「臍帯血」という言葉を聞いたことはありますか?
出産時にしか採取できない貴重な血液で、将来の病気治療に役立つ可能性を秘めています。
この記事では、臍帯血の基礎知識から、採取・保管のメリット、公的・民間の臍帯血バンクの違いまで詳しく解説します。
臍帯血について正しく理解し、お子さんの未来への贈り物を検討してみませんか?
目次
臍帯血(さい帯血)とは?
妊娠してから、へその緒で赤ちゃんとお母さんは結ばれていますよね。そのへその緒のことを「臍帯(さい帯)」といい、そこを流れる血液のことを「臍帯血(さい帯血)」といいます。
臍帯血(さい帯血)には多くの幹細胞が含まれています。幹細胞とは、体の様々な組織や臓器のもとになる細胞のことで、血液の成分や臓器、神経などの身体のもととなるとても大事な役割をしています。
では、その臍帯血(さい帯血)はどんな時に役立つのか?、臍帯血(さい帯血)バンクや臍帯血の採取・保管の仕方についてお話していきます。
臍帯血(さい帯血)はどんなときに役立つの?
臍帯血は人工的につくれるものではありません。
臍帯血は万が一、赤ちゃんが白血病や脳性麻痺になったときの治療だけでなく、最近では自閉症や小児難聴などの神経障害の治療にも、臍帯血を利用して治療ができるようになってきています。
臍帯血(さい帯血)の採取・保管について
臍帯血を採取・保管できるタイミングは一生に一度、出産時にしかありません。時間がたってしまうと採取することができなくなってしまいます。
そのため、さい帯血の採取を希望される際には、出産前から情報を知り、さい帯血を採取できる産院を探したり、心準備をしておくといいですね。パートナーやご家族の方とも相談しながら進めてくださいね。
臍帯血の採取の方法
臍帯血の採取は、わずか5分程度で終わります。また、胎盤やへその緒に残った血を採取するだけなので、お母さん、赤ちゃんともに痛みを感じたり、負担になることはありません。さい帯血を採取するにあたっての危険性は特にないので、その面では安心です。
臍帯血(さい帯血)バンクとは
臍帯血(さい帯血)バンクとは、妊婦さんから提供されたさい帯血を、患者さんの移植に使えるようにするための調製・保存・検査と、病院への引き渡す仕組みおよびその業務を担う公的機関のことを指します。
さい帯血は、体重や症状などによって、適正なものがかわってくるために、多くのさい帯血が必要になってきます。それらのさい帯血を保存するサービスのことをさい帯血バンクといいます。
さい帯血バンクにはそれぞれ、
①公的なもの
②民間のもの
があります。
公的なものは骨髄バンクのようなもので、民間のものは自分や家族のために備えておくものになります。
公的なもの
公的さい帯血バンクは、無償で提供したさい帯血を白血病などの病気で移植を必要とする患者さんのために保管する機関です。
臍帯血の採取、調製、保存を行うとともに、患者さんが移植を希望した場合には、その患者さんが移植を受ける医療機関へ臍帯血を引き渡す業務を行っています。
ドナー(提供者)から採取したさい帯血を公的さい帯血バンクで保存し、白血球の型(HLA)が一致する患者さんがいれば、移植を行います。
全国に6つのさい帯血バンクがあります。
民間的なもの
民間さい帯血バンクは、本人や家族が将来なんらかの治療に使う可能性を想定して、保管費用を払って保管する事業者です。現在、民間さい帯血バンクの事業の届出を行っているのは、株式会社ステムセル研究所と株式会社アイルの2社です。
さいごに
臍帯血(さい帯血)は出産時に、一生に一度しかとることができない貴重なものです。
赤ちゃんのために、ご家族のために、一度家族で話し合ってみるのもいいかもしれません。臍帯血採取ができる産院や費用についても様々ですので臍帯血について気になったらまた調べてみてくださいね。