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【助産師監修】妊婦さんが飲んでいいカフェイン摂取量|発達障害の影響はある?

2022年9月21日

  • 記事の監修者

丸尾 伸之 先生

レディーバードクリニック 院長、淀川キリスト教病院 産婦人科 顧問

平成13年 大分医科大学卒業、神戸大学医学部附属病院で産婦人科勤務
平成20年 神戸大学大学院で医学博士取得、神戸赤十字病院で勤務
平成27年 淀川キリスト教病院 産婦人科部長
令和4年 大阪西天満でレディーバードクリニックを開業、淀川キリスト教病院 産婦人科顧問を兼任
監修者情報

妊婦さんが飲んでいいカフェイン摂取量は?発達障害になる影響があるの?

 

助産師ゆき
こんにちは!助産師ゆきです。

妊娠中は、お腹の中に赤ちゃんがいる状態であるため、妊婦さんは妊娠前よりもデリケートで生活の中でも注意することがたくさんありますよね。

例えば、食べ物や飲み物。ママさんの中には、

「1日1杯はコーヒーを飲まないと落ち着かない」

「カフェインがないと目が覚めない」

という方もおられるでしょう。

さて、コーヒーといえば「カフェイン」が入っていることは有名ですが、妊娠中のママさんがカフェインを摂取しても胎児に影響はないのでしょうか?

ここでは、妊娠中のママさんがカフェイン入り飲料を飲んでも問題ないのかについて解説していきますね✨

妊娠中はカフェインの過剰摂取に要注意!

妊娠中はカフェインの過剰摂取に要注意!

コーヒーや紅茶、緑茶など日常的な飲み物の多くに「カフェイン」が含まれていますが、妊娠中のママさんはカフェインの接種を控えめにしましょう。

助産師ゆき
妊娠中のカフェインの影響は以下の記事でもとりあげていますので、こちらもご覧になってみてください。
  • 妊娠~授乳中の安全なカフェイン量|過剰摂取のいけない理由

https://cuseberry.com/blog/maternity-caffeine/

 

カフェインの作用

一般的に、カフェインを摂取することで体内では以下のような影響が発生していると考えられます。

 

    • ・中枢神経興奮作用:感覚受容や精神機能を高めて眠気や疲労を除去、運動機能を高める。
    • ・骨格筋に対する作用:疲労感を抑えて活動性を増大、骨格筋に直接作用して筋肉の収縮を増強する。
    • ・心臓に対する作用:心筋に直接作用して収縮力と拍出量を増加させる。
    • ・利尿作用:腎臓の血管を拡張させて腎臓への血流量が増加し、尿の生成を促す。
    • ・胃酸分泌の促進
    • ・基礎代謝の増加

一部、健康上にメリットがある効果もありますが、場合によっては生活の質を落とす影響も発生する可能性もあるのがカフェインなんです。

このことからも、妊娠中のママさんでなくてもカフェインとうまく付き合っていく必要があります。基本的に、これらの作用はカフェインの摂取量に比例して表れやすくなります。

 

たとえば「利尿作用」「胃酸分泌の促進」などはママの体に影響を与える可能性もありますよね。カフェイン入りのお茶などを常用している場合は、医師からカフェインの摂取を控えるように指示されるようなこともあります。

妊娠中のママさんへの影響

妊娠中のママさんは、カフェインを分解して排出するのに通常よりも時間がかかります。

とくに妊娠末期には代謝速度が通常の1/3まで低下してしまうため、ママさんの身体には長くカフェインの影響が残ることになるんですね☝️

 

先ほど、カフェインが及ぼす一般的な作用について解説しましたが、このうちいくつかは妊娠中のママさんにとって悪い影響となる作用も含まれています。

興奮作用

たとえば、「興奮作用」についてですが、カフェインの過剰摂取は交感神経を優位にしてママさんを興奮状態にします。

日中はそれでも問題ないケースが多いのですが、夜間は興奮作用により不眠や睡眠不足を招いてしまう恐れがあるんです。

利尿作用

次に「利尿作用」ですが、妊娠中は赤ちゃんへの血液供給のために多くの血液、それに伴って水分が必要になります。

カフェインの過剰摂取により利尿作用が活発になってしまうと水分吸収を阻害するだけでなく、妊娠中の症状の1つである「頻尿」の症状が悪化する可能性があるんです。

胃酸分泌の促進

さらには「胃酸分泌の促進」についても心配です。胃酸が過剰に分泌され過ぎてしまうと吐き気や嘔吐、下痢などの消化器官系の症状に苦しめられてしまう可能性があります。

カフェインを過剰に摂取してしまうとママさんにとってつらい症状がやってくる可能性があります。

お腹の中の赤ちゃんへの影響

カフェインは胎盤を通過して胎児に移行するため、ママさんと同じカフェインの血中濃度になります

胎児は肝臓の機能が未熟であるため、ママさんのようにカフェインを排泄できずに、胎児の体内には高濃度のカフェインが留まることになるんです。

 

