赤ちゃんは「首すわり」という時期があります。平均的な時期というものはありますが個人差もあり、ママやパパにとってはお子さんの首すわりがなかなか来ないと不安になってしまうかもしれませんね。
ここでは、赤ちゃんの首すわりの時期がいつ頃なのかについてを中心に、首すわりに関連するさまざまなトピックについて解説します。これから出産を迎えるママさんにとっても役立つ情報を盛り込んでいますので、ぜひ参考にしてくださいね。
目次
そもそも「首すわり」ってどういう状態?
よく「赤ちゃんの首がすわる」という言い方をしますが、具体的にどういった現象であるのかご存知ではないママさんも少なくありません。ですが、お子さんの成長・発達の一環として起こる現象ですから、せっかくの機会なので「首すわり」についてきちんと理解しておきましょうね。
首すわりの意味
「首がすわる」とは、赤ちゃんが成長することで自分で自分の頭を自由に動かせるようになることです。この状態になると、ママさんやパパさんが抱っこする際に後頭部を支えずに済むようになります。それまでは赤ちゃんは自分で自分の頭部を維持できませんので、きちんと頭部を支えて抱っこしてあげてくださいね。
首がすわるまでは頭と首が安定する抱き方を心がける
先ほども触れていますが、赤ちゃんの首がすわるまでは、赤ちゃんの頭と首が安定する抱き方を心がけてください。慣れた方でないと正しくない抱き方をしてしまう可能性もありますので、出産前にママさん・パパさん両方でママさん研修などを受けて、首がすわるまでの正しい抱っこの仕方をきちんとマスターしてくださいね。
赤ちゃんの首すわりはいつ頃が平均的?
多くのママさん・パパさんにとって、自分たちの赤ちゃんがどの程度の発育をしているのか、その目安を知るための方法を把握したいと思うでしょう。育児において、発育の目安を知ることは重要なことですよね。
目安は「生後3~4ヶ月ごろ」
当然ながら個人差はありますが、赤ちゃんの首すわりの目安となる時期は「生後3~4ヶ月ごろ」となります。
そもそも、なぜ赤ちゃんは自身の頭部を自身で支えることができないのかといえば、それは生まれたばかりで筋肉が十分に発達していないことが理由です。成長に伴って頭部を支えるための筋肉が発達していくことで、次第に自力で自身の頭部を支えられるようになり、これがいわゆる「首がすわる」という状態なのです。
首すわりには個人差がある
人の成長(身長や体重、体格など)に個人差があるように、赤ちゃんの首すわりにも当然ながら個人差があります。つまり、前述の「生後3~4ヶ月ごろに首がすわる」というのも赤ちゃんごとに個人差があり、この時期までに首がすわらなくても不安になる必要は基本的にありません。
一般的に「早産」で生まれた赤ちゃんは、首がすわるのが遅いとされています。早産でなくても個人差の影響がりますので「ウチの子は4か月が経っても首がすわらない!」と慌てることなく、お子さんの成長を見守ってあげてくださいね。
たまに、親族や知り合いから首のすわりが遅いことを指摘されることもあるかもしれません。ですが、首すわりには赤ちゃんごとに個人差がありますので、あまり気にする必要はないでしょう。もちろん、何かしらの異常はあるかもしれませんので、ある程度は気にしておいて、どうしても不安な方は医療機関で診てもらうことも選択肢に含めておいてくださいね。
首がすわったかどうかを確認する方法
首がすわったかどうかは、赤ちゃんの抱っこの仕方や、成長の兆しを見る方法として重要なポイントになりますよね。なので「この子は本当に首がすわっているのか?」を確認することは大切です。
首がすわっていることを確認できる3つのポイント
赤ちゃんの首がすわっていることを確認する方法としては、以下の3つのポイントに注目するという方法があります。
