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【産婦人科医監修】妊娠中の乳首の黒ずみ、心配無用?原因とケア方法を解説

2020年11月9日

  • 記事の監修者

丸尾 伸之 先生

レディーバードクリニック 院長

平成13年 大分医科大学卒業、神戸大学医学部附属病院で産婦人科勤務
平成20年 神戸大学大学院で医学博士取得、神戸赤十字病院で勤務
平成27年 淀川キリスト教病院 産婦人科部長
令和4年 大阪西天満でレディーバードクリニックを開業
監修者情報

妊娠中 乳首の黒ずみ ケア方法

妊娠したら乳首が黒ずんできた!これって大丈夫?そんな不安を抱える妊婦さんは多いはず。実は、乳首の黒ずみは妊娠中のホルモンバランスの変化によるもので、ほとんどの妊婦さんが経験すること。この記事では、乳首の黒ずみの原因と安心して妊娠期間を過ごすためのケア方法を詳しく解説します。

 

妊娠後乳首の色が濃くなりました。大丈夫ですか?

助産師ゆき
ホルモンの影響です。心配いりません。産後に徐々に改善してくると言われています。

妊娠するとホルモンバランスの影響によっておかあさんの身体にいろんな変化が現れてきます。これは赤ちゃんを迎えるための準備ですので、「乳首が黒くなってしまった・・・」「わたしだけかな?」と心配しなくて大丈夫ですよ。☺️

身体の状態の変化に不安になったり、心配になったりすることが多いかもしれませんが、これらはすべて妊娠中のほとんどのおかあさんが経験していることなんです。
一つずつ身体の状態を知りながら、不安を解消していきましょうね。

乳首の色が黒くなるのはなぜ?

「妊娠中に乳首の色が濃くなった」というおかあさんは90~100%でほぼ全員が経験されていることがわかります。(ほぼ全員ですね!)
これを聞いて、自分だけじゃないんだ、と少しは安心できるのではないでしょうか?😊

これはホルモンバランスの影響によるものだといわれていますが、なぜ色が濃くなるのでしょうか?

それは、メラニン色素が増えることが主な理由です。
メラニン色素が増えることによってシワやシミができやすくなったり、乳首や脇、おへそなど身体のところどころに黒ずみ(色素沈着)が出たりしてしまうのです。
乳首の色が黒くなるだけでなく、乳輪が大きくなったり、乳輪に小さなプツプツができたりすることもありますが、これも妊娠中にほとんどのおかあさんが経験することですので心配する必要はありませんよ。

メラニン色素は悪いものばかりではなく、私たちの身体を守ってくれるはたらきもあるんですよ。
赤ちゃんがおかあさんのおっぱいを吸うときのために乳首や乳房が準備しているともいえますね。

乳首の色は元に戻るの?

多くのおかあさんが「乳首の色は元に戻りますか?」と心配されています。
色が戻るまでの期間や色の度合いには個人差があり、『産後すぐに!』、『綺麗に元通りの色に!』というわけにはいきませんが、数ヶ月~数年にわたって少しずつ戻っていくものなので安心してくださいね。

 

ですので妊娠中は、変化していく身体の状態をしっかり受けとめてあげてくださいね。
おかあさん、お腹のなかの赤ちゃんにとってなくてはならない、とてもたいせつな時期なのです。

予防・ケアすることはできないの?

黒くなってしまう前に予防はできないの?どうにかして防ぎたい・・・と思うおかあさんもいるかもしれません。

しかし妊娠中にあれこれと胸のケアをすることはかえって肌やホルモンバランスを刺激することになり、あまりおすすめできません。

汗や汚れをしっかり落として清潔にすることを意識したり、クリームなどで保湿したり、優しくケアしてあげるようにしてくださいね。産後、自然と少しずつ戻っていきますのであまり心配しすぎる必要はありませんよ。

どうしても気になるようでしたら、産後、落ち着いたときに皮膚科や助産師さんに相談したりするようにしてくださいね。

 

