妊婦さんは、妊娠中に初期・中期・後期の時期の変化により体調にさまざまな変化を感じていることでしょう。その症状の1つとして「妊娠後期になって背中痛いと感じるようになった」ことに悩まされる方がいます。
妊娠後期の妊婦さんは出産を控えているので、体への負担は少しでも軽減しておくことが大切です。
ここでは
- ・なぜ妊婦さんは妊娠後期になると背中の痛みを感じる可能性があるのか
- ・その原因とは?
- ・対処法
について解説します。背中の痛みに悩んでいる妊婦さんはぜひ参考にしてくださいね。
目次
妊娠の背中の痛み
妊婦さんは、妊娠中にさまざまな変化に悩まされることがあります。それ自体は妊娠中の自然な変化であり、女性ホルモンの分泌量や赤ちゃんの成長に伴う体重の変化などが影響していることが多いです。
妊娠後期という時期は、妊婦さんにとっては出産を控えていることによりプレッシャーを感じ、ストレスの影響による体調の変化ということも考えられます😌
どのような症状を感じるかは、妊婦さんごとに大きく異なります。さまざまな症状に悩まされる妊婦さんもいれば、大きな体調の変化を感じることなく出産を終えられた方もいるでしょう。
妊娠中に出やすい症状の1つとして
- ・背中の痛み
- ・腰痛
が挙げられます。これら自体はありふれた症状ではあるのですが「妊娠後期に発症している」ということが少し特殊です。
妊婦さんの場合には、妊娠後期であることがこれらの症状の原因になっている可能性が高いと考えられるのです。
妊娠時期による症状は、時間の経過や出産を終えることにより回復するケースも多いです。しかし、どのような症状であれ痛みや不快感を感じているのであれば、無事に出産を終えるためにも早いうちになるべく対処しておきたいですよね☝️
対処法を知るためには、まず「どうして背中が痛いのだろう?」という、背中の痛みや腰痛の原因になっているのが何であるのかを知る必要があります。
この記事でも対処法をお伝えしておりますが、耐えられないほどの症状であれば早めに医療機関を受診されることをおすすめします。
「そこまでの痛みじゃない」「まだ痛くないけれど前もって知っておきたい」という方は、ここからさらに読み進めて、背中の痛みの原因と対処法について学んでいってくださいね😊
妊娠後期の背中の痛みの原因①「ホルモンの影響」
妊娠後期に妊婦さんが背中の痛みを感じる原因は、大きく分けて2種類の理由が考えられます。1つ目の原因は「ホルモンの分泌量が変化したことによる影響」です。
ホルモンの影響で骨盤が緩んでしまう
妊娠後期の妊婦さんの背中の痛みの原因は「リラキシン」というホルモンの影響によるものが考えられます。
リラキシンとは、妊娠初期から分泌されるホルモンの一種であり、骨盤周辺の筋肉やじん帯に作用して「骨盤を広げる」という作用があります。
出産時には大きくなった赤ちゃんを通すために骨盤を広げる必要があり、そのために妊娠初期の頃から妊婦さんの体内ではリラキシンが分泌されるのです。
さて、妊婦さんは出産準備のために骨盤を広げる必要があるとはいっても、筋肉やじん帯に作用するということは他にもさまざまな変化をもたらします。
骨盤は内臓を受けとめる「器」のような役割をしている組織であるため、これが必要以上に緩みすぎてしまうと妊婦さんの体にさまざまなトラブルをもたらす可能性があるのです。
背中の筋肉に負担がかかる
骨盤回りの筋肉などに影響が発生すると、それが妊婦さんの背中や腰の負担にも影響します。
妊婦さんの骨盤回りの筋肉やじん帯がリラキシンの影響で緩んでしまうと、背中や腰の筋肉に対して負担がかかる可能性があります。リラキシンによる影響が必要以上に大きいほど背中や腰の筋肉への負担も大きくなり、その結果として背中の痛みや腰痛といった症状をもたらすのです。
骨盤周辺の筋肉やじん帯が影響している場合には、他にもさまざまな症状をもたらす可能性があります。
- ・頻尿
- ・尿もれ
- ・便秘
- ・痔
- ・脱肛など
これらの症状は妊婦さんの膀胱や直腸、子宮など骨盤内の臓器に必要以上の圧がかかることによって引き起こされている可能性が高いです。背中の痛みの他にも骨盤周辺の臓器や筋肉などに症状が見られる場合は、骨盤の緩み過ぎが原因であると考えて間違いないでしょう。
