車に乗る際にお子さんの命を守るためつけるのがチャイルドシート。しっかり取り付けている方がほとんどだとは思いますが、中には取りつけ方法を間違っている方もいらっしゃるかもしれません。チャイルドシートはただ車に乗せればいいというわけではなく、正しくつけることが重要です。
この記事では車のチャイルドシートの取り付け方法を解説し、シートベルトはいつから着用できるかということについても紹介していきます。何歳からつければいいのか分からないという方もいらっしゃると思うので、ぜひ参考にしてくださいね。
チャイルドシートはいつからつける?
チャイルドシートはいつからつけるかご存じでしょうか。「首が座った頃から?」「ひとり座りができるようになったら?」と考える方もいらっしゃるでしょう。
実はチャイルドシートの着用は、生まれてすぐからとなっています。退院するときに、車で帰る方もいらっしゃいますよね。その際にそのまま抱っこやクーハンなどに寝かせて車に乗ると、思わぬ事故に遭ったときに車の外に放り出されたり、大きな怪我を負ったりする危険があります。
そのため、チャイルドシートは出産前には準備しておき、退院時にすぐに使えるようにしっかり取り付けておくことが大切です。チャイルドシートは斜めに座るイメージがあるので、新生児には向かないのではないかと思われるでしょうが、ちゃんと新生児用のものがあるので安心してください。
完全に横になった状態で乗せることのできるチャイルドシートがたくさんあるので、購入の際にはさまざまなメーカーのものを比べて検討してください。
チャイルドシートの種類
チャイルドシートは、形や用途によって大きく分けると3種類あります。
新生児(0歳~)から使えるもの | ~18㎏ |
幼児期(1歳頃~)から使えるもの | 9~36kg |
3歳頃から使えるもの | 15~36kg |
このように、チャイルドシートは対象年齢や体重によって使い分けるようになっています。ここでは上記で挙げたチャイルドシートの種類を詳しく紹介していくのでぜひご覧ください。
〇チャイルドシート(新生児~)
新生児から使えるチャイルドシートは、はじめは基本的に後ろ向きに取りつけます。後ろ向きの方が事故の時の衝撃が和らぐためです。そして取り付ける場所は後ろの席。
赤ちゃんの顔を見たくてつい助手席に取りつけたくなりますが、助手席で後ろ向きにチャイルドシートを取り付けると、事故の際に、助手席のエアバッグが開いてチャイルドシートが傾いたり赤ちゃんが押しつぶされたりする危険性があります。
そのため、どのメーカーのものでも、後ろ向きにチャイルドシートをつける場合は後ろの席と決まっているのです。しかし、後ろ向きにつけるということは、運転席側からは赤ちゃんの様子を確認することができません。この点がデメリットなのですが、赤ちゃんが安心して車に乗れるためにはしかたのないことなので、しっかり後ろ向きでつけてください。
後ろの席の中でも推奨されている位置が左側です。左は歩道側ですし、運転席と対角線上の方が何かと安心なので、できれば助手席の後ろ側に取り付けるようにしましょう。
取り付けるときの注意点 |
・取扱説明書をよく読み、チャイルドシートと座席をシートベルトでしっかり固定する ・たるみがないか確認する ・赤ちゃんを乗せ、ハーネスをつける ・緩んでいないか確認し、ハーネスをほどよく締める ・最後にシートベルトとチャイルドシートがしっかり固定されているか確認 |
〇ジュニアシート(1歳~)
ジュニアシートとは、1歳から乗れて、前向きで座れるタイプのものです。ハイバックタイプのものや台座部分だけのものもあります。
1歳では台座部分のみで座らせるのはまだ危険なので、ハイバックタイプのものが安全です。こちらはシートベルトを直接つけるのではなく、新生児用と同じく、ハーネスを使います。新生児用のチャイルドシートよりも背もたれが伸びて、座りやすくなっています。頭の部分も固定されるのでぐらつきも軽減されますよ。
取り付けるときの注意点 |
・チャイルドシートと座席をシートベルトで固定する ・たるみがないか確認する ・子供を座らせたらハーネスをつける ・ハーネスの肩の位置が合っているか確認 ・緩んでいないか確認し、ハーネスをほどよく締める ・最後にシートベルトとチャイルドシートがしっかり固定されているか確認 |
この時期は子どもの成長も著しく、ハーネスの肩部分の高さが合わなくなってくることがあります。さまざまな高さの穴が開いているので調節可能ですが、問題なのは体格が大きくなること。
ハーネスの長さを最大にしても、体格が大きくなると、お腹周りがきつくなって取り付けるのが難しくなります。その頃には3歳ごろになっていると思うので、もう一段階大きいジュニアシートにすると安全ですよ。
〇ジュニアシート(3歳~)
ジュニアシートは3歳頃から使えるものもあります。1歳から使えるものと比べると少し大きい作りに。こちらはシートベルトのしようができるので、取りつけもかなり楽になります。
背もたれがついているものは、シートベルトをひっかける箇所があって高さ調節できるので、首に引っかかる心配がないのがうれしいですね。
腰に回す方のベルトは、台座部分にベルトをひっかける部分があります。そのため腰の低い位置にベルトが固定され、安定感が出るのです。
取り付けるときの注意点 |
・背もたれ付きの場合は、シートベルトをチャイルドシートの肩部分に通して高さを調節する ・腰のベルトは、台座部分にひっかける部分があるので左右固定する |
台座部分だけでは不安定な場合があります。年齢の目安はありますが、必ずご自分のお子さんの体格に合わせたチャイルドシートを使うようにしてください。万が一事故に遭ったときに大けがをしてしまわないよう取り扱い説明書をよく読みましょう。
チャイルドシートはいつまで必要?