この項目では、乳首の変化に不安を抱えるおかあさんのために、妊娠中にできるケアの方法について解説します。
色の濃さの改善にはならないことが多いですが、妊娠中や産後のおっぱいのトラブルを少しでも回避するために役立ちますので、ぜひ実践してみてくださいね。

適切なブラジャーを選ぶ

おっぱいと直接接触することになる「ブラジャー」は、適切なものを選ぶことがおっぱいや乳首への悪影響を抑えることになります。

妊娠すると乳腺が発達する影響により、個人差こそありますが平均で1~2カップほどサイズアップします

助産師ゆき
そのため、妊娠後は大きくなったおっぱいのサイズに合わせて、ブラジャーを買い替えることがオススメ!

 

サイズはもちろんですが、ワイヤーの有無も妊娠中のブラジャー選びにおいて重要なポイント。

ワイヤーの入ったきついブラジャーは乳腺を傷めてしまったり、乳首を強く圧迫することにより、傷の原因になることもあります。また、おっぱいを圧迫することによって胸への血流を妨げてしまい、母乳の分泌に悪影響が出ることがあります。

 

そのため、妊娠中のブラジャーは、ワイヤーが入っていないゆったりしたものが良いでしょう。また、おっぱいが持ち上がるような感じがあり、装着するおかあさんが気持ち良いと感じるものがおすすめです。

また、自宅にいる間はブラジャーを外しておくことをおすすめします。

  • ・サイズが大きいものを選ぶ
  • ・ノンワイヤーのものを選ぶ
  • ・自宅ではブラジャーを外しておくと楽

乳首のお手入れをする

乳首のお手入れ ベビーオイル

妊娠中は、乳首のお手入れにも場合によっては必要です。

適切な方法で実践しないとかえって乳首を刺激してしまい、余計に色の濃さが目立ってしまうリスクもありますので、産婦人科で指導される内容を中心に、無理のない範囲で以下のマッサージ・お手入れを実践してみてくださいね☝️

 

乳頭圧迫

まずは「乳頭圧迫」です。

片手でおっぱいを支えた状態で、片手の親指・人差し指・中指の三本の指で乳輪から乳頭をつまんでください。

そのまま乳頭の先をつぶすようにしながら圧迫します。この動作を、位置を変えながら一周まんべんなく行ってください。

もみずらし

次に「もみずらし」です。

名前の通り乳頭圧迫を行いながら、縦方向や横方向にもみずらしてください。

助産師ゆき
痛みを感じない程度の強さで、最初は5~10秒ほどかけて実践してみましょう。

オイル湿布

次は「オイル湿布」です。

入浴の10分前を目安に実践しましょう。

  1. まず、コットンにベビーオイルなどのオイルをたっぷりと含ませます。
  2. 次に、オイルを含ませたコットンを乳頭に貼り付け、その上からラップで覆って10分ほど待ってください。
  3. 当てていたコットンで軽くこすって、大まかに垢を落とします。
  4. あとはしっかりと洗い流してください。

 

ママの声
私も授乳中は普段からベビーオイルを塗布するように心がけていました。色だけでなく乳首の保護にもなるので、授乳で乳首が荒れることなく過ごすことができました。

まとめ

妊婦さんの乳首の色が濃くなってしまうことは、自然なことなので過剰に気にする必要はありませんよ😌

 

妊娠中のおっぱいのケアは、妊娠中や産後のトラブルを避けるために重要なことです。過度にやりすぎないよう、適切な方法で実践しましょう。

それでも気になる方は、産婦人科や皮膚科に一度相談してみましょう。

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  • この記事を書いた人

助産師ゆき

看護師免許
助産師免許
保健師免許

8年間助産師として勤務し、様々な妊産褥婦さんと関わり勉強させていただきました。
その後2020年に第1子を出産し、今までの経験を総動員して育児をしてみたものの上手くいかないことが多々あり、育児の難しさを身に染みて感じました。でもそれ以上に子供は可愛く大変さも吹き飛ぶ日々。現在は育休から復職し、育児の経験を踏まえ、専門的な知識だけではなく、生活で役に立つ情報を伝えられたらいいなと思います。どうぞよろしくお願いします!
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