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【産婦人科医監修】妊娠初期の腹痛や下痢の原因は?対処法も解説

2022年3月2日

  • 記事の監修者

丸尾 伸之 先生

レディーバードクリニック 院長

平成13年 大分医科大学卒業、神戸大学医学部附属病院で産婦人科勤務
平成20年 神戸大学大学院で医学博士取得、神戸赤十字病院で勤務
平成27年 淀川キリスト教病院 産婦人科部長
令和4年 大阪西天満でレディーバードクリニックを開業
監修者情報

妊娠初期に下痢になりやすい原因は?

6児ママよっちゃん
こんにちは。助産師ゆきです。

妊娠初期、下腹部痛や下痢に悩まされていませんか?「もしかして赤ちゃんに何かあったのかも…」と不安になりますよね。

妊娠初期は、ホルモンバランスの変化や冷えなどから、腹痛や下痢が起こりやすい時期です。多くの妊婦さんが経験する症状ですが、中には注意が必要な腹痛もあります。

この記事では、妊娠初期に起こる腹痛や下痢の原因、自宅でできる対処法、そして病院を受診すべきサインについて詳しく解説します。

「この腹痛は大丈夫?」「病院に行った方がいいのかな?」と不安な方は、ぜひこの記事を参考にしてください。正しい知識を身につけることで、安心して妊娠初期を過ごせるはずです。

妊娠初期は腹痛・下痢が起こりやすい時期なのです

まず初めに、妊娠初期に腹痛や下痢で不安になってしまうママさんに知ってほしいことがあります。それは、妊娠初期のこの時期は、体にはたくさんの変化が見られたり、体調を崩しやすかったりする時期です。
その一つに、下痢や腹痛があり、これらをほとんどのママさんが経験すると言われています。

しかし、腹痛や下痢だからといって、必ずしも危険とは限りませんので、安心してくださいね。腹痛にはどんな種類や原因があるのかについても見ていきましょう。

また、病院を受診するべき危険な腹痛もありますので、そちらもチェックしてみてください。

妊娠初期の腹痛の症状・原因は?

妊娠初期には、腹痛が起こりやすい時期ですが症状や原因も様々です。人によって痛みや原因が異なってきますので、一概には言えませんが参考程度に見てくださいね。

左右片側が引きつるような痛み

子宮が妊娠前に比べて、着床後、数週間でひと回り以上大きくなると言われています。子宮が大きくなると同時に、子宮を左右の足の付け根に支える靱帯が引っ張られて、立ち上がるときなどに左右片側が引き攣るような痛みが出ることがあります。

子宮が大きくなることは、出産への準備とも言えるので異常がないのですが、お腹の片側がチクチク痛むと心配ですよね。横になって、安静にて様子を見ましょう。

生理痛に似ている痛み

生理痛に似ている痛みは子宮が大きくなることによって子宮の筋肉が収縮して、下腹部に痛みを感じます。生理痛って下腹部がギューン、またはズーンという感じで痛むときがありますよね。

その感覚に少し似ているのです。
症状が痛みだけで、少し休んで治るようでしたら、様子を見ましょう。ですが、子宮の収縮が『切迫流産』の可能性や、赤ちゃんのSOSである可能性もあります。

出血があったり、ひどい痛みであったり、痛みが長引く場合はすぐに受診するようにしましょう。

下腹部がチクチクする痛み

これは、便秘やガスが溜まることによって、下腹部がチクチクしたような痛みを感じることがあります。

妊娠すると黄体ホルモンの影響によって、便秘になりやすくなります。便秘になると同時に、ガスが溜まりやすくなったり、膨満感を感じやすいことも一つの特徴でそれが腹痛となって感じることもしばしば・・。

症状が痛みだけで、少し休んで治るようでしたら、様子を見ましょう。そして、便秘の対策もしていくことが大切ですよ。

食物繊維の多い食事にする、ウォーキングなどの軽い運動をする、など便通を良くする対策が必須です。

どうしても治らない時には、便秘薬を処方されることもありますが、市販の薬には注意!必ず病院で「妊婦さんでも飲める薬」を選ぶようにしましょう。

妊娠初期に下痢になる原因は?

妊娠初期は、お腹がゆるく下痢になったり、下腹部がキリキリとした痛みを生じることがあります。妊娠初期に腹痛や下痢が起こりやすい原因として3つあげられます。

ホルモンバランスの影響

妊娠初期に下痢や腹痛が起こる原因のひとつに、ホルモンバランスの影響があげられます。妊娠すると、妊娠前に比べて大量の黄体ホルモンが分泌され、便秘しやすくなります。また、つわりなどの妊娠初期のストレスにともない、プロスタグランジンというホルモンが分泌されると、下痢を引き起こすことがあります。

身体が冷えてしまう

妊娠中は、むくみやすいことや運動不足など様々な理由から、血流が悪くなり、身体が冷えやすくなる特徴があります。もうひとつは食生活のバランスの乱れによるものです。つわりの時に普段の食事ができず、ゼリーやアイスクリーム、冷たいものを多く摂取することによって、身体が冷えてしまったり、脂っこいものの摂取によって消化不良で下痢を引き起こることもあります。

つわりの時は、どうしても思うように食べられないために、”食べられるものを食べる”ことも大切ですが、身体をあたためるような対策も必要になってきます。後の対処法でご紹介していきますね。

