「逆子」と診断されて不安な日々を過ごしていませんか?「逆子体操って本当に効果があるの?」「いつから始めればいいの?」そんな疑問をお持ちの妊婦さんは多いのではないでしょうか。
この記事では、逆子体操の効果、具体的なやり方、注意点、そして体験談を詳しく解説します。逆子体操は、赤ちゃんが正常な位置に戻る可能性を高めるだけでなく、妊婦さんのリラックス効果も期待できます。
「逆子を治したいけど、どうすればいいかわからない」そんな方は、ぜひこの記事を参考にしてください。正しい知識と方法を身につけることで、安心して逆子体操に取り組めるはずです。
目次
逆子とは?
お腹の中の赤ちゃんは、通常であれば頭を下(子宮口)にして生まれてきます。しかし、まれに頭以外が下に来ていて、そのまま週数が経っても元に戻らないことがあるのです。このような状態のことを「逆子」といいます。
妊娠中期には40%ほどもいるという逆子。
そもそもなぜ赤ちゃんは頭から生まれてくるのでしょうか。
赤ちゃんはなぜ頭から生まれる?
赤ちゃんはお腹の中で成長するにつれ、頭がだんだん重くなってくるため、自然と頭を下向きにします。頭から出てきた方が、腕やお尻などのほかの部位も引っかかったりせず、スムーズに出てくることができるため、頭を下向きにしているのではないかといわれているのです。
身体の構造上、頭が下になるということですが、もしかしたらお母さんができるだけ苦しまずに生んでくれるようにと、赤ちゃんが考えてくれているのかもしれませんね😊
逆子の種類
逆子とは正式には「骨盤位」といい、主に「殿位」「足位」「膝位」の3種類があります。
殿位 | お尻を下に向けている。お尻が下で伸ばした足を上げている状態を「単殿位」。体育座りのように膝を曲げている状態を「複殿位」。 |
足位 | 足を下に向けて、立っているかのような姿勢。両足伸ばしている状態を「全足位」。片足だけ伸ばしている状態を「不全足位」。 |
膝位 | 膝立ちしているような恰好。両膝を立てている状態を「全膝位」。片膝ついている状態を「不全膝位」。 |
その他にも横に寝た状態の「横位」や斜めになっている「斜位」などがあり、その種類はさまざまです。赤ちゃんはお腹の中でぐるぐると位置を変えるので、たまたま健診で見た時に逆さだったということもよくあります。しかしその状態がずっと続くようであれば逆子である可能性が高いです。
横向きや斜めなどの体勢もありますが、頭が下方向にない場合は医師からの診断を待って落ち着いて対処しましょう。
逆子の原因
逆子になる原因は、多くの場合はっきりと分かっていないというのが現状です。しかし分かっている原因にはいくつか特徴があるので、以下で見ていきます。
母体側 | 胎児側 |
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上記のようなことが原因で、お腹の中の赤ちゃんがうまく動くことができず、逆子になってしまうと考えられています。しかし決して「お母さんのせい」「赤ちゃんのせい」というわけではないので、考え込まないでくださいね。
これらの原因は自分自身の力ではどうにかできるものではなく、ましてや原因はこれと断定できるものでもないので、気に病まないようにしましょう。
逆子の診断はいつされる?
