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妊娠後期のホットフラッシュ|ほてり・のぼせの原因や対処法とは?

妊娠後期のホットフラッシュはなぜ起こるのか

妊娠中は、動悸などさまざまな症状に悩まされて不安になってしまう妊婦さんも少なくありません。妊娠後期という時期を考えると、とくに不安は大きくなるママさんが多く、子宮の中の赤ちゃんが無事なのかと大きな不安を抱えるケースも珍しくありません。

 

妊娠後期になると、ホルモンの変化を原因としてさまざまな症状を呈することがあり、その1つに「ホットフラッシュ」が挙げられます。ネット上では妊娠中のホットフラッシュに関する記述が少ないので、余計に不安になってしまうママさんは多いでしょう。

 

ここでは、妊娠後期にホットフラッシュになる原因と、適切な対処法について解説します。ホットフラッシュの症状に悩まされているママさんにとって役立つ情報を盛り込んでいますので、ぜひ最後まで読んで参考にしてくださいね。

 

 

ホットフラッシュとは?

ホットフラッシュとは

まずは、そもそも「ホットフラッシュ」という症状がどういった症状であり、どういったメカニズムで発症するのかについて解説します。

 

ホットフラッシュとは何か?

「ホットフラッシュ」とは、一般的に更年期障害の症状の1つとして現れるものであり、いわゆる「ほてり」や「のぼせ」と呼ばれる症状です。身体が急に暑いと感じてしまい、ほてりやのぼせ、大量の発汗などを引き起こします。

 

閉経前の女性の多くが経験しますが、場合によっては日常生活に支障をきたすほどの重症になってしまうケースもあります(全体の1割程度です)。一般的には午後のほうが症状が出やすいとされており、毎日決まった時間に発症する方もいますが、仕事前のストレスが原因で発症する方もおられるなど、突然起きる方もおられるため一概には言えません。

 

更年期のホットフラッシュの原因

更年期障害としてホットフラッシュが出る原因としては「女性ホルモン」が大きく関わっているといえます。女性ホルモンである「エストロゲン」が減少することによって、ホルモンバランスが大きく崩れて市編むことが原因です。

 

女性ホルモンは、脳にある視床下部と下垂体から、卵巣に指示を出すことで分泌されています。しかし、閉経が近づく更年期になると卵巣の機能が低下してしまい、脳の指示に対して女性ホルモンを十分に分泌することができなくなるのです。

 

脳からの指示に対して女性ホルモンを十分に分泌できなくなってしまうと、脳の視床下部は指示内容が遂行されていないため混乱してしまいます。この視床下部は自律神経をつかさどる部位であり、ホルモンバランスの乱れによって自律神経がバランスを崩すと自律神経自体も乱れてしまい、ホットフラッシュなどの症状が起こりやすくなるのです。

 

妊娠後期とホットフラッシュの関係

妊娠後期とホットフラッシュの関係

妊娠後期にも、女性ホルモンの分泌量は変化します。しかし、更年期障害のようにエストロゲンが減少するのではなく、むしろ妊娠後期に向けて大きく増加しているタイミングです。つまり、妊娠後期のホットフラッシュは更年期障害のホットフラッシュとは別のメカニズムで発症していると考えられます。

 

妊娠中には、更年期障害のホットフラッシュのような「急なほてり」ではなく、どちらかといえば「日常的に暑さを感じる」という症状に悩まされるママさんが多くみられます。ここからは、その症状の原因と、適切な対処法について解説します。

 

 

妊娠後期のほてり・のぼせの原因

妊娠後期のほてり・のぼせの原因

妊娠後期にほてりやのぼせといった症状が発生する要因はさまざまなものが考えられます。「妊娠中」というタイミングを考えると、以下の4つの原因のいずれかに該当するのではないかと思われます。

 

妊娠による高温期

妊娠前の女性は「月経」の影響により、体温に関して低温期と高温期を繰り返しています。生理が始まってから排卵までを低温期といい、排卵から生理開始までを高温期といいます。妊娠が成立した場合、この高温期がしばらく続くことになるので、妊娠中は基本的に体温が高くなりやすいのです。

 

普通だと風邪気味かな?と思うような37度後半の体温であっても、これが理由である可能性が高いので心配しなくても大丈夫でしょう。ただし、これを原因として体温が上昇しやすいのは「妊娠初期」であるため、妊娠後期だとこの原因でほてり・のぼせの症状が出やすいとはいえません。

 

女性ホルモンによる体温上昇

女性は妊娠すると、赤ちゃんを守るために子宮内膜を変化させるホルモン(プロゲステロン)が活発に働きます。このホルモンはママさんの体温を上昇させる作用もあるため、日常的にほてりやのぼせの症状を呈しやすくなるのです。

 