妊娠後期の背中の痛みの原因②「お腹が大きくなったことによる変化」
妊娠後期に妊婦さんが背中の痛みを感じる際に考えられる2つ目の原因は「お腹が大きくなったことによる変化」です。
妊娠後は徐々にお腹が大きくなる
妊娠後はお腹のなかの赤ちゃんが成長するにつれて、妊婦さんのお腹はどんどん大きくなっていきますよね。どの程度までお腹が大きくなるかは人それぞれではありますが、お腹周りの体型は大きく変化するのが自然なことです。
妊婦さんのお腹の成長は、妊娠してからの時間の経過に伴って多きなるのが一般的です。そのため、妊娠後期には初期・中期と比較してもお腹が大きくなっているはずです。そして、妊婦さんのお腹が大きくなっていることによって、背中にも小さくない影響が出る可能性が高くなります。
お腹が大きくなると背中が反る
妊婦さんのお腹が大きくなるにつれて、背中や腰が反るような体型になります。
通常の女性の体型の場合、背中のラインはゆるやかな波型をしています。しかし、妊娠後期のお腹の大きさともなると、この波型が大きくなり、背中や腰が大きく反ったような形になるのです。
妊婦さんのお腹が大きくなることで身体の重心が変わり、背中や腰を反るような姿勢となってしまい、常に背中が張りやすい状態となります。
重心が前へと移動することで背面の筋肉で後方へのバランスを取ろうとするため、どうしても妊婦さんは腰背部がこわばってしまい、これが背中や腰の痛みの原因となっているのです。
症状を緩和しようと考えると、背中を丸めたくなると考える妊婦さんが多いと思います。しかし、大きくなったお腹があるので、意識して背中を丸められないというケースがほとんどです。
私も妊娠後期には背中がというよりは背筋が張ってつらい時期がありました😭
対処法としては、お腹が大きい理由から気づくと後ろに反ったような姿勢になっていることが多かったので、自分の姿勢を少し前かがみに戻すということを心掛けていました。
つらいときは少し横になり背中に負担がかからないようにもしていました。
こんな原因も背中の痛みの原因になることも
妊娠後期の背中の痛みの主な原因は上記で説明した通りですが、妊婦さんによっては以下のような原因でも背中の痛みの原因になることがあります。
寝る姿勢が定まらないことによるストレス
1つ目の原因は「睡眠」によるものです。
背中に痛みがあることなどを原因として、妊婦さんの中には妊娠後期に寝る姿勢がなかなか定まらず、睡眠不足になってしまうことがよくあります。
睡眠不足が原因でストレスが溜まり、それによってさらに眠りが浅くなったり寝付けなくなるなど、疲れを充分に解消できずに疲労が翌日に持ち越される悪循環に陥る妊婦さんも多いのです😭
このようにして、少しずつ蓄積されたストレスと疲労が内臓に負担をかけると、筋肉のバランスを悪化させてしまう可能性があります。
筋肉がアンバランスになってしまうと、背骨を歪めてしまい、これが背中の痛みの原因になっています。
上の子を抱っこすることによる負荷
2つ目の原因は「上の子の抱っこ」です。
妊婦さんの中には、2人目以降の出産というケースもあります。上の子が十分に大きい年齢であれば良いのですが、1〜2歳であればまだまだ「抱っこ」をしてほしい年齢でしょう。
ただでさえ大きなお腹を抱えている状態ですが、上の子も抱っこ抱っこの時はありますね💦抱っこする機会が多くなればなるほど妊婦さんの背中や腰に負担がかかるので、これが背中の痛みの原因になっている可能性があるのです。
何らかの病気の影響
3つ目の原因は「何らかの病気を発症している」ことです。
これは妊娠に由来しない病気による影響であり、さまざまな病気の存在が疑われます。
- ・神経疾患
- ・ストレス性疾患
- ・運動器疾患
- ・内臓疾患
既存の発症リスクや妊娠後の行動などの影響により、どのような病気の影響によるものかわかりませんが、多くの場合は背中の痛み以外にも妊婦さんに何らかの症状をもたらしている可能性が高いです。
背中の痛みを悪化させる、避けるべき行動
妊娠後期で背中の痛みを感じる妊婦さんのは、できるだけ以下のような行動は控えてくださいね。
長時間同一姿勢でいる
背中の痛みを感じる妊婦さんは、できる限り「長時間、同じ姿勢でい続ける」ことは避けてください。たとえば「長時間、立ちっぱなし」「長時間、座りっぱなし」は、背中や腰に負担がかかって痛みが増したり長続きする可能性があります。
