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出産費用はどのくらいかかる?自己負担額を減らす補助金や保険についてもご紹介!

2022年3月10日

出産費用はどのくらいかかる?補助金や保険についてもご紹介

子どもを産むにはお金がかかるなんていわれていますが、まさにそのとおり。出産費用だけでなく、妊婦検診や赤ちゃん用品の準備までいろいろと出費はかさみます。

しかし、出ていくお金だけではなく、補助や戻ってくるお金もあることをご存知でしょうか?できるだけ、出産にかかる費用負担を減らすため、さまざまな補助金や給付金などがあるのです。

この記事では、出産費用がどのくらいかかるのか紹介し、補助や保険についても解説していきます。出産するにあたって不安を抱えている方もぜひ参考にしてくださいね。

出産費用は基本的に全額自己負担

出産費用は基本的に全額自己負担となっています。その理由は、妊娠・出産は病気ではないからです。

「出産って医療行為ではないの?」と思う方もいらっしゃるでしょう。しかし、保険が適用されるのは病気や怪我の場合のみと決まっていて、妊娠・出産はそれに当てはまりません。たとえ医療行為であっても、何の問題もなく出産できた場合は、全額自費となってしまうのです。

ただし、出産に当たって何か問題があった場合は、保険適用となります。例えば、帝王切開や妊娠促進剤の使用、吸引分娩などがそれにあたります。

出産は何が起こるかわかりません。無事に出産を終えるまでは負担額がいくらになるか変わってくるということを覚えておきましょう。

出産費用はいくらかかる?

出産費用はどのくらいかかる?補助金や保険についてもご紹介

出産にかかる費用は、出産方法や入院日数、部屋の種類によって違いが出てきます。また、出産までに通う妊婦健診ももちろん費用がかかるため、トータルでは6070万円かかることも。

ここでは、妊婦健診にかかる費用や出産方法別の費用、入院でかかる費用をそれぞれ紹介していきます。

妊婦検診でかかる費用

妊婦検診とは、妊婦さんと赤ちゃんの健康状態を定期的に確認するために行う健康診査です。

妊婦健診では、お母さんと赤ちゃんの健康状態を知るために、主に、

  • 血圧測定
  • 尿検査
  • 体重測定
  • 腹囲・子宮底測定
  • 医師、助産師の診察

などの検査を行います。

妊婦検診の場合、母子手帳をもらうといくらか検診費用を助成してくれる補助券もついてきます。しかし、母子手帳がもらえるまでは3回ほど検診があるため、その分は自費となります。

検診費用は病院によってかなり差が出ますが、初回の検診では、平均で4,0005,000円ほど。それ以降は補助券を使って1,0008,000円ほどとなっています。ただし、血液検査や子宮がん検診など特別な検査がある場合は、数万円かかることも。一度に数万円支払うのはなかなか肝が冷えるものです。

補助券は、最大で14回分ありますが、自分のタイミングで使用できるというわけではありません。「妊娠〇週〜〇週の検診」や「血液検査」などと指定されているため、その時に合った券を使用するようにしましょう。

また、補助券の中には妊婦歯科検診の券もついている自治体も。妊婦さんはつわりがひどいなどの理由で歯磨きが十分にできず、虫歯になりやすくなります。つわりが落ち着いたらぜひ補助券を利用してくださいね。

初回の健診4,0005,000
2回目以降(補助券あり)1,0008,000
その他通院費として、ガソリン代やタクシー代など地味に出費もあるので注意!

