「癒着胎盤」という言葉を初めて聞いた方もいるかもしれません。
これは、胎盤が子宮から剥がれにくくなる状態で、母体にとって大きなリスクを伴います。
この記事では、癒着胎盤の原因や、それに伴うリスク、そして予防策について詳しく解説します。
癒着胎盤とは何ですか?
胎盤が子宮からはがれないことをいいます。胎盤の癒着部位をはがそうとすると、出血がすごく増えることがあり、出血を止めるために子宮摘出が必要となることもあります。
正常な場合、出産の後で胎盤が子宮からはがれて出てきます。付着していた胎盤がうまくはがれることによって子宮は収縮し、血は止まります。
癒着胎盤では妊娠中、胎盤の一部が子宮に強くくっついている状態にあります。
癒着胎盤になる原因
癒着胎盤がおこる理由は次のようなことが考えられています。
- ○前置胎盤になっている
(前置胎盤とは・・・胎盤が赤ちゃんがでてくる子宮口をふさぐような部位にあること) - ○以前に子宮の手術をしたことがある
また体外受精の場合に癒着胎盤になることがあります。
対処法は?
胎盤癒着の場合、どのように対処されるのでしょうか。
原因が前置胎盤であった場合には、前もって癒着胎盤を想定して対処することができます。大量出血したときのために自己血貯血しておいたり、子宮動脈を遮断したりするなどできるかぎりの態勢をととのえておくと安心です。
ただ、癒着胎盤は前もってわからないことの方が多いので、分娩したあとになかなか胎盤が出てこないときに初めて気付くこともあるのです。
その場合は出血が増える可能性に備えて、輸血の準備ができる大きな病院に移ることがあります。
癒着胎盤であっても、輸血や、子宮動脈塞栓で対応できることがほとんどです。
さいごに
胎盤癒着は事前に診断がつかないことが多いですが、出血が増えても適切に対応すればなんとかなることがほとんどです。