会陰切開とはどういうものかご存知でしょうか?初めての妊娠やこれからという場合は、「読み方も分からない」という方もいらっしゃると思います🤔
また「切開」とあるため、「普通分娩なのにどこか切るの?」「痛みは感じる?」と不安に感じますよね😰
すでに出産を経験している方の中には、会陰切開をした方も多いでしょうが、痛みの感じ方は人それぞれ。そして痛みの他にも気になるのが、会陰切開は保険適用となるのかということです。
この記事では、
- ・会陰切開について紹介
- ・基本的な出産費用
- ・保険適用になるかなど
解説していきます。初めての出産で会陰切開のことについて知りたいという方はぜひご参考になさってください😌
目次
会陰切開とは
会陰切開は、「えいんせっかい」と読みます。会陰とは腟口から肛門の間にある部分で、出産のときに必要に応じて2~3cmほど切ります。
通常は赤ちゃんが出てくるときに、この会陰の部分が伸びるのですが、伸びにくかったり、赤ちゃんが大きかったりすると、会陰が裂けてしまうことも。これを会陰裂傷といいます。
「会陰裂傷」は自然治癒が難しく、後に感染症や排便障害などのトラブルが起きる可能性があるため、会陰切開をして防ぐというわけです。
その時の状況から、医師や助産師さんが判断して行いますので、直前まで切開するかどうかわかりません。
会陰切開の流れ
会陰切開の流れは、以下のような手順で進められています。
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1まずは、局部麻酔を行います。
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2局部麻酔が効いてきたら、会陰を2~3cm程切開します。
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3その後、分娩が終りましたら、切開した部分を縫合します。
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4分娩後、傷口が癒えた後に抜糸を行います。縫合時に「溶ける縫合糸」を使っている場合は、抜糸不要となりますよ。
会陰切開するケース
お医者さんが会陰切開が必要だと判断する場合は下記があります。
- ・赤ちゃんが大きすぎるとき
- ・赤ちゃんが引っかかったりして出てこないとき
- ・お母さんか赤ちゃんどちらかの状態が悪く、早く出産しなければならないとき
- ・鉗子分娩、吸引分娩などを行うとき
会陰切開は聞くだけだと怖いですが、赤ちゃんが安全に出てこられるようにするための大事な処置です。少し出口を広くしてあげることで、お母さんにとっても赤ちゃんにとってもラクになります。あまり心配せず、無事に出産するために必要なものと考えておくと、いざという時怖さも軽減できるのではないでしょうか🙂
赤ちゃんが大きすぎるとき
会陰切開を行う判断の1つめは「赤ちゃんが大きすぎるとき」です。一般的に、会陰は約5倍ほど伸びると言われていますので、これにより膣は約25cm前後まで広がります。
それでも、一般的な赤ちゃんの頭囲は出産時に平均33.5cmほどになるため、会陰裂傷を起こすリスクが高いんです。
とくに、頭部が通常よりも大きいという赤ちゃんの場合だと会陰裂傷のリスクは高くなります。そのため、会陰裂傷を防ぐという理由から会陰切開を行うという判断をされることが多くなります。
赤ちゃんが引っかかったりして出てこないとき
会陰切開を行う判断の2つ目は「赤ちゃんが引っかかったりして出てこないとき」です。
前述の「頭部が大きい場合」にも似ていますが、出産時に赤ちゃんが引っかかってしまうのは頭部の大きさだけが原因ではないんです。
何らかの理由でなかなか赤ちゃんが出てこないという場合は、会陰裂傷のリスクも考慮して会陰切開を選択する可能性が大きくなります。
お母さんか赤ちゃんどちらかの状態が悪く、早く出産しなければならないとき
会陰切開を行う判断の3つ目は「お母さんか赤ちゃんどちらかの状態が悪く、早く出産しなければならないとき」です。
出産時には母体や胎児のどちらかの命に関わるケースもあります。出産中に異常が起った場合には、すぐに出産を終わらせて適切な治療を行う必要があります。
そこで、会陰切開をすることで出産にかかる時間を短縮することもあります。
鉗子分娩、吸引分娩などを行うとき
会陰切開を行う判断の4つ目は「鉗子分娩、吸引分娩などを行うとき」です。
どちらの分娩方法も、専用の器具を用いて赤ちゃんを牽引して出産をサポートする方法になります。通常の自然分娩よりも赤ちゃんの頭部が早く露出するため、会陰が伸び切る余裕がないんです。
そのため、あらかじめ会陰切開を行い、これらの方法での出産をスムーズにするというケースがあります。
会陰切開って痛い?
