生まれたばかりの赤ちゃんをお風呂に入れるのは、出産したばかりのママさんにとって重労働ですよね。しかも、首がすわっていない時期は、赤ちゃんの支え方も不安定で、落としそうで怖い! これが本音だと思います。
初めは大変ですが、赤ちゃんが気持ち良さそうな顔をしてくれると、ママも癒されるもの。今回は、そんな赤ちゃんのお風呂について解説していきます。赤ちゃんのお風呂、沐浴について、ベビーバスはいつまで使うのか、おすすめのベビーバスについてもご紹介します♪
そもそも沐浴とは?
赤ちゃんをベビーバスやたらいに入れて、全身を洗うことを「沐浴(もくよく)」といいます。
お風呂に入るのは「入浴」というのに、なぜ「沐浴」というのでしょうか。
本来、沐浴とは、水や煙などで体の汚れを洗い清めるという意味合いを持つ言葉。「沐浴」と同じような言葉に「湯あみ」があります。「ゆ」は清らかなもの、けがれがないという意味があり、「あみ」は浴びるという意味。
また、「入湯(にゅうとう)」は温泉にはいって保養すること、「行水(ぎょうずい)」は夏の暑い時などにたらいにはいって、体の汗を流すことです。このように見ると水で汚れを取る「沐浴」は、どうやら「清める」というような意味が強い言葉とも取れるんですね。
沐浴はなぜ必要?
では、沐浴はなぜ必要なのでしょうか。
実は生後まもない赤ちゃんは、へその緒が取れていませんし、抵抗力が弱いのです。ゆっくり湯船につかると癒されますが、実は風呂のお湯には雑菌がいっぱい潜んでいるのです。いくらきれいに洗って新しいお湯を張っても菌が存在するものなんです。
実は人の肌にも菌がついていて、ちょうどいい温度のお風呂に入るとその菌が汗、皮脂、風呂釜の汚れを栄養にしてどんどんと増殖していくのです。入浴後のお湯を一晩そのままにしておくと、1000倍にまで雑菌が増えてしまうそうです。思わずぞっとしてしまいますが、そんな菌だらけのお風呂に免疫力の弱い赤ちゃんを入れたくないと思うママさんも多いはずです。
特に気を付けたいのが風呂釜内部。追い焚きすると、菌が増えて感染症やアレルギー反応などを引き起こしてしまう可能性があるのです。
生まれたての赤ちゃんは体を動かすことが少なくても新陳代謝が活発なので、汗っかき。さらにミルクをこぼしたり、ゲップして吐いてしまったりと体全体が汚れがちです。赤ちゃんの肌はデリケートですから、清潔にしてあげるためにも沐浴が必要なのです。
沐浴は、体をきれいにするだけでなく、血行を良くする、新陳代謝を高める、ママとのスキンシップとを図るなどの効果もいっぱいあります。また、大人と一緒の浴槽に入れるようになったら、お風呂の菌をできるだけ防ぐようにこまめな掃除と浴室の換気にも気を付けるようにしましょうね。
沐浴に必要なものは?
赤ちゃんを気持ちよくお風呂に入れてあげるためには、お風呂に入れる前にしっかりと準備することが重要ですね。どんなものが沐浴に必要なのかを見ていきましょう。
ベビーバス
基本的には生後1カ月位まではベビーバスを使います。
キッチンや洗面台のシンクにセットして使うもの、空気を入れて膨らませて使うものなど、いろいろなタイプがあります。使うベビーバスがいくら軽くても、お湯を入れるとかなりの重さになるので、できれば排水栓がバスの底に付いているものだとそのままお湯を捨てられるので便利に使えます。
たった1カ月ほどしか使わないので、レンタルでもいいでしょうし、大きめのたらい、収納ケースを代用しても大丈夫です。沐浴を行う場所に合わせて選ぶといいですよ。
湯温計
手でお湯を触ってみても温度はわかりにくいものです。熱すぎても、冷たすぎてもダメです。夏は37度~39度、冬は38度~40度くらいが適温とされているので、湯温計でしっかりと温度を確かめましょう。
洗面器
すすぎや上がり湯を赤ちゃんの体にかけるときに使います。あるものを利用してもいいですが、汚れたお尻をきれいにするときも使えるので、赤ちゃん専用のものを用意してもいいですね。
沐浴布