入院にかかる費用

入院にかかる費用とは、食事やベッド、部屋代など様々なものが含まれます。こちらも病院の大きさや設備、サポート体制によって金額が違ってくるため、一概にはいくらとは言い切れません。しかし、内訳は大体同じなので、入院中どのようなものに費用がかかるのか紹介していきます。

部屋代個室や大部屋、バス・トイレ付きなど、部屋の種類によって差が出る
食事代・特別なご飯を用意している病院も

・糖尿病など体の調子に何か問題がある場合はそれに合った食事を出すため、普通の食事より高めに

新生児管理保育料・赤ちゃんの健康管理や保育にかかる費用

・お母さんの体調が戻るまでの世話や検査、一時的に預ける時の保育、沐浴などをしてくれる

検査・薬剤料・お母さんの検査代や薬代

・退院までの間に何度か検査があるため、薬が処方されることも

処置・手当料乳房ケア、産褥指導などの費用

意外と入院中はさまざまなところでお金がかかることがわかりますね。費用を抑えられるとしたら部屋代ではないでしょうか。

個室はひと目も気にしなくていいですし、ゆっくり過ごせるのでいいですよね。しかし病院によってはトイレやシャワーなどがついているところもあるので、それだけ費用もかかることに。

病院によって個室の値段は異なりますが、個室の設備に応じて1日あたり、だいたい約2万円~7万円ほどの使用料がかかります。正常分娩での出産における平均入院日数は約6日ですが、例えば、約2万円の個室を6日間利用した場合は約12万円、また約7万円の個室を利用した場合は約42万円の入院費用となります。大部屋であれば、個室に比べるとかなり費用を抑えることができるので、費用を抑えたい方は大部屋の利用をおすすめします。

出産方法で変わる費用

出産にかかる費用は、出産方法によっても変わってきます。普通分娩の場合、処置もなく入院日数も短いため平均で46万円ほどの費用に。

一方、帝王切開は手術を行い、入院日数も長いため、普通分娩の費用に比べると約510万円ほど高くなります。出産方法は自分では選択できないため、出産費用もその時の状況次第で変わってきます。

出産直前まで順調で、何事もなく普通分娩で産もうとしていたのに、いざ分娩が始まると緊急帝王切開になってしまったということも少なくありません。

どちらにしても高額ではありますが、もしものときのことも考えて、出産費用は少し余裕を持って用意しておくのが安心ですよ。

普通分娩46万円
帝王切開5060万円

無痛分娩とは?気になる費用や流れ|リスクの可能性

出産に医療保険はおりるの?

基本的に出産費用には医療保険はおりません。これは健康保険と同じく「妊娠・出産」は病気ではないからです。

そのため通常の出産の場合、医療保険はおりないのですが、異常分娩となった場合は保険適用となるため、医療保険もおります。

しかし、保険の内容によっては、「前回の帝王切開から○年以上経過している」などといった条件付きのものも。何かあったときのためにも、ご自分が入っている保険内容をしっかり確認しておきましょう。

出産費用の自己負担額を抑えるために活用したい補助金・手当

出産費用に補助は出る?

出産費用は健康保険適用外の診療となるため、とても高額になります。しかし、出産での費用負担を軽減する様々な補助金制度が設けられており、それらをうまく利用することで、実際に支払う自己負担金額を、数万〜230万円まで抑えることができます。それぞれの制度の特徴や条件などを押さえておきましょう。

以下では、出産育児一時金、出産手当金、出産費貸付制度、限度額適用認定証、高額療養費制度についてまとめました。※これらは協会けんぽの被保険者、または扶養家族であることが前提です。

出産育児一時金

出産育児一時金は、(国民健康保険でも社会保険でも良いので)健康保険に加入していて、協会けんぽヘ申請すれば1児につき42万円が支給が支給される制度です。本人が健康保険または国民健康保険に加入している場合だけでなく、配偶者が健康保険に加入している被扶養者も対象です。

※ただし、産科医療補償制度に加入していない医療機関で出産をした場合は、40万4,000円に減額されるので、事前に確認しておきましょう。産科医療補償制度について (公益財団法人日本医療機能評価機構)

受取条件

妊娠4ヶ月(85日)以上で出産する健康保険加入者、またはその健康保険上の被扶養者

金額

1人につき42万円(双子や三つ子などの場合も人数分が支給されます。)
※ただし、産科医療補償制度に加入していない分娩機関での出産や、胎児週数が12週以上22週未満での出産は、一時金が40万4,000円になります。

