妊娠中期は、初期と比較するとさまざまな症状が落ち着いてきて、ママさんも少しホッとする時期ですね。しかし「お腹の張り」は、妊娠中期になっても発生し、ときにママさんを不安にさせることもあるのではないでしょうか?
ここでは、妊娠中期のお腹の張りがどんな感じなのかについて解説します。お腹の張りが気になるママさんはぜひ読んで参考にしてくださいね。
目次
妊娠中期のお腹の張りはどんな感じ?
「妊娠中期のお腹の張り」に限った話ではありませんが、人が感じる感覚や症状を言葉で言い表すとなると、
「痛い、というよりも腹壁が硬くなる感じだった」
「へその下辺りが特にカチカチになった」
「バレーボールくらいの堅さになる」
「お腹全体が周りから凍って硬くなっていくような感覚」
「子宮がキューっと堅くなって、触ると子宮の形がわかる」
いろんな表現がありますが、実際に妊娠中期を迎えると「ああ、そういうことか」と納得する表現もあると思います。いずれにしても「堅くなる感じ」「痛みを伴うことがある」といった表現をするママさんが多く、実際にそういった感覚を感じることになるであろうことは推測できるでしょう。
妊娠中期にお腹の張りを感じる原因は?
妊娠中期にお腹の張りを感じる原因はさまざまですが、主に以下のような原因でお腹の張りをもたらしているものだと考えられます。
お腹を締め付けている
ママさんの中には、お腹と、下着・ボトムのサイズが合っていないことがあります。ママさんのお腹は毎日少しずつ大きくなっていきますが、「意外とまだ履けるかも?」と思ってしまい、妊娠中の身体に合っていないサイズの服を着てしまっている場合も珍しくありません。
お腹のサイズ的にきついものを身に着けていると、お腹を締め付けるだけでなく、擦れて傷になってしまうこともあります。ママさんのお腹はあっという間に大きくなるので、先を見据えた早めの衣類対策が必要なんです。ゆったり目を心がけて!
乳首マッサージによる影響
妊娠週数が経つにつれて、ママさんの中には「母乳」のようなものが出る方もいらっしゃいます。その際に母乳のつまりを予防するため、マッサージによって乳首のお手入れをすることがあります。
また、出産前の母親学級などで「乳首マッサージ」に関する話も出てくるでしょう。これ自体は決して悪いことではないのですが、乳首への刺激は強くなりすぎないように注意する必要があるんです。
乳首を刺激し過ぎてしまうと、ママさんの体の中では子宮収縮を促すホルモンを分泌しやすくなります。そのため、乳首マッサージの影響で子宮収縮が起こり、お腹が張ってしまうことも…。マッサージは適度に抑えて、やりすぎには要注意ですよ。
身体が冷えている
ママさんの体が冷えていると血流が悪くなってしまい、子宮も収縮してしまう可能性が高くなります。子宮の収縮はお腹の張りの直接的な原因になりますので、できるだけ体を冷やさないようにしましょう。
冬場はもちろん、夏場も自宅や買い物先などでクーラーが効きすぎていて、寒さを感じることもありますよね。いつでもサッと羽織れるようなカーディガンを持ち歩くといつでも寒さ対策できて安心ですよ。
疲労やストレスの影響
ママさんが日中に動き回ったり、運動して疲れが溜まると、お腹が張りやすくなります。疲れはなかなか自分では気づかないものであり、ママさんによっては立っているだけ・歩いているだけでも疲れてお腹が張るという方もいるくらいなんです。
妊娠中は、ただでさえ体や心の変化についていくのが大変なものですよね。それに加えてママさんは普段の仕事や家事もしている方もおられますので、行動による疲労でお腹の張りを感じやすくなります。妊娠中も家事や仕事があるとは思いますが、できるだけ無理をしないように注意してくださいね。
