臨月に入り、出産予定日が近づいてくると、妊婦さん自身もそわそわしてきますよね!その理由の1つが、ずばり!いつ起こるかもわからない「破水」です。
初産婦のママさんにとっては、破水と聞くと、「急に何か透明なものが、ちょろちょろ流れ出るもの」「家や店にいるときにいきなり起こるもの」という印象が強いかもしれません。しかし、破水にも種類はさまざまあって、起きる状況も人によって違います。
「破水」って、どんな状態?「おしるし」や「尿漏れ」と何が違うの?そんな疑問をお持ちの妊婦さんも多いのではないでしょうか。
破水は、出産が近づいているサインの一つですが、突然起こるため、不安や戸惑いを感じる方もいるかもしれません。
この記事では、破水の種類、破水の兆候、破水した時の対処法、そして破水に備えて準備しておくべきことについて詳しく解説します。
「破水ってどんな感じ?」「破水したらどうすればいいの?」「事前に準備しておくことは?」そんな疑問や不安を抱えている方は、ぜひ参考にしてくださいね。
この記事を読むことで、破水について正しい知識を身につけることができ、安心して出産に臨めるはずです!
目次
破水とは?
破水とは、卵膜が破れて羊水が外へ流れ出すことです。
破水はみんなが同じ時期に起こるものではなく、陣痛前に来るものや陣痛後に来るものなどさまざま。突然、何の前触れもなく来ることがほとんどなので、驚く方も多いでしょう。ここでは破水の種類や破水が起こる仕組みについて解説していきます。
破水の種類
破水には、適時破水、早期破水、前期破水、高位破水と4つの種類があります。破水のタイミングによって違ってくるのでチェックしておきましょう。
適時破水 |
(通常のタイミング(子宮口全開時)で起きる破水) ★子宮口が全開(10cm)になったとき |
早期破水 |
(陣痛の始まり~子宮口が全開になるまで) |
前期破水 |
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高位破水 |
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MEMO
ドラマで、自宅にいるときに陣痛もまだの状態で破水したなんて場面を見たことがある方いませんか?これは前期破水の可能性が高いもの。この場合は、赤ちゃんの細菌感染が心配なので、早めに病院へ連絡して向かいましょう。
破水のタイミングがずれるのはなぜ?
破水はいつ来るか分からないのでドキドキですよね。
前期破水、高位破水のように通常の破水のタイミングからずれるのにはいくつか原因が考えられます。
前期破水が起きる要因
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絨毛膜羊膜炎とは、膣内の細菌によって卵膜に炎症が起きることです。炎症が起こると、子宮口が柔らかくなり、開いてきてしまいます。その結果破水し、早産を引き起こしてしまうのです。
また、双子や三つ子を妊娠している方や羊水の量が多い方も子宮内圧が上昇しやすくなり、さらに強い圧がかかることで破水してしまいます。重いものを持った時など、力を込めた時にもなりやすいため、あまり無理はしないようにしましょう。
高位破水が起きる要因
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高位破水の原因はさまざまですが、どれも刺激を与えるような要因ばかり。
ここに注意
また、性生活もゆっくりやさしくするようにし、コンドームを使用することと深い挿入をしないことで気を付けるようにしてください。コンドームは性感染症の予防のためにも必ずつけるようにしましょう。
高齢出産の方も、前期破水する危険性が高くなります。加えてさまざまさリスクも背負っているので、体調のちょっとした変化に気を配るようにしてくださいね。
破水の特徴
「破水って気づくものなの?」と疑問に思う方も多いでしょう。破水には、特徴があるため、覚えておくと、いざという時に、これは破水かもと分かるかもしれません。
ここでは、破水の色や量・匂いについて解説し、尿漏れ・おりもの・おしるしとの違いについても分かりやすくまとめていきます。
破水の色や量・匂いは?
破水の色 |
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量 |
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匂い |
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痛み |
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破水時の色は無色であることが多いですが、おしるしも混ざっていると、少しピンク色のようにも見えることがあります。量は人によってさまざまで、どこが破れたかによっても変わってきます。
匂いの感じ方も人によって違いますが、ほとんどの場合は、生臭い匂いがします。赤ちゃんはずっとお母さんの羊水の中で成長していたわけですし、羊水の中でおしっこもするので、においもしますよね。
しかし、陣痛が始まってから破水した場合は、そんなことが気にならないくらいの痛みと闘っているので、「匂いを感じなかった」という方がいてもおかしくありません。
尿漏れ・おりもの・おしるしとの違い
破水は、尿漏れやおりもの、おしるしとはどのような違いがあるのでしょうか。今後何かあったときのために見極めるポイントを解説していきますよ。
尿漏れ
出産後期は特に尿漏れが多くなるため、破水なのか尿漏れなのか分からないという方も多いでしょう。尿漏れの場合は、アンモニア臭がするため、比較的わかりやすいと思います。
また、尿漏れは自分の意志で止めることができるのに対し、破水した場合は自分の力では止めることができないので、見極めるポイントです。
おりもの
おりものは、臨月に入るとクリーム色や白色をしていることが多く、粘り気があります。人によっては透明なおりものが出ることもあるので、見分けるのは難しいですが、だらだらと出ている場合は、破水の可能性も。
そろそろ出産が近いといった場合にこのような症状が出たら一度病院へ相談してみると安心できますよ。
おしるし
出産が近づいてくると、徐々に子宮口が開いてきますが、その際の子宮収縮によって少量の出血があったり、おりものと血が混ざってピンク色や茶色くなったものがみられたりします。これがおしるしと呼ばれるものです。
おしるしも破水同様、何の前触れもなくやってきますが、破水はほとんどが無色なため、ピンク色や茶色であった場合はおしるしと見分けがつくでしょう。
破水に備えてしておくべき準備は?