赤ちゃんはお腹の中でいろんな動きをします。エコーで確認してみると、こちら側を向いていたり、そっぽ向いていたり、手や足を動かしている様子が見られて、とてもかわいいですよね。
その時に、先生から「今日は頭が下だね」「今日は横向きで寝ているね」などと言われることもあると思います。中期の頃はそこまで気にならないかもしれませんが、だんだん後期になってくると、「これは逆子なの?」と赤ちゃんの位置が気になり始める方も多いでしょう。
ここでは赤ちゃんが逆子と診断される時期や逆子によって起こるリスクについて見ていきます。
逆子の診断時期
逆子と診断されるのはほとんどの場合、妊娠後期(妊娠30週頃)に入ってからです。診断後は医師からこれからの対処法について説明があります。
分娩方法を決めるという点からも、逆子の状態が続いている場合は早めに診断されるため、一度逆子と診断された後に変わることも。直前まで逆子だったけど正常な位置に戻ったという話もよく聞きます。
生まれてくるまではどうなるか分からないので、診断後も決して気を落とさず、しっかりと医師からのアドバイスや対処法を聞くようにしましょう。
逆子で起こるリスク
逆子と診断されたら、不安になってしまうと思いますが、逆子によって起こるリスクもしっかりと理解しておく必要があります。
まず、逆子であるからといって妊婦さんの体や赤ちゃんの発育に何か悪い影響があるというわけではありません。しかし、出産時にはリスクもあるので知っておきましょう。
逆子の状態で経膣分娩をしようとすると手や足が引っ掛かって頭が出てくるまでに時間がかかってしまうことが考えられます。その場合、赤ちゃんが酸欠状態になってしまうため、とても危険です。
逆子だと診断された場合は、直前に逆子が治らない限り予定帝王切開となりますので、心の準備をしておきましょう。
逆子体操とは
逆子と診断された場合、医師からいくつか対処法やアドバイスをもらえると思いますが、その中の1つが「逆子体操」です。
体操と聞くと、体を動かすスペースが必要だと考える方もいらっしゃるでしょう。しかし、逆子体操は横になれるだけのスペースさえあれば簡単にできます。
必要なものも家にあるものを使うので、特に準備が必要なものもありません。
逆子体操はいつから行う?
逆子体操は妊娠30週ごろから始める場合が多いでしょう。それよりも前に行うと、そもそも赤ちゃんは自分でぐるぐる動いているので、正常な位置にいるのを逆子にしてしまう可能性があります。
大体30週ごろに逆子と診断されるので、その後に医師からの指導の下、始めるのがおすすめです。くれぐれも無理はせず、その時のご自分の体調をみながら行うようにしましょう。
逆子体操のやり方
逆子体操といっても、本格的に体を動かすというものではなく、ヨガのようにポーズをとります。主なやり方は以下の2種類です。
胸膝法 |
お尻を上げて骨盤の位置を高くする |
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ブリッジ法 |
仰向けでブリッジのように腰を上げる |
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上記の方法の他にも、側臥位(そくがい)とよばれるものがあります。こちらは赤ちゃんがうつぶせのような状態になるように寝る方法で、妊婦さんは横向きに寝ます。
ただし、赤ちゃんの背中が自分の右側にある場合は左向きに、左側に赤ちゃんの背中があるときは右向きに寝るようにしましょう。
また、逆子体操とは少し違いますが、「シムスの体位」と呼ばれる体勢になるとリラックスできるとも言われています。こちらは、例えば左を下に横向きで寝た時に、右足をおなか側に持っていき、右ひざが床につくようにして置きます。
左右どちらを向いてもかまいませんが、少しうつぶせに近い状態にして自分の楽な態勢で休むようにしましょう。
逆子体操の効果とコツ
逆子体操のやり方について説明しましたが、実際に効果はあるのでしょうか。実は、逆子体操によって、逆子が治るという証拠ははっきりとはありません。
医師によってもさまざまな見解がなされていて、逆子体操のやる意義に関しても担当の医師によって考え方が違うのです。
しかし、実際に逆子体操を続けて逆子が治ったという例はたくさんあることも事実です。体操をしている間、赤ちゃんに話しかけたりすることで「自分自身もリラックスできた」「気分がリフレッシュした」と感じる方も多く、お母さんの精神的な安定につながることもあります☺️