赤ちゃんの流産・死産率については、カフェインの摂取量が1150mg(コーヒー1-2杯分)未満の妊婦さんに較べると、1日300mg(コーヒー3杯分)以上のカフェインを摂取するママさんの場合だと流産のリスクが2倍になるとされています。

また、コーヒーを18杯以上飲んでいる場合だと、死産のリスクを高めるという報告もあるのでやはり飲み過ぎには注意です😓

 

カフェインは、胎盤を流れる血液の量を減少させる可能性があり、胎児の発育との関連の有無については明確な結論がでていません。

このように、妊娠中のママさんがカフェインを過剰摂取することは、ママさんご自身だけでなく、お腹の中の赤ちゃんにも小さくない影響を与えることがわかります。

助産師ゆき
妊娠中は、カフェイン入りの飲料を控えめにした方が良いということですね。

妊娠中のカフェインは全く飲んではいけない、ということではないです!

妊娠中のカフェインは全く飲んではいけない、ということではない

とはいえ、食後のコーヒーや、おやつの時間の紅茶を楽しみにしているというママさんも多いですよね♪至福の時間♡

好きな飲み物を我慢するということはストレスの原因になり、ママさんの健康にとって良くない影響を与えることも現実です。

WHO(世界保健機関)によると、妊娠中のママさんはコーヒーであれば1日3〜4杯までなら摂取が可能とされています

とはいえ、母子への影響がありますし、カフェイン入りの飲料を飲み過ぎることで依存体質になってしまうと、自然と摂取量が増加してしまうリスクもあります。

妊娠中は、カフェイン入りの飲料の接種を控えめにしましょう。

どんな飲み物にどれだけカフェインが含まれている?

どんな飲み物にどれだけカフェインが含まれている?

飲み物の中にはカフェインが含まれているものが少なくありませんが、飲み物ごとにカフェインの含有量は大きく異なります。

(こんな飲み物にも?!と意外と含まれているものがあります💦)

    • ・コーヒー:100~150mg/杯
    • ・紅茶:75mg/杯
    • ・インスタント紅茶:30mg/杯
    • ・コーラ:40~60mg/瓶
    • ・ココア:10~20mg/杯
    • ・煎茶、ウーロン茶:40~50mg/杯

こうしてみると、カフェイン入り飲料の代名詞である「コーヒー」のカフェイン含有量は群を抜いていることがわかりますね!今までコーヒーを飲んでいたママさんは、カフェインの少ない飲料に切り替えるか、ノンカフェインの飲料に切り替えるなどの対策をおすすめします。

6児ママよっちゃん
今では、ノンカフェインのコーヒーや、紅茶も豊富にあって、とても美味しく作られているのでおすすめですよ♪

 

妊娠前のカフェイン摂取は胎児に影響する?

妊娠前のカフェイン摂取は胎児に影響する?

ママさんの中には「妊娠前にコーヒーを飲んでいたから、赤ちゃんに影響するのでは?」と思われる方もおられるかもしれません。

この記事でも、カフェインが胎児に及ぼす影響についてお話ししていますので、余計に不安になってしまったママさんもおられるでしょう。

 

この点は安心していただきたいのですが、妊娠前に摂取していたカフェインは、基本的に妊娠中のママさんや赤ちゃんに影響することはありません。

カフェインというものは摂取後に排出されるため、いつまでもママさんの体内に残り続けるということはないんです。
そのため、妊娠してからカフェインの摂取量をコントロールしておけば、基本的にママさんや胎児に悪影響が及ぶ心配はないでしょう。

カフェイン入り飲料を完全にやめることのデメリットはある?

カフェイン入り飲料を完全にやめることのデメリットはある?

カフェインの摂取はできればママさんにとって控えるべきことではありますが、カフェインを全く摂らないということも問題が起こるといった可能性はあります。

 

ストレスが溜まる

カフェイン断ちをすると、ママさんによっては大きなストレスの原因になることもあります。(コーヒー好きにはわかります!!)

