帝王切開での出産後、「傷の痛みはいつまで続くの?」「後陣痛がつらい…」と不安や痛みを抱えているママも多いのではないでしょうか。
帝王切開は手術による出産のため、術後の痛みは避けられません。しかし、適切なケアと知識を持つことで、痛みを和らげ、回復を早めることができます。
この記事では、帝王切開後の痛み(後陣痛や傷の痛み)がいつまで続くのか、その原因、そして具体的な対処法について詳しく解説します。
「帝王切開後の痛みがつらい」「早く回復したい」そんな悩みを抱えている方は、ぜひ参考にしてください。この記事を読むことで、帝王切開後の痛みを理解し、適切な対処法を実践することで、少しでも早く回復できるようになるはずです。
帝王切開とは?
帝王切開とは、赤ちゃんやママに問題が生じて自然分娩(経腟分娩)が難しいと判断された時に手術で赤ちゃんを出産する方法です。帝王切開は、予定帝王切開と緊急帝王切開の2パターンがあります。
費用や、どんな場合に帝王切開で出産するのかについては、下記の記事をお読みいただき、本記事に戻っていただけるとより帝王切開について分かりやすいと思います。
帝王切開のリスクはあるのか?
どの分娩方法もですが、帝王切開にもメリット・デメリットはあります。
帝王切開のメリット
陣痛がない
帝王切開の場合は麻酔をかけるので、陣痛の痛みはありません。経腟分娩の場合は、初産婦さんで10~12時間、経産婦さんで4~6時間かかると言われています。陣痛の痛みがないのは帝王切開のメリットと言えるでしょう。
出産時間が短い
経腟分娩の場合は、陣痛の時間が長くなりいつ赤ちゃんが産まれるかわかりません。しかし帝王切開は手術が始まってから5~15分で赤ちゃんが産まれるので、赤ちゃんにもママにも負担が少ない方法です。
出産日が決まっている
経腟分娩の場合は、妊娠37週以降からいつ陣痛や破水が来るのかわからないですが、帝王切開の場合は確実に予定が組めます。赤ちゃんを迎える家族のメリットにはなりますよね。
帝王切開のリスク・デメリットとは
後陣痛が痛い
後陣痛とは、出産後に子宮が収縮するときに感じる痛みのことです。帝王切開の場合は、手術中は麻酔を使っているので痛みを感じません。その分、出産後の後陣痛の痛みを感じる方が多いようです。
子宮の回復が遅い
経腟分娩に比べて、子宮の回復が遅いと言われています。経腟分娩の場合は産後1ヶ月ほどで子宮は元に戻ると言われていますが、帝王切開の場合は3ヶ月ほどかかるようです。
肺血栓塞栓症のリスクがある
帝王切開だと長時間ベットに横になっていることになるので、「肺血栓塞栓症」のリスクが高くなります。弾圧ストッキングを履いたりするのは、そのためです。病院によっては手術後数時間で立って歩行を促したりします。
お腹に力が入りにくい
手術の跡の傷が痛み、お腹に力が入りにくいです。ベットから起き上がったりするときも痛みを感じますし、赤ちゃんを抱っこしたりするのにも苦労する方もいます。
デメリットはありますが、帝王切開はお腹の赤ちゃんと母体の大切な命を守るための分娩方法でもあります。帝王切開についてより深く知ることで、安心して出産を迎えられるようになります。
帝王切開の麻酔について
帝王切開の麻酔の種類は大きく分けて、局部麻酔(部分)と全身麻酔の2種類があります。
局部麻酔
ほとんどの場合、局部麻酔が行われます。局部麻酔は胸より下に麻酔がかかり、痛みは感じないが、触られたり押されたりする感覚はあります。出産中にもおかあさんの意識はあるため、出産時赤ちゃんの産声を聞くことができたり、出産後すぐ赤ちゃんに触れることができます。
全身麻酔
全身麻酔は、緊急帝王切開で出血を伴ったり、局部麻酔で効果が得られない場合に適応されることがあります。全身麻酔は、おかあさんはマスクで息をし、点滴で薬を入れることで眠くなり意識がなくなります。意識が無く、眠っている間に出産となるため、麻酔がきれたときに赤ちゃんと会えるようになります。
全身麻酔には、リスクもあり麻酔をうつことで胎児の赤ちゃんにも影響し、呼吸が弱くなりやすいこともあります。そのため、緊急時以外多くの産院では、局部麻酔で帝王切開される場合が多くなります。
出産後、術後の痛みは?