破水が起きたときに、すぐに対処できるようにするためには準備が大切です。必要なものを以下にあげていきます。
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早い段階であらかじめ用意しておいて、玄関などすぐに持って出られるような場所に置いておくといいでしょう。タオル類は気持ち多めに用意しておくと安心ですよ。
陣痛タクシーサービス
また、「陣痛タクシー」といって、陣痛が来た時にタクシーで病院まで送ってくれるサービスがあります。事前に登録しておくと、いざという時すぐに駆け付けてくれるので、こちらを利用するのもおすすめです。
・一般社団法人 全国子育てタクシー協会
子育てタクシー
https://kosodate-taxi.com/- ・ママサポートタクシー
https://www.daiichi-koutsu.co.jp/taxi/mamasapo/
破水が起きたらどうする?
突然破水してしまったら、パニックになってしまいますよね。「1人の時にもし破水してしまったら…」と心配な方のために、破水したらやるべきことについて紹介していきます。
step
1
病院に連絡する
1
「破水が起きたらすぐ病院に向かわないと」と考える方も多いと思いますが、まずは病院へ連絡します。病院に行くまでどのような対処が必要か、いつ病院へ行けばいいのか確認することが大切です。病院側の準備もありますので、その時の状況を医師に伝え、指示を仰ぐようにしてください。
step
2
生理用のナプキンや産褥シートをあてる
2
病院へ行くまでの間も羊水は出続けます。そのまま移動することは難しいので、夜用のナプキンや産褥シートを下着に着けましょう。
step
3
タクシーで病院へ
3
原則としまして、破水後も救急車は呼ばず、自分で病院へ向かいます。ただし、1人の場合は、自分で車を運転することは避け、タクシーを呼ぶのがおすすめ。運転中に急に陣痛や出血があったとなれば自力で動くことができなくなります。
誰かが一緒にいる場合は、車を運転してもらい、いない場合は近くのタクシー会社に連絡するか、先ほど紹介した「陣痛タクシー」に連絡して、病院まで送ってもらうようにしましょう。
入浴はNG
破水したということは、卵膜が破れ、赤ちゃんとの壁に穴が開いてしまったということ。そのため、細菌が子宮内に入りやすくなっている状態になっています。
下着や服が濡れてしまった場合、シャワーは構いませんが、湯舟につかることは避けましょう。
パパはどうする?パパにできること
ママが破水したかも!と思ったとき、パパはどんなことができるか、まとめてみました。
- ・ママが落ち着く声掛けを
- ・すぐに病院へ連絡する手配
- ・車を出す手配/陣痛タクシーを呼ぶ
- ・荷物(入院準備、大きめのタオルの用意、ビニール袋)を車に運ぶ
- ・ママと一緒に病院へ行く
初めてのパパは、パパも慌ててしまう可能性もありますので、事前にママと「破水が起きたときはどうする?」と話し合っておくことが大切ですよ。
まとめ
破水は、ある日突然、風船が割れたような「パン」という大きな音を立てて起きることもあれば、静かに起こることもあり、人によってさまざまです。前兆のようなものは感じない方がほとんどなので、「そろそろだな…」と身構えることもできません。
そのため、破水が起きる前に大事なのは、とにかくすぐに病院へ行ける体制を整えておくこと。また、破水した時のさまざまな体験談などをチェックしておくと、具体的にイメージしやすいでしょう。
出産前は、ナーバスになってしまうこともあるかと思いますが、あまり不安に思ったり怖がったりしていると、赤ちゃんにも伝わってしまいます。お母さん自身がゆったりした気持ちで過ごすことが大事なので、そのためにもまずはしっかりとした準備をすること。
そして「破水かも?」と思ったら、色や量、匂いなどをチェックし、病院へその時の状態を正確に伝えるようにしましょう。元気な赤ちゃんを産むためにも、慌てずに落ち着いて行動するよう心がけてくださいね。