会陰切開は、陣痛がきているタイミングで行います。切るときは局部麻酔をするので、痛みは感じませんが、分娩中は正直それどころではありません。
陣痛の痛みのほうが強いため、麻酔なしで会陰を切られたとしても痛みを感じない人も多いのです。
ではどのようなときに痛みを感じるのでしょうか?
ここでは、会陰切開の痛みや、和らげる方法についてみていきます。
会陰切開は縫う時が一番痛い
会陰切開よりも痛みを感じるのが、会陰切開した箇所を縫うときです。麻酔を打ってから縫うのですが、膣内まで麻酔が効きにくいため、痛みを感じることがあります。
最近では溶ける糸を使う産院が大部分なので、その際は抜糸をしなくて済むので楽ですが、糸が突っ張るような感覚を覚えることも。
どちらにしても、会陰切開の時よりも、その後の方が「痛い!」と感じることがわかります。分娩時はとにかく痛みと必死さで気が紛れていますが、縫合の時は意識が集中してしまうので、少しドキドキしてしまいますね。
5日ほどで抜糸となりますが、その間はチクチク、ズキズキ。傷の痛みは、産後2〜3日目がピークとなる方が多く、1週間ほど続きます。
産後2〜3日目 | 腫れや痛み |
3日目〜 | 傷が治り始め、かゆみを感じることも |
1〜3カ月 | 腫れや傷が目立たなくなる |
会陰切開の傷は、会陰切開の傷は1週間ほどで治りますが、1年くらいかけて徐々に赤みが引いていきます。少し時間がかかりますが、デリケートな部分なのでしばらくは細心の注意が必要です。
痛みを和らげるには?
会陰切開の傷が特に痛むのは座ったときです。「座りたいけど傷が痛むのが嫌」という方は、円座クッションを使用すると、ちょうど切開したところが当たらないので、痛みを緩和してくれます。寝るときはクッションやタオルを丸めたものを足で挟んで横向きで寝ると楽ですよ。
傷を早く治すためには、できるだけ安静にしておくこと、食事をしっかり取ること、切開部分を清潔にしておくことが挙げられます。
痛みが強すぎて寝られないという方や、トイレで力むのが怖かったという方もいらっしゃるでしょう。
痛みを緩和するポイント |
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出産費用はどのくらいかかる?