- うつ伏せにしたときに自分で頭を持ち上げることができる、および支えられなくても自分で首を動かして頭の向きを左右に変えることができる
- 縦抱きをしたときに大人の支えがなくても頭をまっすぐに保つことができる
- 仰向けに寝かせてから両手を引いて、上半身をゆっくり引き起こしたときに首が後ろに倒れずに体と一緒に頭がついてくる
この3つの条件をすべて満たしていれば、赤ちゃんの首がすわっている状態であると判断して問題ないでしょう。日常的に赤ちゃんとの触れ合いを観察して、上記の条件を満たしているかどうかを確認してあげてくださいね。
確実なのは「医療機関で診てもらう」こと
さらに確実に、お子さんの首すわりを確認したいのであれば、担当の医師や看護師さんに確認してもらうのが良いでしょう。3か月検診など、ちょうど良いタイミングで医師とコンタクトをとる機会がありますので、この機会にお子さんの首すわりの有無を確認しておくことをおすすめします。
担当医に確認することの意味として大きいのは「安心できる」ことが挙げられます。プロである医師のアドバイスを受けられれば、他の誰かに何か言われようともプロの意見で塗りつぶすことができるでしょう。せっかくの機会なので、ほかに不安な点があればきちんと相談しておき、子育ての不安を払しょくして育児に専念できるようにしておくことをおすすめします。
首すわり前後の抱っこの注意点
首すわりの前後で、赤ちゃんの「抱っこ」の方法に注意するべきポイントがいくつかあります。赤ちゃんの健全な成長を守るためにも、首がすわる前後のタイミングでは抱っこの仕方に十分注意してくださいね。
首すわりの前の抱っこの注意点
「首がすわる前」の時期だと、抱っこの仕方について十分に注意を払う必要があります。
1つ目は「首と身体をしっかり支えて抱っこする」ことです。首すわり前の赤ちゃんは自分で自分の頭を支えることができません。そのため、抱っこをする際には安定しない首すじと身体をしっかり支えて、赤ちゃんを守ることが重要になります。首すわり前の赤ちゃんを抱っこする際には、基本的に「横抱き」をしてくださいね。
いわゆる「縦抱き」をすると、首がすわっていない赤ちゃんの頭部をきちんと支えることができなくなってしまいます。そのため、横抱きを基本的な抱き方として覚えておき、赤ちゃんの頭部をしっかりと支えてあげてくださいね。
2つ目は「強く揺さぶらない」ことです。赤ちゃんの頭部は不安定で揺れやすいので、強く揺さぶってしまうことで赤ちゃんの血管や神経を傷つけてしまい、「乳幼児揺さぶり症候群」になってしまう可能性があります。赤ちゃんをあやす際や寝かしつける際の軽度の揺さぶりであれば問題ないでしょうが、あまり強く揺さぶってしまうことは避けてください。
赤ちゃんの気分によっては、強く揺さぶることでご機嫌になることもあるかもしれません。しかし「首がすわっていない」という状態であることを考慮すると、危険な行為であると言わざるを得ません。赤ちゃんの状態をきちんと観察しつつ、適度に揺さぶってあげてくださいね。
3つ目は「首すわりの練習は安全な環境で行う」ことです。生後ある程度経過すると、首すわりの練習のためにうつぶせにさせて遊ばせることも多くなります。その際に気を付けてほしいのが「窒息しないための環境作り」なのです。
たとえば、ふかふかのクッションや毛布、ぬいぐるみや柔らかいマットレスは、赤ちゃんの事故原因になってしまう可能性があります。そういったものはできるだけ撤去して、赤ちゃんにとって安全な環境作りを心掛けてくださいね。
なお、赤ちゃんがうつ伏せを好んでいるからといってそのままにしておくと、寝てしまった際に窒息してしまう危険性もあります。うつ伏せにしているときは絶対に目を離さないようにして、赤ちゃんが寝そうになったらすぐに仰向けにしてあげましょう。
