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【産婦人科医監修】妊娠初期の出血|赤ちゃんへのリスクは?いつまで続く?

2022年7月19日

  • 記事の監修者

丸尾 伸之 先生

レディーバードクリニック 院長

平成13年 大分医科大学卒業、神戸大学医学部附属病院で産婦人科勤務
平成20年 神戸大学大学院で医学博士取得、神戸赤十字病院で勤務
平成27年 淀川キリスト教病院 産婦人科部長
令和4年 大阪西天満でレディーバードクリニックを開業
監修者情報

妊娠初期 出血 リスク

助産師ゆき
こんにちは!助産師ゆきです。

妊娠初期というと、つわりも徐々に出始めてきて、おなかの中に赤ちゃんがいるんだという実感が湧いてきますよね。

そんなとき、突然の出血によって不安に感じることはありませんか?

この記事では

  • ・妊娠初期に起こる出血の原因や色
  • ・出血があったときの対処法
  • ・妊娠初期の過ごし方

について解説していきます。

 妊娠が分かったばかりの方やこれから妊活をしようと考えている方もぜひ参考にしてくださいね。

妊娠初期の出血|お腹の赤ちゃんは大丈夫?

妊娠初期 出血 リスク

妊娠初期に、出血があると、まず心配するのは、「お腹の赤ちゃんは大丈夫?」ということでしょう。

妊娠初期には流産しやすいこともあって、少しの異変にも敏感になりますよね。

 

妊娠初期の出血には、いろいろな原因があり、出血があったからといって、それだけで赤ちゃんが無事か、危険な状態であるのか、判断することができません。

  • ・出血の量
  • ・出血が続く期間など

いろんな視点から捉える必要があります。

ティッシュにつくくらいの少量の出血

妊娠中、女性の膣や子宮内は少しの刺激によって出血することがあります。

10人に2〜3人くらいは、ティッシュにつく程度、おりものに茶色い血が混じる程度の出血を経験したことがあると言われています。

 

これは着床出血であるケースが多いのですが、出血に気がつかない方もいたり、経験しないママさんの方が多いとも言われています。

出血しても問題なく出産を迎えられる

妊娠中に出血があると、「お腹の赤ちゃんは大丈夫?」「発達には問題がない?」と不安になることと思います。

ですが、妊娠初期に少量の出血があったからといって、必ずしも赤ちゃんやママの命・健康に問題があるわけではありませんよ。

 

出血のあるなしに関係なく、お腹の中で赤ちゃんが健康に育っていれば、問題ありません。

出血があっても、しっかりと対応すれば問題なく出産できることが多いです。

助産師ゆき
心配な時は、医師に相談して、検査してもらうようにし、安心して過ごせるようにしていきましょう。

 

妊娠初期に起こる出血の主な原因は?

妊娠初期に起こる出血の主な原因は?

 

妊娠初期はまだまだ不安定な時期なのでトラブルはつきもの。

そのひとつが出血です。出血の原因は下記のようなものがあります。

 

着床出血

妊娠初期に起こる出血は、ほとんどがこの着床出血によるものとされています。

 

着床出血とは、受精卵が着床した際に子宮内膜が傷ついて起こるもの。

量や色は人それぞれですが、生理が始まった時のように下着に血が滲む程度だという方がほとんどです

出血がおさまるまでは14日程度かかり、それ以外に異常がなければ問題ありません。

絨毛膜下血腫

絨毛膜下血種とは、絨毛膜(胎盤)と子宮内膜の間に出血が溜まることをいいます。

少量の場合は問題ありませんが、大量出血の場合は注意が必要です。

妊娠中期になっても出血が続くと場合は流早産を引き起こすことがあるので、出血の量が多い場合は早めに病院を受診するようにしてください。

子宮頸部びらん

子宮頸部びらんとは、女性ホルモンの影響で子宮口の近くがただれた状態になることです。

出血の量はごくわずかで、ティッシュにつく程度の量。

炎症になるので、ママや赤ちゃんの体には特に影響はないと言われています。

妊娠中の体はデリケートなので性交や内診などのちょっとした刺激でも出血を起こしてしまうこともあるものです。

 

診察が必要な出血の原因

上記の原因以外にも緊急を要する出血があることも。どのような症状が出るのか知っておくと対処もできるので詳しくみていきます。

切迫流産

切迫早産とは、妊娠22週未満に流産を引き起こす可能性のある出血を起こした状態のことを言います。

 

「流産」というワードがありますが、診断時には流産しているというわけではなく、流産を引き起こす可能性がある状態のことを指すので、慌てないでくださいね。

安静にしたり、適切な処置をすることで妊娠を継続させられることはあります。

状況ももちろん人によって変わってくるので、病院の先生の指示を仰ぐようにしましょう。

早期流産

妊娠12週までに初期流産は起こりやすいと言われています。早期流産が起こる原因の多くは赤ちゃんの染色体異常が原因です。

染色体の数は、着床した瞬間に決まるので、この時に、染色体の数に異常があると、お腹の中で育つことが難しく、早期流産してしまいます。

 

早期流産の場合は、出血の量が多く、強いお腹の痛みを引き起こすことがあります。

異所性妊娠

妊娠反応が出ていざ病院へ行ってみると、子宮内に赤ちゃんを見つけられないということがあります。

異所性妊娠とは卵管や卵巣、腹膜など子宮以外で妊娠してしまうことです。

 

診断が遅れると腹痛と共にお腹の中に出血を引き起こすことも。

残念ながら異所性妊娠の場合、妊娠の継続は不可能で早急に妊娠を中止しなければなりません。

妊娠が分かったら早めに病院を受診し、きちんと子宮内で妊娠しているかどうか確認しましょう。

妊娠初期の出血と生理の違いは?