出産費用が42万円以上…被保険者は不足分を窓口で支払う必要があります。

出産費用が42万円以下…被保険者は協会けんぽに差額分を申請することができます。

例)出産費用が40万円だった場合:差額の2万円分(42万円-40万円)について、協会けんぽへ支給申請することができます。

申請方法

①直接支払制度:医療機関にて所定の書類を提出します。
②受取代理制度:協会けんぽへ所定の書類を提出します。

直接支払制度

直接支払制度は、協会けんぽから支給される出産育児一時金を医療機関等における出産費用に充てることができるよう、出産育児一時金を協会けんぽから医療機関等に対して直接支払う制度のことです。この制度を利用すると、被保険者が医療機関等へまとめて支払う出産費用の負担の軽減を図ることができます。ほとんどの医療機関等はこちらを採用しています。

〇受け取りまでの流れ
  1. 医療機関等と代理契約合意文書を交すのみです。※協会けんぽへの申請は必要ありません。※分娩費用が42万円未満だった場合のみ、差額申請が必要です。
  2. 病院が支払機関を経由して協会けんぽに請求します。
  3. 協会けんぽから病院に出産育児一時金を支払います。
〇メリット

①手続きが簡単に済む

医療機関等に保険証を提示し、書類にサインするのみで手続きが完了するため、手間が掛かりません。

②立て替え必要なし

出産する本人は高額な出産費用を立て替える必要がありません。

受取代理制度

受取代理制度は、本来、被保険者が受け取るべき出産育児一時金を医療機関等が被保険者に代わって受け取る制度のことです。この制度を利用すると、被保険者が医療機関等へまとめて支払う出産費用の負担の軽減を図ることができます。

〇受け取りまでの流れ
  1. 受取代理用の申請書に医師の証明をもらいます。
  2. 出産予定日の2ヶ月前以降に協会けんぽへ事前申請をしてください。
  3. 病院が協会けんぽに出産育児一時金の請求をします。
  4. 協会けんぽから病院に出産育児一時金を支払います。
〇メリット

① 立て替え必要なし

出産費用と出産育児一時金との差額だけを医療機関に支払えば良く、出産費用の窓口負担が減ります。

出産手当金

出産手当金とは、健康保険の被保険者が出産のため会社を休んでいた期間に支払われる給付金です。一定条件を満たしたうえで申請を行うと受給できます。

受取条件

・会社の健康保険の被保険者(本人加入)の会社員や公務員(正社員か非正社員かは関係ありません。)
・妊娠4ヶ月(85日)以降の出産であること
・出産日(出産が予定日より後になった場合は、出産予定日)以前42日(多胎妊娠の場合は98日)から出産日の翌日以降56日までの範囲内で、会社を休み給与の支払いを受けなかった方

金額

1日あたりの支給金額=支給開始日の以前12ヵ月間の各標準報酬月額*を平均した額÷30日×2/3 (支給開始日とは、一番最初に出産手当金が支給された日のことです。)

支給総額=1日あたりの支給金額×(出産予定日前42日+出産予定日から遅れた出産日までの日数+産後56日)

(*)支給開始日の以前の期間が12ヶ月に満たない場合は、次のいずれか低い額を使用して計算します。
1 支給開始日の属する月以前の継続した各月の標準報酬月額の平均額
2 標準報酬月額の平均額
・28万円:支給開始日が平成31年3月31日までの方
・30万円:支給開始日が平成31年4月1日以降の方

標準報酬月額詳細に関してはこちらをご確認ください。

出産手当金の計算例

【支給開始日以前の12カ月間の各標準報酬月額が20万円だった場合】
・出産予定日:11月1日
・実際に出産した日:11月5日
・出産予定日から出産日までの日数:+4日

標準報酬月額から日額を算出 200,000円 ÷ 30日= 6,667 円(1の位を四捨五入)

日額の2/3の額が支給日額  6,667 円 × 2/3= 4,444 円(小数点第1位を四捨五入)

