妊娠中の「安定期」って、いつからいつまで?どんなことに気をつければいいの?と疑問に思っている妊婦さんも多いのではないでしょうか。
安定期とは、一般的に妊娠5ヶ月頃から始まり、つわりなどの症状が落ち着き、ママと赤ちゃんが安定してくる時期を指します。この時期は、比較的体調が安定し、活動もしやすくなるため、マタニティライフを楽しめる時期でもあります。
しかし、安定期だからといって油断は禁物。この記事では、安定期の定義や時期、起こる体の変化、そして注意すべきことややっておきたいことまで詳しく解説します。
「安定期って具体的にいつから?」「安定期にやっておきたいことは?」など、疑問や不安を抱えている方は、ぜひ参考にしてください。この記事を読むことで、安定期を安心して過ごし、出産に向けての準備を進めることができるはずです。
目次
安定期とは?
安定期とは、初期流産のリスクが減り、妊娠初期の不安定な体調やつわりの症状が落ち着いてきて、母子ともに安定してくる時期をさします。
妊娠中の早期流産のリスクが減るため、安定期と呼ばれています。
安定期はいつから?
一般的には、安定期は、16週頃(妊娠5カ月)からとみなされています。しかし、医学的に使われている用語ではないため、正確に「安定期はいつ」と定言はできません。この頃には胎盤が完成し、つわりによる吐き気や眠気などがおさまってくるため、身体的にも精神的にも少し落ち着いてくるのです。
しかし、あくまでこれは目安なので、個人差があります。「安定期に入ったら体調も落ち着くと思ったのにつわりが続いている」「自分はまだ安定期じゃない?」と不安になる方もいるでしょう。しかし、みんながみんな同じタイミングで安定期に入るわけではないので、あまり気にしないようにしてくださいね。
安定期までに気を付けるべきこと
安定期まではご自分の体もお腹の中の赤ちゃんも不安定な時期なので、注意が必要です。主に気を付けたほうがいいことを以下にまとめてみました。
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上記は一部ですが、安定期に入るまでは制限されることも多く、ストレスを感じてしまうかもしれません。気をつけなければいけないことも多いですが、ご自分がリラックスした気持ちになれる時間を作ることも大切です。
安定期に起こる変化
安定期に入ると、ママや赤ちゃんの体に変化が見られます。妊娠初期の頃よりも、より赤ちゃんを感じるようになりますし、自分でも体調の変化に気づくのではないでしょうか。ここでは、安定期に入ってからの母体の変化や、お腹の中の赤ちゃんがどれだけ成長するのか見ていきます。
安定期の母体の変化・お腹の大きさ
安定期に入ると、つわりもおさまりはじめ、体を動かすのがだいぶ楽になるという方も多いようです。また、妊娠初期ではそれほど分からなかったお腹も目立つようになってきます。ポコッポコッと小さく何かが動いているのを感じることも。これが胎動です。
最初は分かりづらいかもしれませんが、徐々に赤ちゃんの動きも大きくなり、力強く蹴ったり、ぐるんと回ったりします。あまりに激しく動くので、夜眠れなかったという話も聞くほどです。
さらに、この頃から乳腺の発達によってバストが大きくなり始めます。今までのブラがきつくなってくるので、妊婦用や授乳期にも使えるようなブラに替えると楽になりますよ。
また、早い方だと、母乳のようなものが出ることも。その場合は、無理に押して出そうとしたり、そのままにしたりせず、コットンやガーゼでふき取って常に清潔に保つようにしましょう。
母体の変化の特徴 |
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安定期の胎児の変化
安定期のお母さんにはかなり大きな変化が見られますが、お腹の中の赤ちゃんも大きく成長していきます。体重は約100gを超え、19週目頃になると、330gほどに。
このころから羊水も飲むようになり、指しゃぶりをする様子が見られることもあるといいます。手や足、内臓も発達し、全身の産毛も生えてくるので、毎回毎回、赤ちゃんがより人っぽくなっていく様子がエコーを通して見られるのです。
