「新生児服を買ったら、水通しをしましょう」とよく耳にしますよね。
「水通し」って何のことでしょうか?「水通し」は文字通り、水を通すこと。つまり、洗うことですが、では、なぜ「水通し」が必要なの?洗濯方法はどうしたらいい?と初めてのママさんは気になりますね。今回は「水通し」について解説します。水通しが必要な理由、水通しの方法、新生児用洗濯洗剤の選び方もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
水通しって?
新生児服を買ったら水通しをしましょうね、聞いたことはありませんか?買ったばかりだから、きれいでしょ? そう思われるママさんも多いかもしれません。袋に入っているけれど、ひょっとしたら誰かが触った可能性もあるかもしれませんが、一見、雑菌やダニは付いていないように思われますよね。
実は、生まれたばかりの赤ちゃんは、とってもデリケート。ですから、購入した衣類をそのまま着せるとトラブルを引き起こす可能性があるためです。
では、どんな理由から新生児服に水通しが必要となるのでしょうか?
新生児服に水通しが必要な3つの理由
新生児服を使う前にあらかじめ水洗いしておくことを「水通し」と言います。裁縫をする時にも形や色が変わらないよう生地の下準備として行うので「水通し」や「地直し」という言葉は、知っている人もいるかもしれません。生まれたての赤ちゃんの肌は薄いため、直接触れる衣類、タオル、寝具類などは、どれも使用する前に水通しをしておく必要があります。
新品なのに、なぜ洗う必要があるのかを見ていきましょう。
理由その1:化学物質を除去するため
化学物質代表が有毒成分「ホルムアルデヒド」です。
東京都福祉保健局によると
「ホルムアルデヒドはヒトの粘膜を刺激するため、目がチカチカしたり涙が出る、鼻水が出る、のどの渇き・痛みやせきなど、シックハウス症候群の原因となる代表的な化学物質」と言われています。
ホルムアルデヒドはシックハウス症候群の原因のひとつとされていて、『目がチカチカしたり涙が出る』とくらいですから、皮膚や肌に対しても強い刺激を与えます。
それが付いた服を赤ちゃんに着せてしまったら…と思うと怖いですよね。大人でも濃度の高いホルムアルデヒド付き衣類を着ていると、アレルギーや発疹などの皮膚障害を引き起こす可能性があると言われています。その他、製造や保管に、染料や防虫剤など多数のアレルゲンが使用されているので、皮膚に触れると、かゆみや炎症といった肌トラブルが起きてしまうこともあります。
理由その2:糊(のり)を落とすため
新品の服を着るとゴワゴワ感を感じることがあります。原因は糊がしっかりついているため。服についている糊は繊維の保護や加工しやすくするためについているもの。でも、これは新生児の服に限ったことではありません。新品の服には糊がついていることが多いので、まずは水通しをして糊を落としましょう。糊は水で洗うだけで簡単に落ちてくれます。
糊を落とすことで
- ・着心地が良くなる
- ・刺激物がなくなる
- ・吸汗性や吸湿性が良くなる
と、3つの効果が期待できます。
糊を落とさずにそのまま使ってしまうと、汗の吸い取りが悪いので「あせも」の原因にもなりかねません。
理由その3:縮みや色落ちを防ぐため
生地は洗うと縮みます。しかし、何度か洗ううちに生地は縮みにくくなります。また、濃い色の服と一緒に洗ったら、白い服に色がついてしまったという失敗はありませんか?私はあります(泣)その時は何も心配などせずにいつものようにお洗濯していたのですが、お気に入りの服が赤のまだらになってしまいました。それからは白い服はより慎重に洗濯しています。
このように色落ちするような濃い色のものには、当然、染料が多く使われています。アトピー体質の赤ちゃんの場合、染料に反応してしまうこともあるので注意が必要です。
水通しはいつからいつまでやるの?