赤ちゃんは裸になるととたんに不安になり、怖がって泣いてしまうこともあります。入浴中の赤ちゃんの首からお腹にかけて隠れるくらいの大きさがある木綿やガーゼを用意して覆ってあげます。不安を和らげ、保温の役目もあり、一石二鳥です。大きさは35×70cm程度あれば十分です。顔や体を拭くものは25×25cmほどの大きさのものがおすすめ。
赤ちゃんの肌はデリケートですから、肌触りの良い綿100%のものを選びましょう。オーガニックコットンのものなら安心ですね。ただ、ガーゼの中には白く見せるための蛍光塗料が使われているものもあります。しっかりとチェックして選ぶようにしましょう。
有害な物質を一切使用せず、環境保護基準に従い製造された繊維製品の国際的な安全基準「エコテックス」というのがあり、認証されたガーゼなら安心して使えますね。
低刺激のベビーソープ
月齢によっても肌の状態が変わってきます。固形石鹸でもいいのですが、赤ちゃんを1人で入浴させなければならないママにおすすめなのが泡タイプ。
汚れの吸着もよく、洗い残しも気になりませんし、とにかく泡立てる必要もないので手間がかかりません。赤ちゃんのつるつる肌に直接つけるものなので、できるだけ品質のよいものを選ぶようにしましょう。
着替え一式
着替えは重ねて袖を通した状態にセットしておくと、さっと着させられて便利です。スペースがあれば横にバスタオルを広げておいて、拭き終わったら、横に移動して着させます。赤ちゃんが湯冷めしないように、手早く行えるように工夫しましょう。
沐浴の正しいやり方
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1お湯をはって準備
暖かい場所にベビーバスを設置して、7分目くらいまでお湯を入れましょう。
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2沐浴に必要なグッズを準備
お湯をためている間にベビーソープや洗面器などを準備。
★お湯がたまったら手早く赤ちゃんの服を脱がせて、ためたお湯が冷める前に沐浴を始めましょう。
step
3右手でお尻を支えながら沐浴
赤ちゃんのお腹全体に沐浴布をかけてあげて、左手で赤ちゃんの頭を支えて、右手でお尻を支えながらお湯に入れていきます。
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4お尻を支えていた右手を離しましょう
足からゆっくりお湯に入れていき、全体がお湯に入ったら左腕をベビーバスの内側につけるようにして安定させてから、お尻を支えていた右手を離しましょう。
顔の洗い方
洗面器のお湯でガーゼを濡らし、顔を拭いてあげます。
目の周り→おでこ→ほっぺ→鼻→あごの順番
で、上から順に洗いきます。赤ちゃんの皮脂が多くなってきたら、ガーゼではなく手にソープをつけて洗ってあげてくださいね(ソープをつける場合は目の周りは避ける)。
頭の洗い方
右手にソープをつけて、大きな円を描くように頭を洗ってからお湯ですすぎます。赤ちゃんの頭皮は皮脂が多いので、きちんと洗わないと「乳児性脂漏」というかさぶたができやすいので注意が必要です。
上体の洗い方
首→わきの下→お腹の順で洗いきましょう。
赤ちゃんは首やわきの下に「しわ」が多く、汗やミルクの吐き戻しなどで汚れてしまいますので、しわの間までしっかりと洗ってあげてくださいね。
手足の洗い方
腕→手→足の順に洗いきます。手のひら全体にソープをつけて、腕は脇から洗い、足は足の付け根からくるくると螺旋(らせん)を描くようにして手先・足先に向かって洗いましょう。
背中の洗い方
背中を洗う際には、赤ちゃんを腕の方に回してうつ伏せにして、ひじと手首の間で赤ちゃんの胸を支えるようにして態勢を安定させましょう。右手にソープをつけて、なでるように背中を洗ってあげてくださいね。
おしりの洗い方
背中と同じ態勢のまま、おしりを洗いましょう。お尻を洗い終わったら、上向きの態勢に戻して脚の付け根や陰部も洗います。おしりは一番汚れる場所なので、割れ目やひだの間まで丁寧に洗ってくださいね。
体全体を洗い終えたら、洗面器に入れたきれいなお湯ですすいであげれば沐浴は完了です。
ベビーバスはいつまで使う?