また、母体の変化でも触れましたが、赤ちゃんが活発に動くようになるのもこのころです。常に同じ体勢で動き回るのではなく、上下左右自由に動き回るので、検診の時に逆さになっていることも。
しかしこれはずっとこの位置にいるわけではないので、この時点で逆子だと心配になる必要はありません。元気に動き回っているのは順調に育っている証拠でもあるので、毎回の検診で、赤ちゃんの様子をしっかり見守っていきましょう。
胎児の変化 |
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安定期の過ごし方
安定期に入ったら妊娠初期のころに比べるとできることも増えますが、だからこそ気を引き締めたほうがいい部分もあります。ここでは、安定期の過ごし方のポイントを紹介していくので、参考になさってください。
規則正しい生活を送る
妊娠初期につわりで辛かったという方は特に、思うように体が動かなかったり、精神的に安定しなかったりして1日1日を過ごすのがやっとという時期もあったかもしれません。
安定期に入って体調がよくなってきた場合は、なるべく規則正しい生活を心がけるようにしましょう。睡眠不足やお菓子の食べ過ぎはご自分の体や赤ちゃんにもよくないので、出産時やその後の生活にも影響が出ないように生活リズムを整えておくことが大切です。
バランスのいい食事をとる
それまでつわりでしっかりと食事ができなかった人も、この頃から普通にご飯が食べられるようになる方も多いのではないでしょうか。その際は、肉類ばかり食べるのではなく、野菜や豆類、果物などを積極的に摂りましょう。
ご自分が食べたものはすべて赤ちゃんの栄養となるので、食べるものには注意しカロリーも気にしつつ、食事を楽しんでください。
適度な運動
妊娠初期の頃はできるだけ体に負担をかけないようにすることが大切でしたが、安定期に入ったら、適度に運動しましょう。出産には体力もいりますし、むくみや腰痛予防、体重が増えすぎないためにもできることから始めてみてください。
おすすめの運動 |
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上記のように、ゆっくりできるものがおすすめです。腰をひねったり、バランスが取れない動きのあるものだったりあまりにハードな運動は、切迫早産の危険もあるため、控えておくのがいいでしょう。
同じように妊娠中の方たちが集まって一緒にできる教室もあるので、お友だち作りもかねて行ってみるのもいいですね。
安定期に注意すべきこと
安定期に入ったからといって安心しきってはいけません。妊娠中は何が起こるか分からないので、気を張りすぎるのはよくありませんが、注意することは必要です。ここでは、安定期に注意するべきポイントについて紹介していきます。
切迫早産~注意が必要なお腹の張り~
安定期に入ると、お腹の張りを感じることがあります。それはお腹の中で赤ちゃんが蹴ったり動いたりすることで張っていると感じるのとは別物です。子宮自体が引っ張られている感覚であったり、足の付け根あたりの靱帯が伸びて突っ張る感じがあったり。
赤ちゃんが大きくなるにつれて、子宮も大きくなり、お腹の皮膚も引っ張られて伸びていくので、かなりパンパンになってきます。お腹が張るのはこういう理由から起こりますが、注意が必要なものもあるのです。
注意が必要なお腹の張り |
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このような場合は、切迫早産の可能性もありますので、気になるお腹の張りや違和感を感じたらすぐに病院へ行きましょう。
食べ過ぎ
つわりがおさまってくると、ご飯が食べられるようになったことがうれしくて、ついつい食べ過ぎてしまうこともあるかと思います。しかしご飯の食べ過ぎは禁物です。体重が増えすぎると、高血圧や糖尿病を引き起こしてしまったりする可能性も。
高血圧や糖尿病になってしまうと、いつもの検診に加えてこれらの治療もしなければなりません。食事制限や検査もしなければいけないため、余計な出費と労力が必要となります。
ご自分の負担が明かなり大きくなってしまうので、食欲が出てきてもほどほどにし、量を考えて食べるように心がけてください。
つわりのぶり返し