チャイルドシートは、6歳まで使用が義務付けられています。ではその先はどうでしょうか。6歳になったからといって、急にチャイルドシートがいらなくなるかというと、そういうわけではありません。
実は推奨されているのは身長が140㎝になるまで。6歳になっても体格が小さい子や身長が140㎝以下の子はシートベルトを使うのはもう少し後の方がおすすめです。
また、シートベルトを使用するようになった際には、どの席に座るときも必ず着用しなければなりません。これは2008年に、後部座席でもシートベルトの着用が義務付けられたためです。
そのため、お子さんが大きくなったときは、チャイルドシートがいらなくなっても、車のシートベルトはしっかり着用することを教えるようにしてくださいね。
チャイルドシートをつけないとどうなる?
チャイルドシートは、生まれてから6歳までつけることを義務付けられていますが、どうしてもつけられない事情もありますよね。例を以下に挙げていきます。
・送迎バス(幼稚園、保育園) ・バス、タクシー ・チャイルドシートが設置できない車 ・チャイルドシートをつけることで定員の人数が乗れない場合 ・急病やけがで救急に連れていく場合 ・体が大きすぎる場合 |
幼稚園や保育園の送迎バスにはひとつひとつチャイルドシートをつけるのは難しいですよね。何かあったときに、幼児だけでシートベルトの着脱をするのもうまくできません。そのため、座席の背もたれが高くなっていたり、クッション材を使っていたりと事故時の衝撃を緩和するような工夫がされているのです。
また、バスやタクシー、シートベルトがついていない車などはチャイルドシートの設置が免除されています。その他にもチャイルドシートをつけることで、定員オーバーになってしまう場合も、チャイルドシートの設置はしなくても大丈夫です。
子どもが怪我した場合や座っていられないぐらい体調が悪い場合は、横にしないといけない状況も考えられますよね。その際は無理にチャイルドシートには座らせず、しっかり抱っこするか、座席をうまく使って下に落ちないように寝かせるなど工夫するようにしてください。
事故の体験談
ちなみに筆者は一番上の子が生後3カ月の時に事故に遭ったことがあります。後部座席に子どもと乗っていたのですが、交差点を徐行して通過しようとしていたところ、私が座っていた側からスピード超過の車がつっこんできて運転席の後ろ側のドアはベッコリへこんで全損。私も割れたガラスを全部浴びたので、口元を何針か縫いました。
慌てて横に乗っていた娘の方を確認すると、娘は奇跡的に無傷。泣きもせず、きょとんとしていました。衝撃でチャイルドシートは多少ずれていましたが、しっかり取り付けていたので、娘が車から飛び出すことも押しつぶされることもなく済んだのです。
念のため、病院で診てもらいましたが、骨や脳にも異常なく、その後もなにか症状が出ることもありませんでした。チャイルドシートは大事だと分かってはいましたが、本当に身をもって体験して、それからは何があってもつけるようにしています。
上記のように、どうしてもつけられないという場合もありますが、つけられる方は必ずつけるようにしてください。自分はしっかり抱っこできると思っても、いざ何かあったときの衝撃には耐えられません。
自分の力だけではどうにもならないこともありますので、赤ちゃんのためにも、チャイルドシートをつけられる環境の方はしっかりつけることをお忘れなく。
まとめ
チャイルドシートは、赤ちゃんの月齢にあったものがさまざまなメーカーから出ています。できるだけ長く使えるものがいいなと思う方もいらっしゃるでしょう。しかし長く使えるものは、新生児の頃の座席の傾きが急すぎたり簡単な作りになっていたりして、すべてをカバーしきれないものもあります。
確かに成長に合わせて毎回買い替えるのは痛い出費になりますが、お子さんをしっかり守ってくれるものを選ぶことが大切です。新生児期から小学校に上がるくらいまで長いですが、その都度お子さんにあったチャイルドシートを使いようにしましょう。