通常沐浴の卒業は、1カ月ごろです。ちょうど1カ月健診で異常がみられなければ、大人と一緒のお風呂に入れるようになります。ということは、早ければベビーバスは1カ月程度しか使わないということになります。
一緒のお風呂に入れるようになればベビーバスをいちいち用意しなくてよくなります。ところが、実はお風呂のほうがたいへんだったりします。ずっと赤ちゃんの体をお風呂の中で支えなくてはなりませんし、抱えたまま風呂桶を何度もまたがなくてはなりません。
生後1カ月の赤ちゃんの体重の目安は、3~5キロ程度。大きな赤ちゃんなら6キロぐらいになっていることもあります。ちょっとした筋トレになりますが、腰の弱い人は要注意です。お風呂にいれようとしてママさんが腰を痛めてしまっては、その後の育児がたいへんになります。
そのため、ベビーバスのほうがまだラクだった!なんて思う人もいるはずです。
もちろん、他の家族やパパが手伝ってくれればいいのですが、赤ちゃんのお風呂時間には帰っていない、ママひとりとなると、慣れるまではとてもたいへんと思うこともあります。そのため、首がすわるまでベビーバスを使ったというママもいますので、ラクな方法で入浴させてあげましょう。
ベビーバスおすすめ5選
リッチェル ふかふかベビーバス W
(https://item.rakuten.co.jp/mamababy/7164381/ 楽天市場より)
折りたたむとA4サイズ
新生児~3カ月頃まで使え、ビニールタイプで簡単に膨らますことができるベビーバス。空気挿入口が4カ所あるので、すぐに空気を入れることができます。また、首がすわっていない赤ちゃんを支えながらのお風呂はたいへんです。
頭を優しく守るヘッドサポート、寝かせても無理のない体勢をキープできる背もたれ、ずり落ちを防ぐおしりストッパーと3つのサポート機能付き。ビニールタイプといってもフニャフニャしているわけではなく、けっこうしっかりしているので、安心して使えますね。
- サイズ:幅約68×奥行約47×高さ約29cm
- 重さ:約0.58kg
- 素材:塩化ビニル樹脂(食品衛生法対応可塑剤使用)
ベビーバスクッションセット
(https://item.rakuten.co.jp/slotre/10000123/ 楽天市場より)
クッションでサポートしてくれる
クッション付きのベビーバス。折りたたむとわずか9センチになるので、使わない時はすき間に入れることができます。39度以上になると栓の色が変わって温度を教えてくれるのも便利ですね。
クッション中央部にはEPS粒子(ビーズ法ポリスチレンフォーム)を使用しているので、98%の空気を含み、水に浮き、赤ちゃんを支えてくれます。クッションの上部3点をしっかり止めて、赤ちゃんの頭をしっかりサポートしてくれる安心構造。さらに赤ちゃんの肌が触れる部分は柔らかい素材を使用しています。
- サイズ:縦20×横80×幅47(cm)
- 重さ:約1.45kg
- 素材:ポリエステル
ラッコハグ
(https://item.rakuten.co.jp/auc-ookawaya/4977489026363/ 楽天市場より)
便利な2way
首がすわる前の赤ちゃんには「ベビーバス」、首がすわったら「バスチェア」として長く使用できるのが特徴です。背もたれがついているので洗いやすく、腕も疲れません。お風呂に一緒に入れるようになったらママひとりの時はお風呂にラッコハグを置いて座らせておけば「ママ待ちサポートタブ」として、お風呂が楽しくスムーズになる「プレイタブ」、水量が少なくても十分に水遊びが楽しめる「プチプール」としても5WAYで2歳頃まで使えます。
- サイズ: (長さx幅x高さ) 58 x 42 x 36 cm
- 重さ: 648 グラム
- 素材:ポリプロピレン, ポリ塩化ビニル
ストッケ フレキシバス
(https://item.rakuten.co.jp/estyler/st52440/ 楽天市場より)
4歳まで使えるベビーバス
新生児から4歳頃まで使える折りたたみ式のベビーバス。海外のデザイン賞も受賞する省スペースなデザインが評価されています。コンパクトなので自宅だけでなく、旅行にも持って行けますね。フレキシバス ニューボーンサポートと一緒に使えば、新生児から使えます。底面には排水プラグが付けられているので、重いバスタブを持ち上げることなく排水できます。また、有毒物質は一切含まない素材で作られているので安心して使えますね。
サイズ:幅64×奥行34×高さ24cm/ニューボーンサポート幅46×高さ24×奥行20cm
重さ:約1.3kg/ニューボーンサポート:2.8kg
素材:側面・底面:ポリプロピレン/可動部:水添型スチレンブタジュン共重合樹脂
安心やわらか沐浴マット
(https://item.rakuten.co.jp/backyard/safetybathmat/ 楽天市場より)
