臨月に入り、つわりは終わったはずなのに、また吐き気がする…そんな経験はありませんか?「またつわり?それとも何か病気?」と不安になりますよね。。
実は、臨月にはさまざまな原因で吐き気が起こることがあります。前駆陣痛やホルモンバランスの変化、赤ちゃんの成長による胃の圧迫などが主な原因です。
この記事では、臨月の吐き気の原因、症状、そして具体的な対処法について詳しく解説します。
「臨月の吐き気はよくあることなの?」「病院に行った方がいいの?」そんな疑問や不安を抱えている妊婦さんは、ぜひ参考にしてくださいね。
この記事を読むことで、吐き気の原因を理解し、適切な対処法を試すことで、少しでも楽に、そして安心して出産に臨めるようになるはずです😌
臨月についてはこちらをまず読んでいただき、この記事に戻ってきてくれるとより理解が深まります。
目次
臨月の吐き気の原因とは?
臨月にはいると出産までわずかですね。臨月の吐き気のほとんどは、出産に関係していることが多く、ほとんどの場合は正常なものです。主な原因を3つご紹介します。
前駆陣痛によるもの
臨月にはいると、前駆陣痛がおこります。前駆陣痛とは、赤ちゃんを出産する際の本陣痛よりも前にくる陣痛のことで、子宮の収縮によってお腹がます。
前駆陣痛は、不定期であることや、陣痛のように数十分続く痛みをともなわないことが特徴的です。
前駆陣痛によって、吐き気や胃痛、頭痛、胸焼けなどを起こすことがあります。前駆陣痛は、”本陣痛の練習”というように、陣痛よりは少し和らいだ痛みとなります。
ホルモンバランスの影響によるもの
出産が近づくと、妊婦さんの身体も自然と出産の準備をはじめます。そのひとつとして、プロゲステロンという黄体ホルモンの分泌が多くなり、胃や腸などの消化器系のはたらきを緩める作用があります。
筋肉の緊張を緩める作用があるため、胃腸のはたらきを弱くし、結果胃酸の逆流や嘔吐をしやすくなります。
胎動・胃腸の圧迫によるもの
お腹の赤ちゃんが成長し、妊娠後期ごろからお腹もどんどん大きくなっていますよね。お腹の赤ちゃんが大きくなってくると、お腹のなかで動けるスペースは少なくなってきますが、お腹のなかでいろんな動作をしています。
キックしたり、身体を動かすことによって、おかあさんの内臓が圧迫されて気持ち悪くなるのも当然ですよね。胎動によって消化不良や胸焼けをおこすこともひとつの原因です。
妊娠後期、吐き気がしたときの対処法
臨月の吐き気の対処法について解説していきます。完全に吐き気を治すことは難しいかもしれませんが、軽減されることもありますのでぜひ試してみてくださいね。
また、できる限りの対策をしながら、不安やストレスを解消していきましょう。
食事編
食事の面で下記のようなことに注意していきましょう。
- ・食べ過ぎない
- ・食べてすぐ横にならない
- ・脂っこい、お菓子類は控えめに
- ・水分を十分にとる
食事を改善することで、血流が良くなったり、快便になったりして胃の不快感もだいぶん軽減されますよ。食事は少量ずつをこまめに食べたり、栄養バランスを整った食事にしていきましょう。
衣服編
お腹はもちろんのこと、足全体や骨盤周りを締め付ける服装や、冷えやすい服装は避けて温かい格好を意識するようにしましょう。
締め付けるような服装は、血流を悪くしたり、さらにお腹を圧迫したりして吐き気を催すことにつながりかねます。
生活編
睡眠不足やストレスは自律神経やホルモンバランスを崩し、体調の悪化につながりかねません。妊娠中は身体も疲れやすい時期です。
十分に休息をとる、あたたかい飲み物を飲んでリラックスする、趣味を楽しむなどして身体を十分に休めるようにしましょう。
注意!こんな症状は病気の可能性あり
臨月のつわりは出産に影響するものが多く、正常であることとお伝えしてきましたが、なかには病気の可能性も・・。
妊娠中は免疫力が下がっていて、感染症になりやすい、また合併症を引き起こすこともあるので、次のような場合には注意が必要です。
逆流性食道炎
妊娠中はホルモンバランスの影響(黄体ホルモンの分泌)によって、胃腸のはたらきが弱くなることをお話ししました。
これだけでは問題がないのですが、下部食道括約筋という消化器官が緩むと食べ物が逆流する、胃液がでる、喉やけがするなどの症状がみられます。
このような症状があれば、逆流性食道炎になっている可能性が高いので、早めに病院に受診するようにしましょう。
食中毒
妊娠中は食事に気を遣っていることと思いますが、食中毒に年中なりやすいのも特徴的です。何度も嘔吐する、じんましんが出る、発熱がある、激しい腹痛などがある際には、すぐ受診しましょう。
ウイルス性腸炎
妊娠中は免疫力が下がり、感染症にかかりやすいため十分に注意が必要です。発熱や頭痛を伴う、何度も吐く、身体全身のだるさがあるなどの症状があるときには、何らかの感染症が考えられます。
悪化する前にすぐに受診しましょう。
普段から手洗いうがいをしたり、人混みを避けたりして感染症には気をつけるようにしてくださいね。
HELLP(ヘルプ)症候群
HELLP症候群とは、妊娠高血圧にともなって血液中の血小板が減少し、肝臓機能の低下によって引き起こされる病気です。
症状としては、 腹痛や胃痛だけでなく、吐き気や嘔吐を催すことがあります。HELLP症候群が進行すると、全身の臓器に障害がおこるなどの母子ともに命にかかわる大きな病気になってしまうので早期発見が重要になってきます。
体のだるさをともなう異常な腹痛や吐き気の症状があったときにはすぐ受診してくださいね。
こんなときはすぐに医療機関へ!
