周りには言いにくいけれど、気になるお話。
妊娠中のセックス、して大丈夫?と不安に思っている方は多いのではないでしょうか。実は、妊娠中の性行為は、基本的に問題ないと言われています。
しかし、時期や状況によっては注意が必要な場合も。
この記事では、妊娠中のセックスについて、いつまでOKなのか、どんな体位が安全なのか、注意すべきこと、そして考えられるリスクについて詳しく解説します。
「妊娠中のセックスは赤ちゃんに影響しないの?」「どんなことに気をつければいいの?」そんな疑問や不安を抱えている方は、ぜひ参考にしてください。
正しい知識を身につけることで、安心して夫婦生活を送ることができるはずです。
目次
妊娠中、セックス(性行為)しても大丈夫?
妊娠中のセックスをすることに対して、心配される方が多いですが、妊娠中の性行為を、して良い、してはダメという基準はなく、一般的には妊娠中にセックスをしても問題ないといわれています。
例えば、全米で最も優れた病院のひとつに数えられているメイヨー・クリニックは、
発育中の赤ちゃんは、子宮内の羊水と子宮自体の強い筋肉によって守られています。早産や胎盤の問題などの合併症がない限り、性行為が赤ちゃんに影響を与えることはありません。
引用元|妊娠中のセックス:何が良くて、何がだめ?(Sex during pregnancy: What's OK, what's not)
との見解を示しています。
他にも、カナダ内科学会 (CMA)によって2週間に1回発行される一般医学雑誌であるCMAJも、下記のように結論づけています。
妊娠中の性行為は一般的に安全だと言われています。
しかし、妊娠中に性行為ができる時期ややり方には注意するべき点もあるので、しっかり理解して安心して過ごせるようにしましょうね。
安心してセックス(性行為)できる時期はあるの?いつまでOK?
妊娠中のなかでも、1番安心して性行為できる時期は、妊娠中期・安定期(大体妊娠4~5ヶ月ころ)以降になります。
というのも、妊娠初期のつわりが落ち着いてきて、体調も良く、妊娠経過も問題がない状態であれば、心配しすぎる必要はないでしょう。
妊娠初期(妊娠1~4ヶ月(~16週未満))は、つわりもあり体調も不安定で、なかなか性欲が湧かずセックスをする気になれない、ということが多いです。
また、妊娠後期(妊娠28週以降)になると、お腹が張りやすくなるため「性行為(男性器の挿入)は控えた方がいい」と言われていますが、体調も良く、特にお腹の張りを感じない場合は、”禁止”ではありません。
妊娠中のセックスが直接、赤ちゃんの命に危険を及ぼすことはないといわれています。
妊娠中にセックス(性行為)するときの注意点
妊娠中のセックスは、禁止ではありませんが、注意するべき点はあるので理解しておくと安心です。
コンドームをつける
妊娠中の性行為は、コンドームをつけるようにしましょう。おおきな理由は2つ、
- ・性感染症を予防するため、
- ・膣内での射精(精液)を防ぐため
です。
妊娠中のママの体は、免疫力が低下しているために感染症にもかかりやすくなっています。万が一、性感染症がうつってしまうと、出産時に赤ちゃんに感染症をうつしてしまったり、早産などのリスクが高まってしまいます。
もうひとつは、弱酸性である膣内のなかに、アルカリ性である精液が交わると、子宮収縮がおこり、、お腹が張ってしまうことから流産・早産のリスクを高めるので、必ずコンドームをつけるようにしましょう。
膣内で射精をしなくても、性行為の最中に精液は出てしまうので、コンドームは必須です。
お腹を圧迫しない体位を
妊娠中性行為をする場合、「お腹を圧迫しないこと」がとても重要です。
体位によっては、お腹を圧迫させることで、胎児の赤ちゃんに影響がでたり、お腹の張りにつながってしまうこともあります。お腹が大きくなってきたら、お腹に圧がかからないような体勢で行いましょう。
妊娠に負担のかからない体位は?