では、水通しはいつからいつまでやればいいのでしょうか。
特に決まりはないのですが、妊娠後期8~9カ月頃に行う人が多いようです。ただ、予定日ギリギリだとお腹が大きくなって動くのも一苦労ですし、初産の場合は出産が早まることもあるので、余裕を持って行うようにしましょう。また、いつまで行うかというのも人によって異なります。
水通しは化学物質、糊、色落ちや生地縮みのために行うものです。しかし、生後24カ月以内の赤ちゃん服には、ホルムアルデヒドが厳しく規定されています。ですから、肌の疾患もなく、順調であれば、2歳を1つの目安にして水通しを止めてもいいかもしれません。
中には成分にこだわった洗剤に変えて、大人の服と赤ちゃんの服を一緒に洗うようにしたという人も。ただ、中にはアトピー体質という理由から、大人になっても続けている人もいるので、肌の様子を見ながら必要に応じて行うようにしましょう。
新生児用洗濯洗剤の選び方
ひとくちに新生児用洗濯洗剤といっても、種類が豊富で、どれを選べばいいのか迷ってしまう人も多いと思います。ここからは新生児用洗濯を選ぶ時に必ずチェックしておきたい「4つのポイント」をご紹介します。
赤ちゃん用に作られた洗濯洗剤は、皮膚に刺激を与えないようにつくられた洗剤です。大人と一緒に使用できる洗剤やいつまで赤ちゃん用の洗剤を使用するかの目安についても紹介しています。
洗剤のタイプで選ぶ
洗濯洗剤は
- ・液体タイプ
- ・粉末タイプ
- ・ジェルボール
の3タイプに分けられます。一あまり違いがないように思われますが、使いやすさや特徴が異なります。それぞれの特徴を見ていきましょう。
液体タイプ
液体タイプの洗剤は、水に溶けやすいのが最大の特徴。洗濯したときに溶け残りが衣類についていると肌トラブルを起こしやすくなりますが、その点、液体タイプは冬の冷たい水でも洗剤の溶け残りの心配がありません。そのため、オールシーズン使いやすい洗剤です。さらに、液体タイプは、ドラム式洗濯機との相性はバツグン。すすぎの回数が1回でもOKな洗剤もあり、時短や節水にもなります。
ただし、洗浄力はマイルドで、ガンコな汚れは落ちないこともあります。粉末タイプに比べると価格が高いのも特徴です。溶け残りが少ない分、赤ちゃんの肌を刺激するリスクは低いと言えます。
粉末タイプ
粉末タイプの最大の特徴は、高い洗浄力です。水に溶けやすい液体タイプは、一見、洗浄力が高そうですが、実は粉末タイプのほうが高いのです。粉末タイプは弱アルカリ性。食べこぼしや汗、皮脂などの酸性の汚れを中和してしっかりと落としてくれます。酵素や漂白剤も配合されているものが多く、除菌効果も期待できますね。そのため、衣類の汚れ落ちを最優先するなら粉末タイプがおすすめ。
ただし、衣類を多く入れすぎたり、水の量が足りなかったりすると、洗剤が残ってしまうことも。溶け残りが心配なら、洗面ボウルに粉末タイプの洗剤を入れて、溶かしてから洗濯機に入れるといいでしょう。すすぎは必ず2回行い、洗剤をしっかりと落としましょう。そのため、粉末タイプは時短には不向きと言えます。
ジェルボールタイプ
ジェルボールタイプはポンと入れるだけですから、計量することなく、とにかく手軽に使えます。しかし、計量なしですから、洗濯物が多くても少なくても洗剤は同じ量。ですから、当然、コスパは悪いです。赤ちゃん用洗濯洗剤として使うには種類が少なすぎですね。
ポイント2:成分で選ぶ
赤ちゃん用洗剤を選ぶ時に、チェックしたいのが成分表示です。洗剤は「洗濯用石けん」と「合成洗剤」の2つに分けられます。それぞれの特徴を見ていきましょう。
洗濯用石けん
表示の品名に「洗濯用石けん」と書かれてあれば、純石けん分が主成分の洗濯用洗剤です。肌や自然環境にやさしいのが特徴。ですから、肌に刺激を与える石油系界面活性剤を使っていませんので、赤ちゃん用におすすめ。
- ・シャボン玉石けん「スノール」
- ・ミヨシ石鹸「そよ風」
- ・エスケー石鹸「うるおい」
といったものがあります。
ただし、石油系界面活性剤は汚れを落とす働きがあるため、入っていなければどうしても洗浄力は低めになります。しかし、泥汚れを落としやすいことが特徴です。
洗濯石鹸は
- ・液体
- ・粉末
- ・固形
の3タイプに分けられます。