対象期間(42日+出産予定日から出産日までの日数4日+56日)×1日当たりの金額(4,444円)=45万3,288円です。

申請方法

勤務先へ所定の書類を提出します。

・妊娠4カ月以上で出産した方が対象

・産休期間中に会社から給料の代わりに支給されるもの

・出産が予定日より遅れた場合もその期間の分が支給される

「過去1年間に支払われた平均月給÷30×3分の2=日額」

「日額×(出産日から42日遡って休んだ日数+出産後56日間で休んだ日数)=支給額」

出産費貸付制度

・出産育児一時金の支給までの間、出産にかかる費用を無利子で貸してくれる

・出産育児一時金の8割相当額を限度

・または妊娠4ヵ月以上で医療機関等に支払いが必要な方

・出産予定日まで1ヵ月以内の方

限度額適用認定証

・あらかじめ出産費用が高くなるとわかっている場合、出産前に協会けんぽに申請(予定帝王切開など)

・月をまたいでの入院になると還付金が減ってしまう

・窓口での自己負担額が減る

・出産育児一時金との併用も可

高額療養費制度

・月初めから月末までにかかった医療費が高額になった場合、還付してもらえる

・月をまたいでの入院になると、還付金が減ってしまう

・窓口負担が多い

・還付までに時間がかかる

児童手当制度

無事に出産し、退院後すぐに手続きを終わらせたいのが、児童手当の申請です。児童手当とは、015歳の子(15歳の誕生日を迎えて最初の3/31日まで)を育てている親に支給されるもの。

一人につき月15000円を年3回に分けて振り込まれます。3歳を迎えると、金額は月10000円に下がりますが、第3子以降は3歳になっても小学校卒業までは月15000円のままです。できるだけ早めに申請した方が損をしないので、退院後は早めに役所へ行きましょう。

03歳未満15000
3~小学生10000円(第3子以降は月15000円)
中学生10000

その他にも、会社によっては出産お祝い金がもらえたり、自治体によってお祝い金や出産支度金、第3子以降○十万〜100万の給付金があったりします。

ご自分やパートナーの勤めている会社の助成制度や自治体の制度を一度チェックしてみると、お得な情報があるかもしれませんよ。

年度末の確定申告で戻ってくることも!

帝王切開などの異常分娩で出産した方は、年度末の確定申告を忘れずに行うことをおすすめします。

医療控除というもので、年間の医療費が10万円以上となった場合、払いすぎたお金が戻ってくるのです。

年間の医療費−保険などで給付された金額−10万円=控除額

出産費用といっても対象となるものとならないものがあるので、注意が必要です。

対象

対象外

・検診代

・入院代

・分娩費

・交通費(入退院や通院)

・タクシー代(緊急時のみに)

・妊娠中の歯科治療など

・予防接種代

・ベッド代

・入院に必要なもの

・おむつ

・ミルク代

・車のガソリン代

これらを申請するには、領収書をすべて取っておく必要があります。領収書が揃っていないと戻ってくるお金も減ってしまうので、なくさないようにまとめておくといいですね。

まとめ

出産にかかる費用

出産費用には、直接出産に関わるものから、検診費用、赤ちゃん用品、マタニティ用品など、さまざまなものが含まれます。

そして初めての出産であればあるほどお金がかかるものです。しかし、経済的な面で、妊婦さんやそのご家族の負担を減らそうと、多様な補助制度があることもまた事実。

余計なことは考えず、安心して出産できるようにさまざまな取り組みがなされているのですね。そうはいっても、やはりある程度の費用はかかるため、準備が必要です。

出産の費用について心配な方は役所や病院に相談してみるといいでしょう。お得な制度の案内やアドバイスをしてくれるはずですよ。

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  • この記事を書いた人

保育士とも

保育士資格
第二種幼稚園免許

昔から小さい子が大好きで、夢の保育士に!7年間、保育園で働いていました。
0歳児の担任をしたときに、赤ちゃんのコミュニケーション力や意志の強さに驚きました。子どものことについての発信がママさんのお役に立てると嬉しいです。世の中のママさんを心から尊敬しています。
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