妊娠中はママのお腹を圧迫しないような、苦しくならない体位が望ましいですが、お腹を圧迫しない体位とは具体的にどのような体位でしょうか。
3つの体位に関して、ご紹介します。基本的に男性が配慮する必要がありますので、パパは知識として持っておいてくださいね。
側位(横向き)
男性も女性も横向きになって、男性が女性の後ろから挿入します。おなかへの負担がほとんどなく、ラクな体位です。
側位は、ピストン運動が強くならず、緩やかな刺激になるので、一番おすすめの体位となります。
座位
男性が足を伸ばして座った上に女性が腰かけて後ろから挿入します。
浅い挿入になり、刺激が強すぎないので、女性にとって楽な体位となります。
後背位(バック)
四つん這い(両手両足をついた姿勢)になった女性の後ろから挿入します。
女性はお腹が圧迫されない姿勢になりますが、奥まで挿入されると女性が痛みを感じますので、男性は浅い挿入を心がけましょう。
女性が脚を閉じると挿入が浅くなりますので、後背位(バック)でも女性は脚を閉じて正座するような体位がおすすめです。
妊娠中「その気になれない・・」ときの上手な断り方
注意点ではありませんが、妊娠中の性行為は無理をしないようにしましょう。
「痛いと感じてしまう」「赤ちゃんのことを考えると不安になる」と、色んな思いで性欲が湧かず性行為に前向きな気持ちになれないこともあります。
パートナーが求めてきても、どうしてもその気になれないときは、言葉でパートナーに伝えるようにしましょう。
断る理由を素直に伝える
パートナーが嫌だから拒んでいるのではなく、「赤ちゃんが心配だから」「体調が優れないから」「どうしても眠いから」など断る理由を素直に伝えましょう。
パートナーを男性として見れないとかではなく、あくまでも断る理由は赤ちゃんのため、自分の体調のためということをわかってもらうことが大切です。パートナーも悲しい思いをせずに理解してくれるでしょう。
他にして欲しいことをお願いする
「手をつないで寝て」「お腹をさすってほしい」「キスをして」など代わりのスキンシップとなることをお願いしてみましょう。お願いごとは何でも良いです。男性に甘えてみてください。
男性の自尊心も満たされ、お願いするされるというコミュニケーションで二人の関係もよりよくなります。
妊娠中にセックス(性行為)をしてはいけないときもある
基本的には、妊娠中に性行為をしても問題ないとはいわれていますが、体調が悪いときや妊娠経過によっては、性行為をしてはいけない時もあります。次のようなときには注意しましょう。
- ・つわりや体調不良のとき
- ・お腹の張りがあるとき
- ・膣からの出血があったとき
- ・多胎の場合
- ・切迫早産の可能性があるとき
- ・妊娠経過に問題があり、病院で安静にと言われているとき
特にお腹が張りやすいという人は安定期でも妊娠中のセックスはなるべく控えましょう。セックスをすることによってさらにお腹が張りやすくなり、最悪の場合、切迫早産を引き起こしてしまう可能性があります。
また、セックスをしている最中に気分が悪くなったり、お腹の張りや出血が見られた場合には、直ちに行為を中止してください。男性も女性の体調を最優先にしてマタニティ生活を過ごすようにしてくださいね。
妊婦さんとお腹の赤ちゃんの健康、安全が第一です。身体に異変があるときは、性行為を控えるようにしましょう。
妊娠中のセックス(性行為)で考えられるリスクは?
妊娠中は腟や子宮の血管が拡張し傷つき出血しやすい状態になっているため、妊娠の経過が順調な人でも激しいセックスで出血しやすくなったり、前期破水や早産につながる危険性も考えられます。
また、お腹が大きくなることで胃や肺が圧迫されて苦しくなり、セックスを不快に感じる女性もいます。
妊娠中の性行為がダメなわけではありませんが、深い挿入や、負担のかかる体位、激しいセックスは避けましょうね。
性行為後に、おなかの張りや出血、破水など異常を感じたら必ずお医者さんにからだの状態を診てもらってください。
パートナーとの時間、会話を大切にしよう
妊娠中、お腹のなかの赤ちゃんだけでなく、パートナーとの関係を築いていくこともとても大切ですよね。セックスができなくても、スキンシップやコミュニケーションを十分にとったり、ママの体の状況を言葉でしっかりと伝えるようにしましょう。妊婦さんの身体は妊婦さんにしか分かりません。ご自身の体調に気づかってあげてくださいね。