癒着胎盤とは何ですか?
胎盤が子宮からはがれないことをいいます。
はがれかかった胎盤から大出血を止めることが困難なため、母体の命に関わる状態であれば子宮摘出が必要となります。
正常な場合、妊娠中胎盤が子宮にくっついて分娩のときに子宮からはがれます。付着していた胎盤がうまくはがれることによって子宮は収縮し、血は止まります。
癒着胎盤では妊娠中、胎盤の一部が子宮にのめりこんでいる状態にあります。
癒着胎盤になる原因
癒着胎盤がおこる理由は次のようなことが考えられています。
○前置胎盤になっている
(前置胎盤とは・・・受精卵が子宮口をふさぐようにくっついてしまう状態のこと)
○以前に帝王切開分娩したことがある
○高齢妊娠の場合
○子宮に筋腫や病気があるとき
また体外受精の場合や、多胎妊娠の場合にも癒着胎盤になる可能性が高くなることもあります。
対処法は?
胎盤癒着の場合、治療法などは今のところありません。
どのように対処されるのでしょうか。
原因が前置胎盤であった場合には、経過検診のときから癒着胎盤を想定して対処することができます。帝王切開分娩の準備をすすめたり、大量出血したときのために輸血しておいたり、血の流れを遮断したりするなどできるかぎりの態勢をととのえるように進めていきます。
しかし、前置胎盤以外の場合、予想ができないケースもあります。
分娩したあと、なかなか胎盤が出てこないときに初めて気付くこともあるのです。
胎盤を出すことに長時間かかったり、大量出血したりする場合、おかあさんの命に危険を及ぼすことがあります。
このときに緊急処置として、無理に胎盤を子宮からはがそうとせず、子宮ごと摘出したり、輸血したりする方法をとります。
検査でわかること
癒着胎盤の原因が前置胎盤であったときには、事前に超音波(エコー)検査で診断されます。
妊娠29~31週目くらいまでは、前置胎盤であっても胎盤が正常な位置に戻ることがあるため、32週目くらい以降に検査を行い確定されることがほとんどです。そのときにはMRI検査を行うこともあります。
診断されたときには出産が近づくと安静に過ごすこと、身体を冷やさないこと、身体を無理に動かさないことなど医師から生活のアドバイスをいくつかされます。医師の指示に従って出産にそなえるようにしましょう。
さいごに
胎盤癒着とは事前にわかる場合とそうでない場合がありますが、検診や超音波(エコー)検査などで経過をしっかり見ていくようにしましょう。
おかあさん、お腹のなかの赤ちゃんの命にとってとても大切なことです。医師と話し合い、相談しながら対処するようにしてくださいね。