妊婦さんにとって、赤ちゃんの様子や自分の体のことも大事ですが、忘れてはならないことが出産費用ですよね。
出産は病気ではないため、基本的に費用は実費となります。そのため、出産までの検診も含めると、とてもお金がかかります。
自治体によっては、妊婦さんに健診の費用を助成する制度もあるので、とても助かりますが、それでも高額になりがちな出産費用。
ここでは、出産の種類別に費用がどのくらいかかるのか紹介し、費用を抑える方法や補助などについてもみていきます。
出産にかかる費用と抑える方法
出産にかかる費用は、出産方法によって違います。
- ・普通分娩の場合、平均で46万円
- ・帝王切開は手術を行うため、これに加えて約5~10万円ほど高くなる
ちなみに出産の方法として「経膣分娩」と「帝王切開」に大きく分かれています。会陰切開は「経膣分娩」のほうに分類されます。
出産方法は基本的に自分では選択できないため、ここで費用を抑えるのは難しいです。費用を抑えたいとお考えの方は部屋を大部屋にするのがおすすめ。
個室の場合は、病院にもよりますが、トイレやシャワーなどがついているところもあるので、それだけ費用がかかります。
出産後は疲れもたまっていますし、ゆっくり休みたいと思う方も多いでしょう。費用が少しかかっても人の目を気にせず過ごしたいという方は、個室を選択するといいですね。
ただ、大部屋でも大丈夫という方は費用を抑えることができるので、検討してみてはいかがでしょうか。
受けられる助成
出産にかかる費用は基本的に全額自己負担ですが、助成制度やもらえるお金があります。
2023年4月から出産育児一時金が50万円に増額されることになりました。
出産育児一時金 |
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限度額適用認定証 |
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高額療養費 |
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医療費控除 |
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医療保険 |
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出産手当金 |
「過去1年間に支払われた平均月給÷30日×3分の2=日額」 「日額×(出産日から42日遡って休んだ日数+出産後56 日間で休んだ日数)=支給額」 |
妊娠から出産までは、健診費や病院までの交通費、出産までに必要な買い出し、出産費用、入院費などとてもお金がかかります。
しかし、そんな妊婦さんやご家族の負担を少しでも減らすために、さまざまな助成やもらえるお金があるので、出産前に一度チェックしておくといいですよ😃
下記の記事で詳しく解説していますので、ぜひご確認ください😊
会陰切開は保険適用される?
会陰切開も麻酔をしてはさみで切るので、保険適用されるのでは?とお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実は会陰切開で保険適用となるためには条件があるのです。ここでは、会陰切開は保険適用となるのか説明し、どのような場合に適用されるかみていきます😃
会陰切開は保険適用外
会陰切開は通常、普通分娩で行われます。普通分娩は問題なく出産できるという前提のもと、保険は使えません。
普通分娩時の会陰切開は、安全に出産できるために必要な処置という父付で「手術」としてみなされないため、保険適用にはならないのです。(泣)
「麻酔もして切っているのに」と不思議に思う方もいらっしゃるでしょう。しかし、同じ会陰切開でも、保険適用されるケースがあります。
それは、普通分娩では赤ちゃんが出てこられず、鉗子分娩や吸引分娩に切り替えなければならなくなった時です。
鉗子分娩、吸引分娩は器具を使って赤ちゃんを取り出します。その際に会陰切開をすることがあり、この場合は「異常分娩」となるため、帝王切開などと一緒で保険適用となるのです。
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民間の保険はおりる?
会陰切開が保険適用されるには条件がありますが、ご自分の入っている医療保険がおりることはあるのでしょうか。
こちらも健康保険と同様に、基本的には保険はおりません。しかし、異常分娩の際の処置として会陰切開した場合は保険がおります。
その際は、会陰切開が「手術」の中に含まれていることを証明することが必要です。具体的には、領収書にその旨が記されていれば問題ありません。
ご自分の入っている保険内容の細かい部分まで把握しているという方は少ないと思いますので、まずは契約内容を確認してみましょう。
せっかく保険に入っているのに見落としてしまってはもったいないですよね。
まとめ
会陰切開は、その時の分娩状況により、医師や助産師が判断して行います。陣痛で痛みが強いときは、会陰切開するとその場で言われてもその時は気づかずに、出産後に初めて気づいたという方もいるようです。
傷を縫ってからが痛みとの闘いなので不安に思う方も多いでしょう。普通分娩の場合は会陰切開することが多いので、自分もするかもと、前もって心の準備をしておくといいですね。
いざという時のために、出産前には円座クッションや足に挟むのにちょうどいいものを用意しておくと、少し痛みを和らげることができますよ☺️
また、通常の会陰切開では保険適用外となり医療保険もおりませんが、異常分娩となった場合は保険適用され医療保険もおりるので、覚えておきたいポイントです。
出産は良くも悪くも何が起きるか分かりません。大事なのは、妊婦さんの不安が少しでも和らぐこと。
会陰切開についても、何のために必要なのか、痛みはどのくらいなのか事前に知っておくとまた気持ちも違ってきます。無事に出産できるよう心穏やかに過ごして、妊娠生活を楽しんでくださいね。