コーヒーや紅茶などに限った話ではありませんが、「好きなものを我慢する」ことって、大きなストレスになることがありますよね。

妊娠中のストレスはママさんと赤ちゃんの健康にとって大きなマイナスになりますので、できるだけそれは避けたいところ。

いくらママさんや赤ちゃんのためとはいえ、全くカフェインなしの生活に切り替えるよりも、摂取量をコントロールすることで、健康とストレスのバランスを上手に保つことのほうが良いでしょう。

飲み物の選択肢が少なくなる

カフェイン断ちをすると、必然的にママさんが飲むことができる飲み物の選択肢が狭まってしまいます。飲み物に含まれるカフェインでお話しした通り、多くの飲み物にはカフェインが含まれています。ノンカフェインの飲み物だけにしようとすると、必然的に飲めるものの選択肢が少なくなってしまうんです。

それならば、カフェインが多少なり入っているとしても、ママさん自身がカフェインの摂取量をきちんとコントロールすることによって、飲める飲み物の選択肢を無駄に減らさないで済む方がメリットが多いでしょう。

カフェイン含有量が表示されている飲み物であれば、「1日200mg」を目安にして、カフェインの摂取量を上手にコントロールしてくださいね。

カフェインレス飲料もおすすめ✨

今では、ノンカフェイン、カフェインレスの美味しい飲み物も沢山増えましたね!

カフェインレスコーヒー、ルイボスティー、カフェインの少ないココアなど、コンビニでも簡単に手に入るようになっているのでぜひチェックしてみてくださいね♪

 

日中に眠くなる

カフェイン断ちをすると、日中に眠くなってしまうママさんも少なくありません。カフェインには「覚醒作用」があり、眠たくなった人が眠気対策としてコーヒーを飲む機会も多いです。

今までカフェインを日常的に飲んでいた人が急にカフェインを摂らなくなってしまうと、覚醒作用がなくなって日中に眠気に襲われる可能性があります。

 

運転中や車の多い道を歩くときなど、眠気に襲われると大事故につながっていまうという場面も少なくありません。

助産師ゆき
そのため、仮にカフェイン断ちをするのであれば徐々に摂取量を減らして体を慣れさせるようにしましょう!

妊娠中にカフェインをとらない方法の注意点

妊娠中にカフェインをとらない方法の注意点

最後に「カフェインをやめるための方法」について、注意するべきポイントを紹介します。

食べ過ぎない

カフェイン断ちのためにストレスが溜まって、食べ過ぎると、妊娠中の適正体重を超えてしまうリスクを高めます。

食べ過ぎは当然ながらカロリーオーバーとなり、体重の増加を招きます。妊娠中は自然と体重も増加するものですが、増えすぎはよくありません。

甘いものをとりすぎない

カフェインを断つためだからといって「甘いものに走る」ことも避けたいところです😱

甘いものを食べすぎると、血糖値が上昇します。適正値の範囲内であれば問題ありませんが、間食の機会が増えるなど甘いものを食べる機会が多くなると適正値を超えてしまい「妊娠糖尿病」のリスクを高めることになるんです。

確かに甘いものはストレス解消に役立つのでカフェイン断ちに役立つかもしれませんが、逆にママさんの健康を損なう結果になりかねません。

もちろん、甘いものも全く食べてはいけないということはないのですが、きちんと体重や血糖値のコントロールができる範囲に留めることは忘れないでくださいね。

一部のハーブティーに注意

カフェイン断ちのために「ハーブティー」を飲むことは悪いことではないんですが、一部のハーブティーには要注意なんです。ハーブティーは妊娠中でも問題なく楽しめるノンカフェイン飲料としておなじみですが、レモングラスやローズマリー、シナモンやジャスミンなど、一部の種類には子宮収縮作用があり、注意が必要です。

 

過剰な子宮収縮は妊婦さんにとって問題になるケースも少なくありません。

基本的に大量に飲まなければ問題はないのですが、これらに該当するハーブティーを購入する際には産婦人科医やハーブティーの専門店に相談して、妊娠中でも飲んで大丈夫かどうかを確認するようにしましょうね。

 

まとめ

妊娠中のカフェインの大量摂取は、ママさんやお腹の中の赤ちゃんにとってわるい影響を与えるケースもあります。

とはいえ、今まで飲んでたのに急にカフェイン断ちするとストレスになることもありますので、加減しながら減らしていくということがポイントです。

摂取量をコントロールしたり、ノンカフェインの飲料で代用するなど、工夫して妊娠中の生活を無事に送ってくださいね。

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  • この記事を書いた人

保育士とも

保育士資格
第二種幼稚園免許

昔から小さい子が大好きで、夢の保育士に!7年間、保育園で働いていました。
0歳児の担任をしたときに、赤ちゃんのコミュニケーション力や意志の強さに驚きました。子どものことについての発信がママさんのお役に立てると嬉しいです。世の中のママさんを心から尊敬しています。
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