授乳中、ほとんどのおかあさんが経験するおっぱいの悩みやトラブルがあります。
おっぱいが張ったり、傷ついたり、出にくくなったり症状は人それぞれです。
そんなトラブルのなかのひとつ、『母乳分泌過多』についてお話していきます。
母乳がたくさん出るのは嬉しいけれど、張りや痛みがつらい、赤ちゃんがむせてしまう…そんな悩みを抱えているお母さん。
それは「母乳分泌過多」かもしれません。
この記事では、母乳分泌過多の原因や、お母さん・赤ちゃんへのリスク、具体的な対策、そして改善しない場合の対処法まで詳しく解説します。
母乳育児をスムーズに進めるためのヒントを見つけて、楽しい育児ライフを送りましょう。
目次
母乳分泌過多とは
母乳分泌過多とは赤ちゃんが飲む量よりも多く、母乳が作られてしまうことです。
産後日数が経つにつれ、赤ちゃんの飲む量に合わせて母乳が作られていくのが理想ですが、授乳方法や搾乳のしすぎ、体質などで母乳が作られすぎることがあります。
おっぱいが張ったままの授乳や、母乳が飲み取られずに溜まったままの状態になると、乳腺炎などのトラブルに繋がりやすくなります。
また、母乳の量が多すぎると、赤ちゃんもむせたり、吐いたりしてしまうのでよくありません。
母乳分泌過多の原因
母乳分泌過多の原因もいくつかあります。原因を知ることで、少しずつできることから改善していきましょう。
乳腺が発達している
母乳分泌過多の一番の原因は乳腺が発達しすぎていることだと考えられます。
乳腺の発達を促したり、おさえたりするホルモンがはたらき合うなかで、発達を促すオキシトシンというホルモンの分泌が多いときにおこります。この乳腺の発達には個人差がみられます。
搾乳しすぎている
母乳は赤ちゃんが飲んだ分だけ新しく作られるようになっています。
赤ちゃんが飲んだ量よりも搾乳すると、余分な母乳の量をつくってしまい、母乳分泌過多につながる可能性があります。
おっぱいが張って痛いからといって、飲んだ量以上に絞りすぎないよう注意が必要です。
赤ちゃんがおっぱいをうまく吸えない
赤ちゃんはまだ初めの頃はミルクがうまく吸えないことがよくあります。そのために母乳がたまって、張って痛くなることも原因のひとつです。
高プロラクチン血症
高プロラクチン血症とは、脳の真下にある脳下垂体から分泌されるプロラクチンというホルモンの影響によって、母乳の働きを促します。そのホルモンの分泌が多すぎると母乳分泌過多になることがあります。
母乳分泌過多の母子へのリスクとは
母乳分泌過多になると、おかあさんにも赤ちゃんにも影響が出てきます。
おかあさん側のリスクとして、母乳がつくりすぎられると、おっぱいが張ったり、乳汁うっ滞がおこって乳腺炎になる可能性が高くなります。
乳腺炎は繰り返しおこることや、重症化しやすいために早く対処することが大切です。
このページの最後に、乳腺炎の記事を貼っておきますのでよかったら参考にみてくださいね。
赤ちゃん側のリスクとしては、母乳が多すぎると飲み過ぎたり、勢いよく母乳が出ることによってむせたり、吐いたりしてしまうことがあります。
また勢いよく飲むことによって、お腹にガスがたまったり、満腹感が得られずにさらにほしがったりすることもあります。
おかあさん、赤ちゃんともに不快感のあるまま日常を過ごすのは辛いものです。できる限りの対策をしていきましょう。
できる対策をしていきましょう
- ○おっぱいの圧をぬいたり、軽くマッサージしたりする。
- ○赤ちゃんがおっぱいを吸えているか確認したり姿勢を見直したりする。
- ○授乳量以上に搾乳しすぎないように注意する。
- ○母乳が出すぎる場合は、ゆっくりと冷やす。
改善されない場合は医師に相談しましょう
原因を知って対策をしても、治らない場合はかかりつけ医に相談したり、受診したりするようにしましょう。
何らかの疾患があったり、治療が必要な場合もあります。なかなか自分で判断して対処していくのは難しいこともあるので、抱え込まずに相談するようにしてくださいね。