「もしかして、これって切迫早産?」
妊娠中にいつもと違う体の変化を感じると、不安になりますよね。。
切迫早産は、早産の一歩手前の状態で、適切な処置をすれば早産を防げる可能性も十分にあります。
しかし、症状や原因を正しく理解していないと、適切な対応が遅れてしまうことも。
この記事では、切迫早産の症状、原因、そして自宅や病院での対処法について詳しく解説します。
早産との違いや、入院が必要なケースについても触れているので、ぜひ最後まで読んで、安心して妊娠期間を過ごしてくださいね😌
目次
切迫早産とは
通常、赤ちゃんは妊娠37~42週の間に生まれ、これを「正期産」といいます。
正期産に入っていれば、母子ともに心配なく出産できるということです。
「早産」はそれよりも早くに生まれること。妊娠22~37週の間の出産のことをいいます。
そしてこの時期に、今にも赤ちゃんが生まれそうな状態になることを「切迫早産」というのです。
切迫早産の症状
お腹の張り
お腹の張りは妊娠中であれば、感じることがあるでしょう。
特に妊娠後期になると、出産も近づいてきていることからお腹が張ることが多くなってきます。
しかし、それよりも前に頻繁にお腹が張ったり、いつもとは違う張り方をしたりすることも。
しばらく安静にして治まるのであれば問題ありませんが、休んでいても張りが続くようなら切迫早産の症状である可能性があります。
破水
お腹の中の赤ちゃんは、生まれてくるまで羊水の中で過ごしています。破水とは赤ちゃんがいる膜が破れて羊水が流れ出すことです。
少量の場合、おりものなのか尿漏れなのか見分けがつきませんが、破水は自分の力では止めることができず出続けるので、もし出続けているのであれば破水している可能性があります。
破水すると身体の外から細菌が入りやすくなり、赤ちゃんを守るものがなくなっている状態なので細菌感染してしまう心配も。
そのため、水っぽいものが断続的に出てきていたり、生臭いような臭いがしたりする場合は注意が必要です。
出血
妊娠初期にも出血することがありますが、これは着床出血である場合があります。しかし中期以降になってから出血したり痛みがあったりする場合は、切迫早産の可能性もあります。
その他にもおりものから悪臭が出たりするなどの症状があるので、少しでもいつもと体調が違うと感じたら病院へ相談するようにしてください。
切迫早産の原因は?
子宮内感染
子宮内感染は、切迫流産の主な原因として挙げられます。腟から子宮内へ細菌が侵入し、発症するのが「絨毛膜羊膜炎」です。
絨毛膜羊膜炎は子宮口が開きやすくなり、前期破水や早産などを引き起こします。特に妊娠30週未満に起こる早産の原因となっているので、注意が必要です。
子宮頸管無力症
子宮頸管無力症とは、子宮収縮がないにも関わらず子宮口が開いてしまう病気のことです。
体質や子宮頸部の手術既往などが関係しているのですが、自覚症状がありません。
ほとんどの場合、妊娠20~24週頃の妊婦検診で見つかりますが、最初の妊娠のときに子宮頸管無力症と診断を受けた方は、妊娠12週頃を目安に子宮頸管縫縮術(子宮の出口を縛る手術)をすることも多いようです。
多胎妊娠
双子や3つ子などの多胎妊娠の場合、お腹の中に胎児が2人、3人といるとその分子宮が大きくなりますよね。
そのため子宮収縮が起こりやすくなり、状態によっては長期入院が必要になることもあります。
子宮奇形
子宮奇形とは子宮が通常とは違う形をしていたり、子宮の一部が欠損していたりすることをいいます。
子宮の中で動きづらかったり狭かったりするので、切迫早産の原因になるのです。
ストレス
妊娠すると、身体が思うように動かなかったり、気持ちの面でも不安定になりやすかったりするので、ストレスがたまりやすくなります。
妊娠していないときでも、緊張したり不安がある場合は胃が痛くなったりしますよね。妊娠中も気づかないうちにどんどんストレスがたまっていくので、上手に息抜きができない場合は、身体に影響が出るのです。
その他にも妊娠高血圧症候群、高齢出産、喫煙や、やせているなどが原因でなることも。切迫早産はさまざまな要因が考えられるので、自分でできることは日頃から気を付けるようにしましょう。
切迫流産との違い
切迫早産と一緒によく聞く言葉といえば「切迫流産」ではないでしょうか。
切迫流産とは、切迫早産とは違い、流産しかかっているということ。
詳しく説明すると、「妊娠22週未満に出血や痛みがある」状態のことです。
しかし、切迫流産と診断されても、症状の度合いによっては、家で普段通り過ごせることもあります。
切迫早産 | 切迫流産 |
妊娠22~37週 | 妊娠22週未満 |
早産しかかっている | 流産しかかっている |
切迫早産の診断方法
切迫早産はどのように診断されるのでしょうか。
そのポイントは子宮頸管の長さです。
子宮頸管とは、子宮の下の方にあって、子宮から腔につながる筒状のことをいいます。
一般的な子宮頸管の長さは35~40㎜ですが、妊娠32週以降では25~30㎜まで短くなります。
これが、妊娠22~37週の間に短くなっていることに加えて、お腹の張りや痛みの有無など総合的にみて診断するのです。
切迫早産になったらどうする?