4つ目は「横抱きができる抱っこ紐を使用する」ことです。首すわり前に抱っこ紐を使用して外出する場合は、できれば横抱きができる抱っこ紐を使用しましょう。「インサート」を利用したり新生児期から使用できる抱っこ紐もあるのですが、首すわり前に縦抱きするのは赤ちゃんの首に負担をかけてしまう可能性が高いです。長時間の縦抱きは、できる限り避けるようにしてあげてくださいね。
また、新生児から使えるベビーカーもありますが、これは赤ちゃんの首の負担にならずに外出できるので便利です。ただし、エスカレーターや階段ではベビーカーを使用できませんので、お出かけする際には事前に場所を入念にチェックしておくことをおすすめします。このように、首がすわる前の赤ちゃんとのお出かけに際しては、ベビーカーと抱っこ紐を上手に使い分けて、赤ちゃんに負担にならないようにしてあげてくださいね。
5つ目は「縦抱きする際の注意点」です。首すわり前の赤ちゃんの抱っこは基本的に「横抱き」なのですが、絶対に縦抱きしてはいけないというわけではありません。
首すわり前の赤ちゃんを縦抱きする際には、赤ちゃんの首と頭部をしっかり支えてあげて、肩にもたれかけさせるようにして抱っこしてあげてください。たとえば授乳後にげっぷを出してあげる際にも便利ですし、横抱きで腕が疲れた際にもおすすめです。ただし、赤ちゃんの首に負担がかかる可能性が高いため、長時間の縦抱きは避けるようにしてあげてくださいね。
首すわりの後の抱っこの注意点
赤ちゃんの首がすわった後でも、抱っこする際にはいくつか注意するべきポイントがあります。
1つ目のポイントは「ゆっくりと様子を見る」ことです。先ほど「赤ちゃんの首がすわるポイント」について説明しましたが、そのポイントを確認できても必ずしも赤ちゃんの首の状態が安定しているとは限りません。
ひょっとしたら、確認したタイミングだけ赤ちゃんの調子が良かったのかもしれません。基本的に赤ちゃんの首のすわりというものは徐々に安定していくので、急速に首の状態が安定するということはないのです。
「首すわりが完了した」と判断しても、おおむね1ヶ月くらいは様子を見てくことをおすすめします。当面の間はママさん・パパさんが手を添えてあげて、赤ちゃんの首や頭部の動きをサポートしてあげてくださいね。
2つ目のポイントは「適齢期に合わせた抱っこひもを使用する」ことです。赤ちゃんの首がすわると安定した状態で縦抱っこやおんぶができるようになるので、赤ちゃんと一緒に外出の機会も増えてくるでしょう。赤ちゃんとの外出に際しては、「抱っこひも」を活用することをおすすめします。ママさん・パパさんの身体にかかる負担も減って、余裕をもって親子での外出を楽しむことができると思います
なお、首すわり期に使う抱っこひもを選ぶポイントとしては、適応月齢をしっかりと確認して抱っこひもを購入することです。適切な抱っこひもを選べば使用中に違和感を感じることもありませんし、長く使い続けることもできるでしょう。お店でも縦抱き・横抱き・おんぶといった3WAYで使える機能的な抱っこひもや、デザイン性の高いものまで、さまざまなバリエーションがありますので。ママさん・パパさんも抱っこひもを選ぶ楽しみを味わうことができますね。
まとめ
赤ちゃんの首すわりがいつ頃になるのかは、多くの親御さんが気になることだと思います。筆者の知人からも相談を受けた経験がありますが、目安となる「生後3~4か月」というのは、あくまでも「目安に過ぎない」ということを念頭に置いて把握しておくことをおすすめします。
お子さんの成長は個人差がありますので、それよりも前に首がすわったり、それよりも後に首がすわることもあるでしょう。不安なことがあれば、赤ちゃんのプロである担当医に相談するなどして、不安を払しょくして子育てに臨んでくださいね。