さらに、このホルモンはママさんの体の中に水分を蓄える作用もあるので、妊婦さんは妊娠前よりも喉が乾きやすくなり、これにより暑さを感じている可能性もあります。いずれにしてもホルモンが正常に働いているため、よほど過剰に体温が上昇していない限りは問題ないでしょう。

 

皮下脂肪の増加

女性は妊娠すると、胎児を守る目的や出産に向けてかなりのエネルギーを蓄えるために、ママさんの身体には「皮下脂肪」が増えます。ママさんの身体には皮下脂肪が増えて体重も増加することによってエネルギーをたくさん使うことになり、同時に熱も多く作られるようになるのです。

 

皮下脂肪には体温を維持する働きもあるため、ママさんは身体に熱を溜め込むことにより暑さを感じます。皮下脂肪の増加による体重増加は問題ないのですが、過剰に体重が増えすぎることも少なすぎることも問題ですので、定期健診で体重のことを指摘されたら指示通りに体重コントロールを行ってください。

 

妊娠期の乳腺の発達

女性は妊娠すると、産後の授乳に向けて「乳腺」の発達が活発になります。そのため、ママさんは胸元から首のあたりにかけて通常よりも血流が良くなり、日常的に暑く感じることがあります。

 

血流が改善される部分が頭部に近いため、体調によっては顔に汗をかくこともあるでしょう。汗を放置するのはあまり良くないため、きちんと汗を拭って体調が落ち着くのを待ってください。

 

 

妊娠後期のほてり・のぼせの対処法

妊娠後期のほてり・のぼせの対処法

妊娠後期の症状は不快なものですが、ほてり・のぼせの症状はとくに「暑い夏」には厳しい症状となるママさんも少なくないでしょう。そこで、夏場に妊娠後期のほてり・のぼせの症状が出た際に、これを乗り切る方法について解説します。

 

エアコンを利用する

夏の暑さ対策の代名詞としては「エアコン(冷房・クーラー)」を利用するのが一般的です。無理して暑い空間で過ごすと、脱水症状や熱中症になる可能性があり、とても危険です。そのため、赤ちゃんに悪影響であると推測するのではなく、体調を鑑みて無理せずにエアコンを利用して涼しい空間を作り出しましょう。

 

エアコンは心地よく過ごせる温度に設定し、冷えすぎないように調整して体に負担をかけずに快適に過ごしましょう。また、扇風機を併用することでエアコンの効き目を補助する効果もありますので、設定温度を下げ過ぎないためにも扇風機の併用も考慮してくださいね。

 

 

寝具を改善する

夏場は「熱帯夜」のように、寝苦しい夜にも注意が必要です。寝具は最近流行のひんやりするタイプのパッドや、枕カバーなどを使用するのも良いでしょう。天然素材の寝具はさらりとした肌触りで自然に汗を吸収してくれるので、ママさんが快適な睡眠を獲得するのにおすすめです。

 

もちろん、エアコンを利用することも忘れてはいけません、天気予報で熱帯夜になることが予想されている夜には特に注意が必要であり、エアコンを駆使して寝苦しい夜にならないように工夫しましょう。

 

直射日光を避ける

妊娠後期のママさんにとって「直射日光」は暑さ対策の天敵ともいえます。ママさんが外出する際には、日傘や日焼け予防のアームカバーなどを利用して、できるだけ直射日光を浴びないようにしましょうね。

 

また、日差しが強い時間帯(11時〜15時くらいの間)は、できれば外出を避けるのも良いでしょう。暑い時期は室内でも熱射病や熱中症になるリスクは高いので、室内においても直射日光に当たらない工夫が必要です。カーテンなどで窓から直接日光が入らないように工夫して、妊娠後期の暑さ対策を講じてくださいね。

 

栄養摂取と水分補給

妊娠中のママさんに重要な栄養素は、血液やエネルギーの元になる栄養である「タンパク質」です。妊娠後期の血流量増加による貧血予防にも効果的であり、暑い夏を乗り切るためにも肉や魚などタンパク質の多い食事を積極的に摂りましょう。

 

また、ママさんは季節に関係なく「水分補給」が暑さ対策にも重要なことになります。汗をよくかいてしまう夏は、意識して水分を摂取するようにしてくださいね。目安としては、1日1.5Lから2Lをベースに、身体への負担を考えて少しずつこまめに水分を補給するのがよいでしょう。

 

補給する水分は冷えすぎていない水やお茶でも良いのですが、汗をかく夏は電解質のバランスが崩れやすいため、経口補水液を飲むのがおすすめです。ただし、これと似ているスポーツドリンクは経口補水液よりも糖分が多めに入っているため、飲み過ぎには注意してくださいね。

 

 

妊娠後期のほてり・のぼせで注意したい疾患

妊娠後期のほてり・のぼせで注意したい疾患

 