やっとつわりが終わったと思っても、まれにぶり返してしまうこともあります。体調が悪くなってしまったのかもと心配になってしまうかもしれません。しかしこれは多くの場合、お腹が大きくなったことで胃が圧迫されて起きるものです。
そのため、せっかく食事が思うように食べられるようになっても、一度に普通の量を食べると吐き気がしたり、実際に吐いてしまうこともあります。この場合は、妊娠初期の頃と同じように、一度の食事の量を減らして、こまめに食べることで、胃への違和感が軽減されます。
眠気や疲れも出てくる方もいますが、その際は無理せずゆっくり休んでください。妊娠生活はまだまだ続くので、楽な態勢でゆったりできる時間を作るといいですよ。
安定期にやっておきたいこと
安定期に入ると、それまでできなかったことをこの機会にやりたいという方もいるのではないでしょうか。妊娠後期に入ると今度はお腹が大きくなりすぎてやりたかったことができなくなってしまうことも。ここでは、安定期に入ったらやっておきたいことを紹介していきます。
安産祈願
日本には昔から、妊娠5か月目の戌の日にお腹に腹帯を巻いて安産祈願を行うという風習があります。犬は一度にたくさん子犬を産むことから安産の守り神とされていて、戌の日にお参りをすると縁起がいいといわれています。
しかし妊娠中は体調の変化も当たり前に起こることなので、必ずしも戌の日でなくても大丈夫です。ご自分の体調やご都合に合わせて安産祈願を済ませましょう。
ベビー用品をそろえる
そろそろ赤ちゃんの性別も分かるころだと思うので、ベビー用品の買い出しも始めたいところです。育児本はとても参考になりますが、その通りに買いに行くと、こんなにいらなかったなと後悔することも。
意外と周りの先輩ママなどに聞いてみたほうが、お得な情報を手に入れやすいこともあるので、直接聞けるのであれば、買ってよかったものやいらなかったもののアドバイスをもらうのがおすすめです。
両親学級
地域によって参加できる時期に違いがあるかと思いますが、安定期に入って体調が落ち着いたら両親学級や母親(父親)学級に参加してみるといいでしょう。出産に向けての心構えや出産後の赤ちゃんとの接し方など丁寧に教えてくれます。
同じころに出産を控えた他の妊婦さんとも交流できる場なので、何か悩みや不安があったら共有してみるのもいいでしょう。
虫歯の治療
妊娠中はつわりなどで歯磨きができず、虫歯が増える人が多く見られます。もし歯が痛いなどの症状がある場合は、早めに治療に行きましょう。先延ばしにすると出産までに治療が終わらなかったり、出産後はしばらく治療に行く時間を作ることができなかったりします。
安定期に入った頃が一番のチャンスなので、少しでも痛みがある場合は早めに歯医者さんで治療してもらいましょう。
妊娠の報告はいつする?
妊娠が分かった時に悩むことの1つとして挙げられるのが、周囲への報告ではないでしょうか。お互いの両親には、妊娠が分かって少し経ってから安定期に入るまでの間に報告するという方が多いようです。
しかし働いている方は、つわりが始まって体調も不安定になることも予想されるため、早めに報告するという方もいて、そのタイミングはさまざまです。
体調に不安がない方は安定期に入ってからの報告でも問題はないと思いますが、もし働いている方で体調が悪い日が続く場合は、早めに会社に報告したほうがいいかもしれません。
何も言わなかったことで業務に支障が出てしまう場合、お互いに気まずい思いをしてしまいますし、先に分かっていればフォロー体制も整いやすいでしょう。
妊娠の報告は自分にとっても相手にとってもデリケートなことなので、ご自分の体調や周囲の人との関係性によってタイミングを見るようにしましょう。
まとめ
安定期は、ご自分の体調が落ち着いてそれまでよりも自由が効いたり、赤ちゃんの成長を肌身で感じられるようになったりとうれしいことがたくさんあります。しかし、安定期とはいえ、出産が無事に終わるまでは油断は禁物です。
妊娠初期のつわりで苦しんでいる方も、安定期に入れば少しずつ楽になるでしょう。とはいえ、また今までとは違う体の変化も現れるので、戸惑うこともあるかもしれません。しかし、赤ちゃんが元気に成長している証拠でもあるので、リラックスした気持ちで過ごしてくださいね。