重たいものを持ち上げる
背中の痛みを感じる妊婦さんは、できる限り「重たいものを持ち上げる」ことは避けてください。
重い荷物を持ちあげようとすると、どうしても腰や背中に負担がかかってしまいます。背中の痛みを誘発するきっかけになりかねませんので、妊娠後期になったら無理をせず、可能であればパパさんに持ち上げてもらうなど対策してください。
子どもを抱っこする
背中の痛みを感じる妊婦さんは、できる限り「上の子の抱っこ」は避けてください。
重い荷物を持ち上げるのと同様に、背中や腰に負担がかかるだけでなく、同じ姿勢を続けやすいため、背中痛い状態を悪化させる原因となります。
無理をせず、パパさんや親戚などを頼って抱っこをしてもらうようにしたり、座ってお膝の上に乗せてあげたり、ハグをしてスキンシップを取ったりして抱っこの代わりになるものも探してみて♫
中腰の姿勢を続ける
背中の痛みを感じる妊婦さんは、できる限り「中腰の姿勢でい続ける」ことは避けてください。掃除機をかける時などは中腰になりやすいですが、中腰の姿勢は背中や腰に負担がかかりやすいです。
普段の生活の中でも姿勢を意識してみて✨
高いところの荷物を持ち上げる
背中の痛みを感じる妊婦さんは、できる限り「高いところの荷物を持ちあげようとする」ことは避けてください。
背中痛いと感じているのであれば、高いところの荷物を持ちあげようとして急に激しい痛みに襲われ、荷物を落としてケガをしてしまうリスクがあります。誰かに頼ったり、脚立等を使ったり、物をしまう際にはなるべく高いところには置かないなど、取り入れてみて◎
妊娠後期の背中の痛み対策
妊娠後期の背中の痛みは、多くの場合は命に関わることではありませんが、それでも耐えられない方や生活の質を落としてしまう妊婦さんは少なくありません。そこで、背中の痛みを改善する方法について解説します。
基本は産婦人科で診てもらう
どのようなことにも言えることではありますが、何かしらの症状で苦しい場合は早めに一度医療機関を受診されることをおすすめします。
とくに妊娠後期という時期を考えると、妊婦さんのデリケートな状態で背中の痛みを我慢し続けるのはよくない事もあるでしょう。
また、ひょっとしたら何かしらの病気を患っている可能性もゼロではありませんので、まずは背中の痛みの原因が何であるかを特定しておきましょう。
そのうえで、その原因に対する最適な対処法を教えてもらい、実践することで背中の痛みを改善できる可能性が高いです。さらに「医療機関で診てもらった」という安心感が、精神的な安定につながるのでストレスなど精神面で発症している症状の緩和にも少しは効果がありますよ♪
ストレッチを行う
背中の痛みの原因は筋肉の負荷であるため、これを解消する方法として「ストレッチ」がおすすめです。
- ・四つん這いの状態で背中を丸める
- ・仰向けになって足を左右に倒す
など、背中の痛み対策につながるストレッチはさまざまな方法がありますが、できれば産婦人科でアドバイスをもらうとよいでしょう。妊婦さんの体調や体型などに合わせたストレッチでないと、場合によっては逆効果になる可能性もありますので、無理にしないこと、助産師さんや医師にあらかじめ確認しておくと安心ですよ。
寝姿勢を整える
背中の痛みを改善し、心身ともにしっかりと休めるためには「寝姿勢を整える」ことも重要です。
クッションや枕などを重ねてて体と同じぐらいの高さを作り、足を置いた時に腰がねじれない程度の高さを作りましょう。横向きで寝る時に枕が低すぎると肩を圧迫してしまうため、頭と肩の差をしっかりと埋められるボリューム感のある枕を使うことをおすすめします。これについても、できれば産婦人科でアドバイスをもらうと良いでしょう。
まとめ
妊婦さんの背中の痛みは、妊娠後期というデリケートな時期だと決して油断できない症状の1つです。
妊婦さんが安心して出産を迎えられるようにするためにも、適切な手段で早期に背中の痛みを改善することをおすすめします。頑張りやさんのママさんですが、妊娠中は何事にも無理はしないことです。
不安な場合は早めに産婦人科を受診して、原因の特定と適切な対処法を教えてもらってくださいね✨