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【産婦人科医監修】妊娠後期のおりものの特徴や要注意なおりものの特徴

2020年11月17日

  • 記事の監修者

丸尾 伸之 先生

レディーバードクリニック 院長

平成13年 大分医科大学卒業、神戸大学医学部附属病院で産婦人科勤務
平成20年 神戸大学大学院で医学博士取得、神戸赤十字病院で勤務
平成27年 淀川キリスト教病院 産婦人科部長
令和4年 大阪西天満でレディーバードクリニックを開業
監修者情報

妊娠中 おりもの 特徴

妊娠後期や臨月に近づくにつれ、「おりものの量が増えた」「色が変わった」など、変化を感じることはありませんか?

実は、妊娠後期や臨月にはおりものの量や状態が変化することが一般的です。しかし、中には注意が必要な変化もあります。

この記事では、妊娠後期・臨月のおりものの特徴や変化する理由、そして病院を受診すべきサインを詳しく解説します。

安心してマタニティライフを過ごすためにも、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。

妊娠後期・臨月のおりものの特徴

妊娠後期 おりもの特徴
妊娠前(特に生理の前後)のおりものに比べて妊娠後期・臨月のおりものの特徴として、以下のような特徴がみられます。

おりものの量が増える

エストロゲンという女性ホルモンが増加する影響で、妊娠後期・臨月にはおりものがかなり増加します。身体が出産の準備に備えている証拠です。

赤ちゃんが産道を通りやすくする潤滑剤としての役割を果たしますので、心配いりませんよ。

水っぽい

おりものの量がかなり増えることで、ナプキンがびしょびしょになるくらいの水っぽいおりものが出る場合があります

通常、おりものは多少粘り気がありますが、安静にしていても流れ出てきたり、粘り気がほとんどなくさらさらしているものが出てきたら破水の可能性もありますので、医療機関に相談してくださいね。

色が濃くなる

プロゲステロンという黄体ホルモンの影響で、白から黄白色におりものの色が濃くなる傾向があります。

濃い黄色や黄緑色のおりものが出る場合は、細菌感染を起こしている可能性がありますので受診してくださいね。

すっぱいにおいが強くなる

個人差がありますが、においがきつくなる場合もあります。正常なおりものは、少しすっぱいようなにおいがします

これは、子宮の中に雑菌が入るのを防ぐために、善玉菌である乳酸桿菌が腟の中を酸性に保っているためです。

腟内を健康に保つ大切な役割を担っているためのにおいですので、安心してくださいね。

ただし、魚の腐敗臭など、普段と違う不快なにおいがあるときは、嫌気性菌の感染が考えられますので、お医者さんに診てもらってください。

ドロっとしたゼリー状(スライム状)

臨月に入ると、どろっとしたスライム状におりものが変化することがあります。これは粘液栓(ねんえきせん)と言われ、子宮内の赤ちゃんを細菌から守るために子宮口の蓋の役割をしている、子宮頸管にある粘液の塊のことです。

出産が近づくと、おりものなどと混ざり、粘液栓(ねんえきせん)が外に出てくることがあります。お産が近いことを知らせるサイン(陣痛の前兆)の一つとも言われています。

特徴には個人差があるため、妊娠前とほとんどおりものの状態が変わらない人もいれば、大きな変化を感じる人も多いでしょう。またその日の体調やホルモンバランスの影響によって、おりものの状態がかわることもあります。

妊娠してからこのようにおりものが増えることは、生理的なものなので心配ありませんよ。通気性のいい下着を身につけたり、おりものシートをつかったりして常に清潔を保つようにしましょう。

妊娠後期・臨月におりものが変化する理由

女性ホルモン エストロゲンとプロゲステロン

では、なぜ妊娠中はおりものが変化していくのでしょうか?

妊娠中のおりもの量・質が変化する理由は、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量の増加するからです。

そもそも、おりものの量というのは、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量で変わってきます。エストロゲンは女性らしいからだ作りを助けるホルモンで、成長とともに分泌量が増え、生殖器官を発育、維持させる働きをもっています。肌を美しくしたりする作用もあるホルモンです。

エストロゲンの分泌量は妊娠週数と正比例して増加するので、妊娠後期にはおりものの分泌量も増加していくというわけです。臨月にはさらにおりものの量は増加し、今度は出産に備えて、赤ちゃんが産道を通りやすくする潤滑剤としての役割を果たしてくれるようになります。

また、個人差がありますが、妊娠後期・臨月になるとプロゲステロンの分泌に伴う変化で、おりものが濃い色(黄色~茶色)になりやすいです。痒みや痛みなどを伴わなければ、問題はありませんが、不安な場合はお医者さんに相談してくださいね。

ちなみに、プロゲステロンは妊娠を維持するために必要な女性ホルモンです。乳腺(にゅうせん)の発達や、体温を上昇させる働きもあります。妊娠するとエストロゲンは出産まで増加し続けますが、プロゲステロンは妊娠8~9カ月でピークを迎え、その後出産まで低下していきます。

 

こんなときは受診を

では正常ではないおりものとはどんなものでしょうか??

おりものが増えることに問題はありませんが、『いつもと違う、おりものの様子がおかしい・・・』と思ったときにはかかりつけ医に受診するようにしましょう。

特に、下記のような症状が出ている場合は、すぐに受診しましょう。

  • ・おりもののにおいが臭い(生臭い)、刺激臭がある
  • ・色がいつもと違い、黄色みが濃い、緑色っぽい
  • ・清潔な状態にしているにも関わらず、痒みがある
  • ・水気のない、ぼろぼろとした状態
  • ・糸を引くような粘り気がある
  • ・出血している

このようなときには医師に相談しましょう。おりものは身体の状態を教えてくれるひとつの手がかりにもなるんですね。

最後に

普段からおりものの様子をチェックしておくと、何らかの原因でおりものの状態が変化したときに、すぐ気づいて対処することができますよ。

デリケートゾーンを清潔に保つことと、お風呂では洗いすぎに注意したりやこすらないようにしたりして、優しくケアしてあげることを心がけてくださいね。

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  • この記事を書いた人

助産師ゆき

看護師免許
助産師免許
保健師免許

8年間助産師として勤務し、様々な妊産褥婦さんと関わり勉強させていただきました。
その後2020年に第1子を出産し、今までの経験を総動員して育児をしてみたものの上手くいかないことが多々あり、育児の難しさを身に染みて感じました。でもそれ以上に子供は可愛く大変さも吹き飛ぶ日々。現在は育休から復職し、育児の経験を踏まえ、専門的な知識だけではなく、生活で役に立つ情報を伝えられたらいいなと思います。どうぞよろしくお願いします!
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