では切迫早産と診断されたらどのようにすればいいのでしょうか。
ここでは、比較的軽い症状の場合の過ごし方と入院が必要な場合の状態について解説していきます。
比較的軽い症状の場合
切迫早産になったら、まず大事なのは無理せず安静にすることです。
症状が軽い場合は、家で過ごしても大丈夫ですが、無理をすることは禁物です。
例えば、「重いものを持つ」「長時間移動をする」など、お腹に負担のかかることはやめましょう。
パートナーや家族に頼りながら、ご自分の体とお腹の中の赤ちゃんを優先するようにしてください。
また、基本的には通院で、張り止めの薬を飲んだり医師の診察を受けたりするなどして様子を見ることが大切です。
入院が必要な状態とは?
入院の基準は病院によっても違ってきますが、子宮頸管の長さが25㎜まで短くなり、一定の間隔でお腹の張りが続いている場合は入院が必要となる場合があります。
入院中は、症状によって行動制限があり、「基本的にはベッドで横になる」「同じフロア内であれば動ける」「院内であれば動ける」などさまざまです。
入院中の経過がよければ途中で退院することも可能ですが、正産期に入るまで入院になることもあります。張り止めの点滴や膣内の洗浄など、さまざまな治療を行い、無事に出産できるようサポートしてくれるのです。
早産になったら?
早産には人工早産と自然早産の2種類があります。人口早産とは、妊娠高血圧症候群や、前置胎盤などが原因で、このまま妊娠を継続することが難しいと判断された時に人工的に出産させることです。
自然早産はどの逆で、何らかの原因によって早い段階で破水や陣痛が起き、普通よりも早めに出産することを指します。
ここでは早産になることで起こるリスクは何なのか、また生まれた後の母子のケアについてもみていきます。
早産のリスク
存率が低くなるとされています。妊娠28週以降で生まれた赤ちゃんは生存率が95%であるのに対して、妊娠22~23週で生まれた赤ちゃんの生存率は50%というデータもあります。
早産で生まれた赤ちゃんは未熟児となります。体が小さいのはもちろんのこと、臓器がまだ正常に機能していなかったり、感染症にかかりやすかったり、リスクは大きいでしょう。そのため、生まれたらすぐにNICUに入ることになるのです。
生存率も生まれた週数によって変わりますが、妊娠22~23週だと50%、妊娠28週以降であれば95%となります。無事に生まれてきてくれても、何日か経った後に容体が急変したり、後遺症が残ったりと、赤ちゃんに対するリスクは高いままです。
母子のケア
早産で生まれた赤ちゃんはNICUに入れられて、24時間体制で医師や看護師がみてくれます。通常であれば出産後は何日かしてお母さんと同室になるのですが、早産で生まれた場合は別々になります。
お母さんは赤ちゃんとなかなか会えず、不安になったり、他の赤ちゃんと過ごしているお母さんを見て落ち込んだりすることもあるでしょう。そのような場合は、看護師や部屋の掃除に来てくれるおばちゃんなど、とにかく自分が話しやすい人に相談し、気持ちを吐き出すようにしてください。
病院のスタッフは、妊娠出産までの検診や退院まで身の回りのことをしてくれるだけでなく、心のケアを重要視しているところも多くあります。そのため、辛いときは一人で抱え込まずに、人に話をしてみてください。きっと気持ちがすっきりしますよ。
切迫早産にならないための予防法
切迫早産にならないために必要なことは、まず無理をしないことです。つわりもおさまってきて、身体が動かせるようになってきたからといって、いきなり重いものを持ったり、睡眠時間を削ったり。妊娠前には普通にできていたことも妊娠中はできないことが多いので、生活習慣を見直すようにするといいでしょう。
また、性交渉も、「妊娠したから避妊をする必要はない」と考えている方も多いかもしれませんがこれは間違いです。精液には菌もたくさんいますし、膣内に傷ができるとそこから細菌が増殖することもあります。そのため、妊娠中に性交渉をする場合は、必ず避妊するようにしてください。パートナーはあまりピンと来ないかもしれないので、よく話し合うことが重要ですよ。
まとめ
切迫早産は、少し無理をしたり細菌による感染などによって起こりやすくなります。
軽い症状の場合は、家で安静にすることで済みますが、重症になると入院することになり、それが長期となると心身への負担もそうですが、金銭的にも痛手となります。
そのため、日頃の生活習慣を改善したり無理をしないようにできないことは家族にお願いしたりしながら、ストレスを溜めない日々を過ごすことが大切です。
何事もなければそれはそれでいいですし、早めに連絡したことで早期発見にもつながります。
無事に元気な赤ちゃんを出産できるよう、ゆったりした時間を過ごしながら妊娠生活を送ってください。