赤ちゃんが突然ビクッとして手足をバタバタさせる「モロー反射」。
この可愛らしい反応は、いつまで見られるのでしょうか?
実は、モロー反射は赤ちゃんの成長過程で重要な役割を果たしており、消失する時期は成長の目安の一つにもなります。
この記事では、モロー反射の期間や、見られなくなった後の赤ちゃんの発達、注意点について詳しく解説します。
目次
モロー反射とは?
赤ちゃんが日常を過ごすなかで、光や音、体の向きを変えるなど外からの刺激に対して、急にビクッとして手足をバタバタさせたり、両手を握って抱きつくように腕を伸ばして反応したりするのを見かけたことがあるといいます。
こういった無意識におこる反応のことをモロー反射といいます。生まれたときから自然にそなわっている原子反射のひとつです。
モロー反射がおきる原因は?
モロー反射は外から大きな刺激が与えられたときにおこります。
モロー反射は、
|
におこる行動ともいわれています。
また、モロー反射は、
|
このようなときによく見られます。
赤ちゃんは少しの刺激にもとても敏感です。あまりにも刺激が多すぎると、赤ちゃんも疲れてしまいますよね。
静かな落ち着いた空間で過ごしたり、光に少しずつ慣れていけるようにしたり、ゆっくり赤ちゃんの体を動かすようにしたり、おかあさんが意識してあげてくださいね。
モロー反射が起きた時の3つの対処法
モロー反射がおこっているとき、赤ちゃんはびっくりしている状態です。そんな時どうしてあげたらいいのか、最初は戸惑うかもしれませんね。次のような対策をしていきましょう。
おくるみで優しく体を包む
おくるみとは、赤ちゃんを抱っこするときや寝かしつ時に使う、赤ちゃんを優しく包む大判の布のことです。
おくるみで赤ちゃんのからだを優しく包んであげることで、赤ちゃんはお腹の中にいた時のような安心感を感じたりします。また、ある程度からだが固定されて赤ちゃんのモロー反射が起こりにくくなります。モロー反射が起きないことで、赤ちゃんもぐっすり眠られるようになります。
ぎゅっと体に巻きつけるのではなく、優しく巻いてあげてくださいね。赤ちゃんの肌に直接触れるために、優しい素材選びも意識していきましょう。
おくるみの選び方
赤ちゃんが快適に過ごせるように、季節に合った素材を選びましょう。春夏秋冬ごとの季節にあった素材は以下の通りです。
季節 | おすすめ素材 | おすすめポイント |
春・秋 | コットン(綿)100% |
|
夏 | ガーゼ |
|
冬 | フリース、厚手のコットン(綿) |
|
静かな落ち着いた環境で過ごす
赤ちゃんは少しの物音や、大きな声にびっくりしてモロー反射を起こします。騒がしい環境であれば、赤ちゃんにとって刺激が強く落ち着いて過ごせません。
普段から落ち着いた場所で過ごせるようにしていきましょう。
気温の調節に気を配る
赤ちゃんは自分で体温調節ができないことや、外部の環境変化にとても敏感なため、急な温度の変化にもびっくりしてモロー反射を起こしやすくなります。気温だけでなく、衣服の調節や、直接肌に触れるものの温度が冷たすぎないか、暑すぎないか、確認する癖をつけておくと安心ですよ。
モロー反射はいつまで?
モロー反射は生後0~3か月の赤ちゃんの間にみられるもので成長するにつれてなくなっていきます。個人差はありますが、4か月くらいまで、遅くても6か月にもなると、ほとんど消失して、見られなくなります。赤ちゃんの成長は早いもので、ほんの一時期の反射行動なんですね。
モロー反射を繰り返すときは
生後7ヶ月以降になってもモロー反射が残っている場合は、赤ちゃんの状態に異常がある可能性があります。赤ちゃんのモロー反射の状況をよく観察し、症状を動画に撮影して、小児科医に診てもらいましょう。
モロー反射と発達障害の関連性は?
このように、生後7ヶ月頃を過ぎてもモロー反射が残っている場合には、「うちの子は発達障害があるのでは?」と不安に思うママやパパもいるかとおもいます。しかし、モロー反射が残っていることと発達障害との関連性は、はっきりとわかっていません。つまり、モロー反射が激しかったり、生後7ヶ月頃を過ぎても残っていたりするからといって、その子に発達障害があるというわけではありません。
『どんなときにどんな様子のモロー反射が起こったか』をメモまたは、動画に撮って残しておき、小児科の先生に相談しましょう。
モロー反射が見られないときには
赤ちゃんによっては、モロー反射があまり見られないこともあります。個人差があるため、モロー反射が弱かったり、少なかったりすることはありますが、まったく見られないときには「核黄疸(かくおうだん)」である可能性も考えられます。あまりにもモロー反射が弱い、少ないと心配になったときには、一度かかりつけのお医者さんに診てもらったほうが良いでしょう。治療が手遅れになると脳性麻痺につながることがあるので、早い対応が大切です。
(補足)核黄疸(かくおうだん)とは?
核黄疸(かくおうだん)とは、簡単に言うと『皮膚が黄色くなること』で、何らかの原因で黄色色素が増え、肌が黄色っぽくなる黄疸(おうだん)の一種です。この黄色の色素が脳の神経に沈着すると、脳や運動機能に影響を与えることがあります。
新生児は、お母さんのおなかから出た直後、呼吸や循環など、身体の様々な面において外の世界に適応する必要があり、その適応過程の一つの症状として、皮膚が黄色くなることがあります。新生児期に皮膚が黄色くなることは、どの赤ちゃんでも見られる自然現象であるため、過度な心配は必要ありません。
一般的には、生後2~3日頃から皮膚や白目の部分が黄色くなり始め、生後4~6日目にピークを迎えることが多く、生後7日以降になると徐々に引いていきます。
病気を原因としない自然な黄疸(おうだん)は、一般的に2週間以内で消えるとされています。
しかし、まれに自然現象の範囲を超えた異常な程度で皮膚が黄色くなってしまう場合があります。
この状態が続くと、脳性麻痺や難聴などといった体が不自由になる後遺症が残る可能性が出てきますので、2週間以上皮膚が黄色くなり続けている場合は、お医者さんに受診してください。
さいごに
モロー反射は赤ちゃんの特有の原始反射で生まれつき備わっている行動のひとつです。
何らかの刺激をうけたときに、両手を万歳してしがみつくような動作もまた、赤ちゃんならではのとても可愛い仕草ですね。びっくりしている状態ですので、刺激の少ない環境を整えたり、安心させてあげたりしてくださいね。