吐き気や嘔吐があったとしても、すぐに治まっているのであれば、翌日に念のため医療機関を受診すれば問題ないケースが多いです。
しかし、吐き気のほかに以下のような症状があった場合には、念のためその日のうちに医療機関に連絡し、医師の指示を仰いだ方が良いでしょう。
- 寒気
- じんましん
- 冷や汗
- 頭痛
- 発熱
- 腹痛
さらに、吐き気だけでなく以下の症状がみられる場合は、救急車を呼んだ方が安全です。
- 呼吸困難
- 呼吸停止
- 顔面蒼白
医療機関に連絡する場合でも救急車を呼ぶ場合でも、連絡するにあたってはどのような症状が出ているかを伝えることで、適切な応急処置ができ、経過も良くなるでしょう。
妊婦さん本人だけでなく、とくに救急車を呼ぶべき症状の場合は妊婦さん本人では連絡できないケースもありますので、旦那さんや周囲の人がすぐに救急車を手配するようにしましょう。
安全な臨月の過ごし方
吐き気に対して十分な対策をしておくことはもちろん重要なのですが、妊娠後期~臨月を迎える妊婦さんにとって対策すべきことは吐き気だけではありません。
安全な出産を迎えるためにも、以下のことに気を付けて妊娠後期~臨月の期間を過ごしてくださいね。
重労働を避ける
当たり前のことですが、臨月の妊婦さんは重労働は避けるようにしてください。たとえば、重い荷物を持ち上げようとすると、バランスを崩して転倒してしまったり、お腹に力が入りすぎてお腹が張ってしまうこともあります。
長時間、立ち続けて仕事をしたり、長時間の移動を伴う作業をすることも、絶対に避けましょう。
ですが、過度にエネルギーを消耗するような行動をしてしまうと、予想外の事態が発生するリスクが高まります。必要なことであれば旦那さんや周囲の人の協力を求めて、臨月の妊婦さんが無理をしないで済むようにしましょうね。
お腹を圧迫しない
強くお腹を圧迫するような行動も避けなければなりません。衣服による締め付けはもちろんですが、満員電車や人ごみの中に入ることも、腹部を圧迫する原因になりかねません。
腹部を強く圧迫してしまうと、お腹の張りや子宮収縮などの原因になり、場合によっては胎児にも危険が及んでしまいます。
長距離を歩くことはもちろん避けるべきなので、電車を使っての移動を必要とするような距離の移動には自動車やタクシーを利用することをおすすめします。
もし、腹部を強く圧迫してしまった場合には、念のためかかりつけ医に相談することをおすすめします。
場合によってはどうしても電車が混む時間帯に移動しなければならないこともあるでしょう。(私もそんな時は、お腹をかばうことができるスペースをみつけて乗るようにしていました。)
どうしても込み合っているときにはその電車には乗るのを控えたり、込み合わない車両を探したりしながらなるべく無理をしないようにしましょう。
長時間の外出を控える
長時間・長距離の外出は、臨月の間は控えた方が安全です。とくに長距離の移動を伴うような旅行ももちろんのことです。
(かかりつけの産婦人科からなるべく近くにいると安心ですよ。)
車や自転車を運転しない
臨月の妊婦さんは、自分で自動車を運転したり、自転車に乗ることは避けたいもの。
自動車を運転中、体調を崩したり陣痛が起きてしまうと、事故に遭うリスクが急激に高まります。また、自転車に乗る場合も同じです。それ以前にバランスを崩して転倒するリスクが高いので、自動車も臨月に入った際には乗るのをやめておきましょう。
もちろん、臨月の間もある程度の距離を移動することもあると思うので、混雑していないタイミングで電車に乗ったり、家族が運転する車に乗せてもらうなどして、臨月の妊婦さん自身が運転しないで済むようにしてくださいね。
陣痛に備えておく
臨月の間は、いつ陣痛が起こって産婦人科に入院しなければならなくなるかわかりません。
そこで、あらかじめ「陣痛バッグ」と「入院バッグ」を準備しておくことをおすすめします。あらかじめ準備しておけば、すぐに産婦人科に向かうことができて安心ですよね。
また、準備しておいたバッグがどこにあるかを、家族の間で共有しておくと良いでしょう♪
陣痛バッグには以下の品物を入れておくと便利です。
- 財布
- 診察券
- 母子手帳
- 必要書類
- 飲み物とストロー
- フェイスタオル
- 産褥ショーツ・産褥パッド
- ナプキン
- 軽食(ゼリー飲料など)
- パジャマ一式
入院バッグには、以下の品物を入れておきましょう。
- パジャマ一式
- 授乳ブラ
- 母乳パッド
- バスタオル・フェイスタオル
- 靴下
- ブランケット
- 洗面セット
中身について不安な場合は、かかりつけ医に相談して事前に準備しておくことをおすすめします。
まとめ
臨月の吐き気の原因が分かると、少し安心できたのではないでしょうか。出産が近づくにつれて、妊婦さんの身体も出産の準備をしているといえるでしょう。
吐き気を催すときには、今回の記事でご紹介した対処法をぜひ試してみてくださいね。そして、少しでもリラックスした気持ちで出産を迎えてくださいね。