帝王切開で出産する際は、麻酔をするので陣痛による痛みなどを感じにくいのですが、出産後、子宮収縮の痛みによって激しい痛みを生じることがあります。これを後陣痛といいます。
出産後~1週間の状態
出産してから、約1週間は後陣痛が続きます。子宮収縮や傷口による痛みから、体勢を変えたり、トイレにいくことも人によってはおおきな痛みを感じることでしょう。痛み止めを処方してもらい飲んでも、痛みが和らがない場合は医師に相談するようにしましょう。
また、痛みは続きますがおかあさんも流動食から普通食を食べるようになったり、赤ちゃんへの授乳もできるようになります。
そして、悪露も続きますが出産後2週間くらいから少なくなってくるといわれていますよ。
出産後~1ヶ月ほどでゆっくり回復
出産後から約1ヶ月ほどで、傷口の痛みが和らいだり、普通に動けるようになったりして少しずつ回復していきます。帝王切開による傷口の痛みや、子宮の収縮は個人差があり、治るのに3ヶ月~半年ほどかかる方もいます。
痛みが強い場合や、身体がしんどい時期は、かかりつけ医に相談したり、無理せず休息をとるように心がけるようにしましょう。
産後、帝王切開の痛みを和らげる方法5選
帝王切開で傷口が痛んだり、身体がしんどくても赤ちゃんのお世話をしないといけないですよね。そんなときに、痛みを少しでも和らげたい方におすすめの方法5選をご紹介します。
1.傷口をテープで保護する
帝王切開の傷口をテープで保護することで、衣服などの摩擦から傷口を守るようにしましょう。退院時、病院で傷口テープをもらうといいですよ。傷口保護のテープは、摩擦や接触から守るたけでなく、傷口を目立ちにくくする役割もあります。
2.下着や衣服で締め付けない
下着や衣服によって、傷口が当たったり、締め付けたりすると痛みを生じることがあります。傷口布巾に直接当たる下着は、ゴムがゆるめのもの、肌に優しい素材を選ぶようにして快適に過ごせるようにしましょう。また、ジーンズやタイツなど、ウエストをきつく締める衣服は裂け、ゆったりとした衣服を身につけましょう。
3.血流をよくする
子宮収縮による痛みの場合、血行が悪くなっている可能性があります。お腹周りを腹巻きやカイロ、湯たんぽであたためたり、下腹部を優しくマッサージして血行をよくしていきましょう。楽な姿勢で、クリームやオイルなどの保湿剤を使いながら優しくマッサージを行っていきましょう。
4.ベビーカーを使用する
帝王切開による傷口が痛む場合、赤ちゃんを抱っこすることで傷口が当たって痛い、傷口に圧がかかってしまうことがあります。抱っこ紐も、傷口に当たってしまうかもしれません。室内では、ベビースウィングベッド、野外ではベビーカーを使用して移動すると少し楽になるかもしれませんね。決して、赤ちゃんを抱っこしてはいけないということではありません。痛みが軽減されているときや、座った状態で抱っこをすると痛みがなく抱っこができるかもしれませんが、痛い場合は、ベビーカーなどを頼るようにしてみてくださいね。
5.リラックスで緊張をほぐす
出産後の痛みや、初めての育児におわれて、特に最初は心身ともに緊張状態が続いてしまいやすくなりがちですよね。出産後の身体は不安定な状態が続きます。身体が緊張したり、動きすぎると子宮収縮されやすく、痛みも生じてきますので、リラックス、身体を休めることも忘れずにしてくださいね。あたたかい飲み物を飲んだり、リフレッシュできることをしたり、少しの時間でも横になったりして休むことも大切ですよ。
さいごに
帝王切開についてのリスク、麻酔や術後の痛みについて解説しました。帝王切開は、マイナスなイメージをもちやすいですが、ママと赤ちゃんの大切な命を守るための出産方法でもあります。帝王切開の出産の流れや、ケア方法などを知って少しでも不安を解消していきましょう。
産後、後陣痛や子宮収縮による痛みもありますが無理をせず十分に休息をとることも大切にしましょう。痛みが我慢できないときは、迷わずかかりつけ医に相談するといいですよ。安心して産前産後の生活が送れますよう願っています。