液体タイプは手間がかからず便利ですが、コストが高いのがデメリットです。
粉末タイプはコスパがいいのですが、水に溶けにくいので冬寒い時は溶け残りが出てしまうこともあります。
固形タイプは泥汚れに最適です。固形石鹸には蛍光剤が入っているものもあるので、使う場合はしっかりとチェックしましょう。
ちなみに私(6児のママよっちゃん)が使っている洗剤はこちら
シャボン玉石けんスノール
合成洗剤
一般に使われているのが、「合成洗剤」です。成分に合成界面活性剤が使われています。界面活性剤と聞くと体に悪そうというイメージがあるかもしれませんが、石けんや洗剤のほか、化粧品や医薬品、食品など幅広く使われているもの。そもそも界面活性剤は、水と汚れを馴染ませて汚れを落ちやすくするもののこと。
天然素材を使ったものが「石けん」で、石油等を化学合成したものが「合成洗剤」となります。同じ界面活性剤でも、石けんと合成洗剤はまったく別のものです。
また、界面活性剤のほか、蛍光増白剤や漂白剤、香料などの添加物が含まれているので、合成洗剤を使う場合は、ていねいにすすぎを行うことが大切です。合成洗剤は洗浄力が強いので汚れ落ちは抜群ですが、その分肌への刺激が強くなってしまうのがデメリットです。
汚れがどうも落ちないと感じた時は、ココナッツやヤシから取れた合成界面活性剤が多少含まれているものがおすすめ。
水通し方法~準備編
水通しをする前の準備を始めましょう。
洗う衣類表示を確認
まず、水通しをする前に衣類についている洗濯表示マークを確認しましょう。
洗濯桶のマークがついていたら、洗濯機で洗えるということです。40という表示なら「40度を限度とし、洗濯機で洗濯ができる」。下に1本線がついていたら、弱く、2本線ならさらに弱くという意味。手が入っていたら手洗いということです。
消費者庁のWebサイトでも解説されているので、水通しする衣類の表示をしっかりと確認しておきましょう。
洗濯槽の洗浄
洗濯機を使う時は、事前に洗濯槽の洗浄をしておきましょう。洗濯槽は石鹸かすや黒カビで汚れていることが多いので、せっかく安全な洗剤を使っても、洗濯槽が汚れていては意味がありません。水通しの前日に、洗濯機をきれいにしておけば、当日慌てないで水通しすることができますね。
晴れた日を選ぼう
いくら小さくても肌着だけでも10枚以上になるので、干す場所を確保します。さらに天気の良い日を選ぶことも忘れずに。花粉が多い時期なら、室内の日光の当たる場所に干しましょう。干す時に小さいベビーハンガーや連結したものを用意しておくと便利ですよ。
水通し方法
ここからは、実際に新生児服の水通しはどのように行うのでしょうか。具体的な方法を見てきましょう。手洗いと洗濯機を使う場合を解説します。
手洗い編
step
1きれいなバケツや洗面器を用意し、水かぬるま湯を入れます。気になる場合は洗剤を入れましょう。前もって肌着の紐はほどいておき、優しくもみ洗いをしていきます。
step
2流水またはぬるま湯でよくすすぎます。特に洗剤を使ったら、衣類に洗剤が残らないようにしっかりとすすいでください。
step
3手で絞る時にシワになるのが気になるなら、洗濯機の脱水機能を使うのもおすすめ。必ず洗濯ネットに入れてから脱水しましょう。
step
4シワを伸ばして形を整えてから、干します。
洗濯機編
ベビー服以外にもシーツや布団など水通しが必要な衣類は多いので、まとめてするなら洗濯機を使うのがおすすめです。
step
1洗濯機が清潔な状態か確認してから、洗濯用のネットに入れてから回しましょう。基本的に洗剤は必要ありませんが、気になるなら洗剤を入れて、優しい洗い方ができる「ソフト」「手洗い」「弱洗い」などを選択します。
step
2洗濯が終わったらシワを伸ばしてから干しましょう。
step
3水通しする衣類が少ない時は手洗いで行ったほうがすぐ終わりますね。
まとめ
新生児服の水通しは、出産後に慌てないようにするためにも、28~37週目ごろまでに行うのがおすすめです。
水通しは赤ちゃんのデリケートな肌を守ってくれます。洗濯機を使えば手間もかかりません。とても簡単なので1度やってみるとコツがわかります。体調と天気のいい日を選んで水通しを行って、安全に赤ちゃんを迎える準備をすすめていきましょう。