逆子体操を行う時のコツとしては、身体を温めること、リラックスして行うこと、赤ちゃんに話しかけてあげることなどが挙げられます。効果は人それぞれなので、逆子体操を行うことで必ず逆子が治すというわけではありません。
しかし、赤ちゃんのことを考えて努力するということは悪いことではないので、無理のない範囲で続けていくといいでしょう。
逆子体操の注意点
逆子体操を行う際にはいくつか注意が必要です。
医師と相談しながらやる
逆子体操は医師と相談しながら実施することを前提としてください。たかが体操と侮ってしまうと、ママさんによっては大きな負担になってしまう可能性があります。医師と相談しつつ、ママさんの体に負担にならない範囲で逆子体操をしましょう。
長時間やらない
逆子体操は長時間やり続けないことです。長時間の逆子体操は、ママさんや胎児にとって大きな負担になる可能性があります。逆子体操は1日1~2回実施すれば良いので、あまり時間を取られすぎないように注意してくださいね。
無理にやらない
ママさんにとって無理のない範囲で実施することです。長時間の実施も問題ですが、体調が良くないのに無理して逆子体操をしてしまうと、体調不良を悪化させてしまう可能性があります。体調の良いときを選んで実施してくださいね。
お腹の張りを感じたらやめる
お腹の張りを感じたら逆子体操を中止することです。お腹が張っているということは、ママさんや赤ちゃんにとって無理が発生している状態であり、この状態で逆子体操をすることは危険性があります。すぐに体を休めて、休んでもお腹の張りが治まらないときは念のため産婦人科を受診することをおすすめします。
体を温める
逆子体操を行なう際には体を温めるようにしてください。身体が冷えていると子宮の筋肉が収縮して固くなってしまい、赤ちゃんが体を動かし辛くなってしまいます。逆子体操の効率を上げるためには、入浴後などで体が温まっているタイミングで行うことをおすすめします。
逆子を治すことを絶対としない
逆子を治すことを絶対としないことが大事です。先ほども述べましたが、逆子体操で絶対に逆子が治すとは限りません。そのため、絶対に治すことを目標に一生懸命やりすぎるのは、身体的にも精神的にも良くありません。
もちろん、逆子体操で逆子が治ればうれしいですが、まずはご自分の体と赤ちゃんのことを第一に、無理のない範囲で行いましょう。
また、逆子体操はお腹や腰を伸ばすので、お腹が張ったり、腰を痛めたりすることがあります。
逆子体操以外で逆子を治す
逆子体操以外にも逆子を治すための方法がいくつかあるのでご紹介します。
外回転術
逆子体操は自分でできるものでしたが、こちらは医師にやってもらう方法です。手順としては以下の通りです。
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この方法で逆子が治る成功率は60~70%ほどとされていますが、常位胎盤早期剥離(胎盤が子宮の壁からはがれる)などが起こるリスクもあります。そのため、万が一のことも考え、すぐに帝王切開ができる準備を整えてから行います。
どの病院でも行っているというわけではないので、ご自分の担当医師が対応してくれるかどうか確認したうえで、効果やリスクを踏まえて行ってください。
お灸
こちらも逆子体操と同様に、逆子が治るという科学的な根拠はありません。しかし、お灸をしたことで逆子が治ったというケースは実際にあり、逆子のための施術を行っている鍼灸院は多くあります。
お灸はつわりの軽減や体を温めってくれることから妊婦さんにはいいものなので、逆子を治すため以外の利用もおすすめです。
どの方法にも大小なりともリスクはつきものなので、逆子を治したいと思っている方は、どの方法が自分に合っているのか、安全に行えるか、よく考えてから試してみてくださいね。
まとめ
逆子と診断されると、それまで楽しみだった赤ちゃんとの対面が急に不安になってしまうこともあるでしょう。しかし、逆子と診断されて出産直前まで逆子だった割合は約3~4%といわれています。つまり、ほとんどの場合が、出産間近になると正常な位置に戻っているということです。
しかし妊婦さんの立場になってみると、毎日お腹の中の赤ちゃんの様子が目に見えるわけではないので気が気ではないですよね。逆子体操は赤ちゃんの位置を戻すためのものだけでなく、そんな妊婦さんの不安を少しでも解消できるようにと行われるものだと思います。
とはいえ、やりすぎや妊婦さんの体調によっては危険な場合もあるので、医師と相談して行うようにしましょう。
自分自身がゆったりとした気持ちで過ごすことが大事なので、無理のないようにしてくださいね。