自律神経の乱れ

妊娠初期に下痢や腹痛を起こす原因に、自律神経の乱れの影響があります。妊娠すると、嬉しい気持ちはありながらも、身体が大きく変化することや、妊娠に対する戸惑いや不安、ストレスを感じてしまうこともありますよね。身体だけでなく、精神的なものが原因で下痢や腹痛などの不調を引き起こすこともあります。

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下痢やお腹がゆるい時の対処法とは

下痢やお腹がゆるい時の対処法とは

妊娠初期に下痢や腹痛が起こりやすい原因に対してどのように対処していくといいでしょうか。腹痛や下痢の症状が見られたときには、次のような対処やケアを試してみてくださいね。

内側と外側から身体をあたためる

妊娠中はホルモンバランスの影響や運動不足、食生活の乱れによって身体が冷えやすくなっています。身体の内側と外側、両方からアプローチして身体をあたためて冷え対策を行っていきましょう。

身体の内側からあたためる

  • ・常温、あたたかい飲み物を飲む
  • ・スープで栄養をとりながら身体をあたためる
  • ・適度なストレッチ、運動をする
  • ・体温を下げるカフェインや食べ物は控える

身体の外側からあたためる

  • ・腹巻きやカイロ等でお腹周り、腰をあたためる
  • ・締めつけないゆったりした服装を
  • ・冷房の温度を下げすぎない
  • ・一枚多く厚着をする
  • 無理をせず、横になる

腹痛や下痢など、体調の調子が悪いときは、一度横になってゆっくり休みましょう。ホルモンバランスの影響や、ストレスによって乱れてしまった自律神経を整えることも大切です。妊娠すると、睡眠の質が悪くなったり、代謝が落ちたりすることも特徴で思っているよりも身体が疲れています。横になったり、家事やお仕事を無理せず、十分に休息をとるようにしましょう。

食生活の見直しを

妊娠中、食生活の見直しを

妊娠中の身体の不調、下痢や腹痛が続くときには、食生活の見直しをすることも大切です。つわりが続いて、しんどいときには「食べられるものを食べておきましょう」と言われますが、長期間続くと、身体の不調も加速してしまいますよね。しんどいときには、無理せずに食べられるものを食べ、体調が落ち着いたとき、1日一食でも栄養バランスを考えた食事を意識してみることで、大きく体調も変わりますよ。

  • ・野菜スープを飲む
    (冷めたものでもいいです)
  • ・水分量の多い野菜、果物を摂取する
  • ・一回で食べ過ぎないよう、こまめに食事をする
  • ・簡単に調理できるレシピにしたり、デリバリーで栄養バランスの整ったものを注文する

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市販の薬、下剤を飲んでも良いの?

妊娠中、お腹がゆるく下痢になり腹痛がおこったとき、市販の薬を飲むときには注意が必要です。成分がきついものであれば、さらに身体の不調を招くこともあります。薬局にいる薬剤師さんに、妊婦が服用してもいい薬をたずねたり、心配な場合はかかりつけ医に相談したりすると安心ですね。不安なときは、病院で受診して処方される薬を飲むようにしましょう。

心配・・流産や早産の可能性はある?

妊娠中の体調不良で一番心配なのは、お腹のなかの赤ちゃんへ影響ではないでしょうか?妊娠初期に多い、流産や早産のリスクがないか気になりますよね。一般的に、便秘や下痢による腹痛や不調は、安静にして治る場合は赤ちゃんには直接影響がないといわれています。しかし、この不調が長引く場合は、おかあさんの身体が衰弱して赤ちゃんへの影響が出たり、また別の不調を引き起こす可能性がありますので、不調を改善していくことが大切です。

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こんな症状は危険!病院へ受診しましょう

妊娠初期に見られる、一時的な下痢や便秘による腹痛は安静にして様子を見ても大丈夫でしょう。しかし、次のような症状のときには、一度受診するようにしましょう。

  • ・急激な下腹部の痛みが続く
  • ・膣から出血がある(少量の場合も)
  • ・吐き気や嘔吐、発熱がある
  • ・貧血、脱水症状が疑われるとき

子宮収縮による痛みや、感染症による下腹部の痛みの恐れがあります。早めに受診しましょう。

さいごに

妊娠初期に起こりやすい下痢や腹痛の原因や対処法

妊娠初期に起こりやすい下痢や腹痛の原因や対処法についてご紹介しました。妊娠中は、いろんなことに敏感になり不安を感じやすい時期でもあります。身体を冷やさないようにしたり、生活を整えたりしてケアを行いながら、心配なことがあったときにはかかりつけ医に受診、相談するようにしましょう。小さな不安も解消しながら、安心してマタニティ生活をおくってくださいね。

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  • この記事を書いた人

助産師ゆき

看護師免許
助産師免許
保健師免許

8年間助産師として勤務し、様々な妊産褥婦さんと関わり勉強させていただきました。
その後2020年に第1子を出産し、今までの経験を総動員して育児をしてみたものの上手くいかないことが多々あり、育児の難しさを身に染みて感じました。でもそれ以上に子供は可愛く大変さも吹き飛ぶ日々。現在は育休から復職し、育児の経験を踏まえ、専門的な知識だけではなく、生活で役に立つ情報を伝えられたらいいなと思います。どうぞよろしくお願いします!
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