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骨盤位(さかご)とはなんですか?
赤ちゃんの頭が下向きになっている姿勢を『頭位』といい、赤ちゃんの頭が上にあり、お尻や足がお母さんの骨盤にある姿勢を『骨盤位』といいます。
妊娠34週前後でさかごの場合、分娩情報についての説明があります。
普通分娩(一般的な経膣分娩)は赤ちゃんの身体の中で、一番大きな頭が出てこないリスクが高いため、帝王切開が推奨されています。
なぜさかごになるの?
さかごになる原因ははっきりとは分かっていませんが、次のようなことが考えられています。
○羊水が多いこと
○多胎妊娠(2人以上の子ども)
○子宮の形態異常
○骨盤が狭い など
さかごになる場合、赤ちゃんがお腹のなかで動いたり、回転したりできないことからおかあさん側、あるいは赤ちゃん側に何らかの原因があるかもしれません。病院で検査するようにしましょう。
経過検診で超音波検査(エコー検診)をすることで赤ちゃんの姿勢が分かります。
妊娠中期頃まではお腹のなかの赤ちゃんの頭が上向き(骨盤位)になっていても、赤ちゃんは動いたり回転したりするため、分娩時には頭が下向き(頭位)になっていることが多く、分娩時に特に影響を及ぼすことはありません。
通常、赤ちゃんは大きくなるにつれて頭が重くなり、自然に頭が下がっていきますがそうならないときには、さかごの状態で分娩を迎えることがあります。
また、さかごで分娩を迎えるかは妊娠34週前後で判断されますが、それ以降また赤ちゃんの頭が下がった状態(頭位)になることもあります。
どんなリスクがあるの?
妊娠34週前後でさかごであることが分かった場合、どのようなリスクがあるのでしょうか。
酸欠状態になりやすい
さかごの場合、分娩のとき足やおしりから出てくることで頭が最後にのこってしまいます。子宮内に頭だけが残った状態が続くと、赤ちゃんは酸欠状態になり、長時間続くと後遺症がのこる場合があります。このようなリスクを避けるために帝王切開分娩をすることがほとんどです。
臍帯脱出(さいたいだっしゅつ)
臍帯脱出といい、破水したときにへその緒だけ子宮外に出てしまうことをいいます。
この場合、血流が悪くなって、赤ちゃんに栄養や酸素がうまく行きとどかなかったり、ストレスがかかったりすることがあります。破水したときにはすぐに受診するようにしましょう。
早産の可能性がある
さかごの場合、破水の時期が早まったり、早産になる可能性が高まったりします。予定日より早く陣痛がおこることもあるため、出産が近づいてきたらあまり無理せず安静に過ごすようにしましょう。いつ陣痛がきてもいいように心の準備をしておきたいですね。
さかごになったときの分娩方法
普通分娩(一般的な経膣分娩)は赤ちゃんの身体の中で、一番大きな頭が出てこないリスクが高いため、帝王切開が推奨されています。
さかごの場合、おかあさんと赤ちゃんの身体にとって最も安全な分娩方法であると考えられています。
帝王切開での出産は、通常より2~3週早めに行われます。これは赤ちゃんが大きくなりすぎると、赤ちゃんが取り出しにくかったり、おかあさんの出血量が多くなったりして危険をまねくことがあるからです。
さかごだと判断された場合は、帝王切開分娩の話を医師とすすめていくことになるでしょう。
帝王切開分娩の予定をしていても、分娩までにさかごが治れば普通分娩ができることもありますので、経過観察もしっかりしていくようにしてくださいね。
さかごになったときの対処法
さかごにならないようにしたり、さかごになったときに頭位に戻したりする方法として、“さかご体操”というストレッチ法などがあります。
はっきりとした原因が分かっていませんが、運動不足や身体の冷えが原因だと考えられているものもあります。身体の状態をみて必ず医師に相談したうえで、さかご体操やウォーキング程度の軽い運動を取り入れてみるのもいいですよ。
病院によってはさかごの矯正ストレッチをしたり外転手術をしたりするところもあるようです。
さいごに
お腹の中の赤ちゃんがさかごだと分かった場合、多くのおかあさんが心配されるかもしれません。その場合、陣痛が早まったり、帝王切開分娩になったりすることがありますが、さかごだからといって赤ちゃんの健康や発達に異常がみられるというものでもありません。
日常生活で気をつけることや分娩方法などについては医師としっかり話し合い、不安がない状態で出産を迎えるようにしてくださいね。