妊娠後期のほてりやのぼせは、多くの場合は妊娠中の体調の変化に由来するものであり、日常的な対策で乗り切ることができるでしょう。しかし、妊娠後期の症状はこれらの疾患を原因としている可能性がある点に注意が必要です。

 

熱中症

妊娠中は「熱中症」にかかりやすいので注意が必要です。ママさんは体調の変化により日常的に体温が高い状態になっているため、通常よりもなかなか熱中症に気が付きにくい状態になっています。

 

初期症状としては立ちくらみや筋肉の痛みなど、妊娠中のマイナートラブルと区別がつかない症状でが多いです。次第に頭痛や吐き気、だるさの症状があって、さらに症状が進行してしまうと酸欠で倒れてしまうことも珍しくありません。

 

夏場はこれらの症状を妊娠中のマイナートラブルであると軽く考えないようにして、少しでも「なにか変だな?」と思ったら日陰で休んだり塩分・水分を摂取するなどして、早期に対策をとりましょう。

 

腎盂腎炎

腎盂腎炎は、妊娠中の女性によくみられる病気であり、子宮が大きくなることで尿管などが圧迫されて尿の流れが悪くなってしまい、腎臓が炎症を起こしてしまう病気です。発熱だけでなく腰の痛みや排尿痛、吐き気などの症状も出ることがありますので、このような症状がある場合はすぐにかかりつけの産婦人科を受診してくださいね。

 

妊娠高血圧症候群

妊娠後期のほてり・のぼせの原因として「妊娠高血圧症候群」が関係している可能性があります。この症状はママさんの健康だけでなく、お腹の中の赤ちゃんにも少なからず影響する可能性がありますので、十分に注意する必要があるのです。

 

「妊娠高血圧症候群」とは、妊娠中に発症する高血圧のことです。妊娠20週以降に高血圧のみ発症する場合は妊娠高血圧症と診断され、高血圧と蛋白尿を認める場合は妊娠高血圧腎症と診断されます。この症状は、ママさん約20人につき1人の割合で起こります。

 

早発型と呼ばれる、妊娠34週未満で発症した場合は重症化しやすいため注意が必要です。妊娠高血圧症候群が重症になると、ママさんには血圧上昇や蛋白尿に加えて、けいれん発作(子癇)や脳出血、肝臓や腎臓の機能障害などを引き起こす可能性があります。

 

また、お腹の中の赤ちゃんの発育が悪くなったり(胎児発育不全)胎盤が子宮からはがれて赤ちゃんに酸素が届かなくなったり(常位胎盤早期剥離)、赤ちゃんの状態が悪くなって(胎児機能不全)最悪の場合には赤ちゃんが亡くなってしまう(胎児死亡)可能性もゼロではありません。このように、妊娠高血圧症候群ではママさんさんと赤ちゃん共に非常に危険な状態に陥ることがありますので注意が必要です。

 

 

血圧が正常なら安心、不安なら産婦人科で診てもらいましょう

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妊娠後期のほてり・のぼせは妊娠中の自然な体調の変化に由来しているケースが多いです。しかし、妊娠高血圧症候群などが関係している可能性もゼロではありませんので、日常的な血圧測定が重要になります。

 

収縮期血圧が140mmHg以上(重症では160 mmHg以上)、あるいは拡張期血圧が90mmHg以上(重症では110 mmHg以上)になった場合、高血圧を発症したと判断します。それを下回るのであれば、よほど日常的にこれらの数値に近づいているような状況でなければ、妊娠高血圧症候群は影響していないと考えて良いでしょう。

 

それでも不安であれば、産婦人科に連絡して相談することをおすすめします。ひょっとしたら、何かママさんや赤ちゃんに影響するような病気や症状が原因でホットフラッシュが発生している可能性もゼロではありません。「医師に診てもらった」という安心感が、妊娠中のストレスを和らげて、妊娠後期のさまざまな症状を緩和する効果も期待できるでしょう。

 

 

まとめ

妊娠後期にホットフラッシュのような症状が起こると、何かと不安になってしまうママさんは多いでしょう。ひょっとしたら重病が原因である可能性もゼロではありませんので、不安をしっかりと解消したいのであれば医療機関に相談して検査を受けることをおすすめします。

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  • この記事を書いた人

助産師ゆき

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8年間助産師として勤務し、様々な妊産褥婦さんと関わり勉強させていただきました。
その後2020年に第1子を出産し、今までの経験を総動員して育児をしてみたものの上手くいかないことが多々あり、育児の難しさを身に染みて感じました。でもそれ以上に子供は可愛く大変さも吹き飛ぶ日々。現在は育休から復職し、育児の経験を踏まえ、専門的な知識だけではなく、生活で役に立つ情報を伝えられたらいいなと思います。どうぞよろしくお願いします!
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