洗面台でも使用できる
洗面台に置いてお湯をためれば沐浴バスに早変わりします。透水性スポンジのクッションを採用しているので、水の通りが良く、水切れもバツグンです。さらに表面がメッシュになっているので肌触りもサラっとしているから、赤ちゃんにとっても快適。また、バスルームの床に置けばお風呂マットとしても使えます。赤ちゃんを寝かせたまま赤ちゃんの体が使えるので洗いやすく便利。手洗い後、洗濯ネットに入れて脱水すればすぐ乾くので、お手入れも簡単です。
- サイズ:幅70×奥行53×厚み1cm
- 重さ:約157g
- 素材:クッション:ポリウレタン(無膜加工ウレタン)
沐浴を卒業した後の入浴方法
沐浴を卒業した後は、大人と一緒に入浴することになります。そこで、赤ちゃんを一緒に入浴させてあげる際の正しい入浴の方法について解説します。
大人と一緒の入浴の流れ
赤ちゃんと一緒に入浴するにあたっては、一般的に以下の流れで入浴することになります。
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1入浴する前にお風呂上りの準備をしておく
- ・替えのオムツ
- ・着替え
- ・タオル
- ・保湿剤など
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2先に大人が浴室に入って体を洗う
脱衣所の浴室ドア近くにマットやバウンサーなどを用意して赤ちゃんを寝かせてあげて、先に大人が浴室に入って体を洗いましょう!
(赤ちゃんに異変があってもすぐに気がつけるように浴室のドアは開けたままにしておくのがベスト)
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3赤ちゃんの頭と体を洗う
大人が洗い終わったら赤ちゃんの服を脱がせて、頭と体を洗いましょう。
(赤ちゃんの首がすわるまでは赤ちゃんの頭を大人の膝の上に乗せて洗うことをおすすめ)
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4一緒に湯舟につかる
赤ちゃんを洗い終わったら一緒に湯舟につかります。(湯舟に入るときは赤ちゃんを縦に抱いてあげてゆっくりと入る、入浴時間は洗う時間も含めて10~15分くらいが目安)
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5全身を保湿してから服を着せる
お風呂からあがったら赤ちゃんの体を拭いてあげて、保湿をしっかりしてあげましょう♪
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6入浴後、母乳かミルクで赤ちゃんに水分補給をする
赤ちゃんを洗いにくいときや泡ですべるのが不安なときは、バスチェアやバスマットを利用するのもおすすめです。
ただし、バスチェアはお湯が浅くても浴槽には入れないようにすることと、浴槽に落ちる可能性がある場所にも置かないようにしてください。
入浴時のお湯の温度
赤ちゃんと入浴する際のお湯の温度は、38~40℃を目安にしましょう。
人によってはぬるいと感じるかもしれませんが、実はこのくらいの温度のお湯に時間をかけて浸かることで、体が芯まで温まるのが大人にとっても理想的なお湯の温度でもあるんです。
熱すぎるお湯は皮膚の乾燥やかゆみを起こすことがあります。とくに42℃以上のお湯は大人の体にとっても負担がかかる言われていますので、皮膚の弱い赤ちゃんにとってはさらなるダメージになるでしょう。
入浴の際の注意点
安全に赤ちゃんと入浴するにあたっては、いくつか注意しなければならないポイントがあります。
- ・絶対に赤ちゃんから目を離さない(ちょっと離れている間におぼれてしまう可能性がある)
- ・石鹸やシャンプーなどの誤飲を避けるために、赤ちゃんの手の届かないところに置いておく
- ・カミソリなど傷つく可能性がある品物がある場合も、赤ちゃんの手の届かないところに置いておく
- ・入浴中に親が疲れて眠ってしまうのを避けるため、疲れているときや体調不良の時は無理に入浴しない
- ・浴槽・浴室は清潔にしておく
- ・入浴後の保湿を習慣にする
まとめ
沐浴は赤ちゃんとたくさんスキンシップができるので、楽しい時間。もちろん、初めてだと赤ちゃんを落としてしまわないかドキドキしてしまうということもありますが、すぐ慣れていきますよ。ママさんも赤ちゃんも沐浴に慣れてきたら、沐浴の時間が楽しみになるかもしれません。
そのためにも使いやすいベビーバスを選びましょう。赤ちゃんもママも快適なお風呂タイムを過ごせるようになるはずです。毎日の育児でたいへんと思いますが、長い育児の中でも沐浴はほんの少しの間だけです。今だけの時間を楽しんでくださいね。