迎えた赤ちゃんと楽しく笑顔溢れる子育てライフを送ってください。