助産師ゆき
妊娠初期の出血は、生理とどのような違いがあるのでしょうか。量や色、出血の期間などをみていきます。

妊娠初期と生理前の症状は似ている?

まず基本的に妊娠初期と生理前の症状は出血以外とてもよく似ていて、下腹部痛やイライラなどはどちらもみられます。

その他にも眠気やだるさもあるのではじめは妊娠しているのか生理前なのかなかなか区別がつかないことも。

生理とどう違う?

ただ、出血に関しては少し違っていて、生理の場合は徐々に量が増えはじめ、23日後にはピークを迎えてまた徐々に減っていくというのが特徴です。

一方で妊娠初期の出血は少量の出血が23日続く場合や、はじめから大量に出血する、だらだらとずっと出血しているということもあります。

 

出血以外にも下腹部に激痛があったり、基礎体温に変化がなかったりした場合は生理とは違うと疑った方がいいでしょう。

妊娠しているか生理前か知りたい場合は?

しっかりと定期的に生理が来ている方は、少しでも予定とずれていたら妊娠検査薬で調べてみるのもおすすめです。

生理不順の方は判断がつきにくいと思うので、すぐに医師へ相談してみる方が安心でしょう。

妊娠初期の出血があったら 

妊娠中 胃痛 原因

妊娠初期に出血があった場合は、血の状態をよく見ておきましょう。病院を受診するときに出血の状況を正確に伝えなければならないからです。

以下にポイントを挙げていきます。

いつから出血しているのか

出血はいつから始まり、今も継続中なのかもう止まっているのかということをメモしておくといいでしょう。

出血の期間も重要なので、正確に把握しておきます。

血の色

血の色をチェック!

  • ・鮮血
  • ・おりものと混ざったピンク色
  • ・赤褐色
  • ・茶色っぽい
血の色
着床出血鮮血、ピンク色、茶色っぽい
絨毛膜下血腫鮮血、赤褐色
子宮頸部びらん

ピンク、赤褐色、茶色

切迫流産鮮血、赤褐色
早期流産鮮血
異所性妊娠鮮血、赤褐色

 

血の量

下着につく程度であったりティッシュにつく程度であったりと血の量が少ない場合はそれほど心配することもありません。

しかしナプキンが赤くなるぐらい多いとすぐに病院を受診しなければなりません。また、ずっと同じ量なのか、量が変わってきているかなどもしっかりみておきます。

血の量
着床出血少量、ティッシュに付く程度
絨毛膜下血腫大量に出血することもある
子宮頸部びらん

少量、おりものに混じる程度

切迫流産少量〜大量(状況による)
早期流産少量〜大量(状況による)
異所性妊娠徐々に出血が増え、急に大量出血する

 

血の状態

血の状態がサラサラなのかドロッとしているのかによっても違いがあります。特に血の塊が出てくる場合は、流産している可能性もあるのですぐに病院を受診することが必要です。

妊娠初期の出血はいつまで続く?

妊娠初期の出血は、原因によって続く期間も変わってきます。着床出血であれば、1〜4日で終わることが多いですし、胎盤ができあがる過程での出血については4〜7日間の出血が続くこともあります。以下のような場合は、ご自身で判断せず、早く病院へ受診することが大切です。

  • ・(急な)大量出血があった時
  • ・お腹の痛みが激しい時
  • ・お腹を打つなど出血に心当たりがある時
  • ・嘔吐や発熱、出血以外の症状を伴う時
  • ・数日間原因のわからない出血が続く時
助産師ゆき
どうしてもご自身で判断するのは難しいものです。ママの不安を取り除くためにも、早い受診、かかりつけ医に相談することをおすすめします。

まとめ

 

妊娠初期には出血することは、めずらしくありません。しかし、急な出血があるとやはり驚いてしまいますよね。

出血といっても心配しなくてもいいものもあればすぐに処置が必要なものもあって、どの程度までなら大丈夫なのかということは自分ではなかなか判断できないと思います。

 

「こんなことで病院へ行ってもいいのかな」と不安になるかもしれませんが、何事も早めの対処が重要です。

実際に診てもらって「大丈夫だった」という方が安心なので、少しでもおかしいなと感じたら病院を受診しましょう。

 

「いきなり行くのは」と気が引けてしまう場合は、一度病院へ連絡して今の状況を説明するといいでしょう。その時点で早急に受診が必要かどうか指示してくれますよ。

あまり心配しすぎるのも精神的に良くありませんが、不安を取り除くことが重要なので、自分にとって一番いい方法を取るようにしてくださいね。

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  • この記事を書いた人

助産師ゆき

看護師免許
助産師免許
保健師免許

8年間助産師として勤務し、様々な妊産褥婦さんと関わり勉強させていただきました。
その後2020年に第1子を出産し、今までの経験を総動員して育児をしてみたものの上手くいかないことが多々あり、育児の難しさを身に染みて感じました。でもそれ以上に子供は可愛く大変さも吹き飛ぶ日々。現在は育休から復職し、育児の経験を踏まえ、専門的な知識だけではなく、生活で役に立つ情報を伝えられたらいいなと思います。どうぞよろしくお願いします!
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