また、ママさんは出産を控えている身ですから、どうしてもストレスを溜めやすい状態です。ストレスは自律神経を刺激して血行にも影響しますので、子宮収縮を招いてお腹の張りをもたらす可能性があります。リラックスを心がけて、ストレスを溜めこまないようにしてくださいね。
性行為の影響
妊娠中に性行為をやっても大丈夫なのか気になるママさんは少なくありませんが、普段の生活や妊婦健診などで問題がなければ妊娠中でも性行為は可能なんです。ですが、あらゆる箇所に刺激が出るため、お腹が張ってしまうこともあります。
お腹の中には赤ちゃんもいるので、赤ちゃんがびっくりしないためにも性行為はゆっくり行うのが良いでしょう。パートナーはこの件に関しては気づきにくいため、きちんと説明して理解してもらうようにしてくださいね。
便秘の影響
妊娠すると、ママさんは便秘がちになるんですが、便秘の影響によってお腹の張りを引き起こすことがあります。また、溜まったガスでお腹がパンパンになったり、尿がたまってもお腹の張りを感じることがあります。
妊娠中は子宮が膀胱を圧迫することで頻尿になりがちで、排尿後にお腹の張りを感じるママさんも少なくありません。冷えに注意しつつ、適度に水分補給を行い、便秘対策を行ってくださいね。
赤ちゃんの胎動
妊娠中期に入ると、子宮が大きくなって羊水量も増えて、お腹の中の赤ちゃんは活発に動くようになります。要するに「胎動」ですが、お腹の中の赤ちゃんが動くことによってお腹の張りを感じるケースもあります。
胎動は赤ちゃんの成長の証拠なので、ご両親にとってうれしいことではありますよね。けれど胎動はお腹の張りだけでなく、夜間にもお構いなしに動く場合には目が覚めてしまう場合も。元気に動いている証拠と思って、ここに限っては受け入れるしかないのでしょう(泣笑)
妊娠中期にお腹が張りやすい人は?
妊娠中期にお腹が張ることの大半は、基本的に問題ないことではあるんですが、ママさんによっては「お腹が張りやすい特徴を有している」ってこともあるんです。
真面目で頑張り屋さん
お腹の張りは疲労によっても起こるため、頑張りすぎる方はお腹が張りやすい傾向にあります。疲れていても「このぐらいなら大丈夫だろう」と思って無理をすると、ご自身が思っている以上に身体は疲労を感じてしまうものなんです。
必要以上に頑張りすぎる方は筋肉が緊張状態になってしまい、子宮の収縮が活発になってしまってお腹の張りを感じる可能性があります。妊娠中という時期を考慮して、あまり無理をしないように注意してくださいね。
デスクワーク多めで運動不足の人
デスクワークや在宅でのお仕事をされているママさんは、座りっぱなしのことが多いことによって血流が悪くなってしまいます。安定期に入って体調が良くなってからも、適度な運動をしていないと血の巡りが悪くなってしまい、お腹の張りにつながってしまうんです。
仕事上、どうしても同じ姿勢で作業が長引く場合には、少し立ったり歩いたりするだけでもだいぶ違います。職場の方にご理解をいただき、適度に休憩できる体制を確立してもらうと、気兼ねなくお腹の張り対策を講じることができるでしょう。
ストレスを溜めやすい繊細さん
肉体の疲労だけでなく、精神的なストレスもまたお腹の張りの原因になる可能性があります。そのため、日常的にストレスを溜めこみやすいママさんの場合だと、ストレスを原因としたお腹の張りを感じやすくなるでしょう。
ストレスを溜め過ぎてしまうと、お腹の張り以外にも不眠などさまざまな弊害の原因になります。適度にストレスを発散できるようにして、慢性的にストレスを溜めこまないようにしましょうね。
妊娠中期にお腹の張りを感じたときの対処法
お腹の張りを感じる際には、不快な症状であると感じるママさんもおられますので、できるだけ早くラクな状態に戻したいと思うでしょう。そこで、お腹の張りを感じた際の適切な対処法について解説します。お腹の張りに悩んでいるママさんはぜひお試しくださいね。
張りを感じたらすぐに休む
お腹の張り対策の基本は「張りを感じたらすぐに休めるようにする」ことです。危険性のないお腹の張りの場合、横になるなどして休めばしばらくすれば張りは治まります。外出中など、休める場所が限られている場合は座れる場所を見つけて、すぐに休むようにしてくださいね。
仕事中の場合だと、さらに休憩が難しいケースも少なくありません。職場の方にご理解をしてもらい、お腹の張りを感じたら休憩して安静にできるようにしておくと、仕事中のお腹の張りにも適切に対処することができるでしょう。
食生活を改善する
妊娠中期のお腹の張り対策として「食生活の改善」も効果的なんです。前述のとおり、妊娠中は便秘になるママさんが多いため、便やガスがお腹に溜まってしまうことでお腹が張ります。
妊娠中の便秘解消のためには、食事中はもちろん、日中にもこまめに水分を取って、食物繊維を多めに摂取するように心掛けてくださいね。水分と食物繊維で腸内環境が改善されれば、お通じも良くなって便秘が解消され、お腹の張りも解消されるでしょう。
お腹を締め付けない
妊娠中期のお腹の張り対策として「お腹を締めつけ過ぎない」ことも重要ですよ。妊娠中期になると腹帯をお腹に巻くママさんもいらっしゃるでしょうけれど、その際にきつく締めすぎている可能性があるのでお腹が大きくなるにつれて調整してくださいね。
また、お腹のサイズアップによって下着やボトムのサイズが合っていない場合もありますので、お腹が大きくなることを見据えて下着やボトムはマタニティ用のものを準備しておくと良いでしょう。
リラックスする時間を作る
妊娠中期のお腹の張り対策として「リラックス」は重要なことなんです。妊娠中期とは言え、ママさんには家事や仕事があるのは仕方のないことですよね。ですが、そんな中でもリラックスできる時間を作ることが重要なんです。
お腹の張りが出た場合、少し横になったりお茶を飲んで体をリラックスさせて、お腹も温めることでお腹の張りが軽減されます。「妊娠中でも、妊娠前のようにしっかりやりたい!」という気持ちがあるママさんも少なくありませんが、妊娠中は普段とは違う状況であることを念頭に置いて、肩の力を抜いてリラックスしてくださいね。
病院に受診するべきお腹の張り
出血が見られる
お腹の張りに加えて出血がある場合は、非常に危険です。出血量が多い場合、とくに鮮血が出ている場合には「切迫早産」や「胎盤異常」などの状況が考えられます。発症している症状を病院に連絡して相談し、早めに医師の診察を受けて適切な治療を受けてください。
張りが長く続く
横になって安静にしていても張りが強くなる場合や、一定間隔で張りがある場合は、ママさんの身体に何らかのトラブルが起きている可能性があります。たとえば長時間同じ姿勢でいたり、疲れやストレスが溜まっていたりすることで血流が悪くなると、お腹の張りが長引く可能性が高まるんです。念のため医師に相談して、適切な対処を実施してください。
下腹部に激しい痛みを伴う
下腹部を中心に、張りだけでなく腹部に激しい痛みを伴う場合も、切迫早産の可能性が考えられます。早急に病院に連絡して診察の予約を入れて、適切な治療を受けてください。腹痛については以下の記事でも言及していますので、こちらの記事も御覧になってみてください。
- 妊娠中期のお腹の張り|どんな感じ?症状や頻度、夜に起こる原因とは
https://cuseberry.com/blog/maternity-trouble/
まとめ
妊娠中期は体調が落ち着く時期と思いたいところではありますが、お腹の張りはどうしても起こり得るものですよね。お腹の張りは普段の生活から気をつけられることもたくさんあります。
お腹が張るときには、無理をせず体を十分に休めるようにしてくださいね。