妊娠中の体重が増えるのは、人にもよりますが大体10週を超えたころから
どんどん体重が増えていくと、「こんなに増えて大丈夫?」「体重が増えすぎて赤ちゃんに影響はない?」と心配になる方も多いのではないでしょうか。
反対に体重がなかなか増えなくて悩む方もいたりと体重の増え方には個人差があります。
この記事では、適正な体重増加の目安や、体重管理について解説していきます。体重増加が気になる方は、ぜひ読んで母子ともに健康なマタニティライフを過ごしていきましょう♪
目次
妊娠中の体重増加はいつから始まる?
妊娠中の体重が増えるのは、大体10週を超えたころから始まります。
つわりが原因で体重が大きく増えたり(食べつわり)、一時的に減ったり(吐きつわり)して、体重が増え始める時期や、増え方には個人差があります。
体重増加の原因
妊娠中、体重が増えるのは当然のことです。妊娠してからおかあさんの体は出産までにさまざまな準備をしていくなかで体重の増加は欠かせません。何によって体重が増えているのかを次にまとめてみました。
- ・赤ちゃんの重さ
- ・胎盤・羊水の重さ
- ・血液量の増加
- ・母胎の脂肪の重さ
これらが、体重増加につながりますが、どれも妊娠~出産までに必須のものとなります。
適正な体重増加はどれくらい?
では、妊娠してから出産までどれくらい体重は増えるのかについてみていきましょう。
実は体重増加は、妊娠前の体重・体格によっても基準が変わってきます。
●妊娠前、妊娠中の体格は、BMI(肥満度を表す指数)によって測定します。
BMIの計算式
=体重(kg)÷身長(cm)÷身長(cm)
妊娠前の体格 | 妊娠前のBMI | 妊娠後の適正な 体重増加の目安 |
痩せすぎ | 18.5未満 | 12~15kg |
ふつう | 18.5~25.0未満 | 10~13kg |
やや肥満 | 25.0~30.0未満 | 7~10kg |
肥満 | 30.0以上 | 個別対応 |
この4つの体格に分けて考えられることが多いです。一度BMIを計算してみましょう。また、妊娠中の体重増加は1週間に~約500gの増加が理想だともいわれています。
こちらはあくまでも目安で、人によって妊娠経過や状態も変わってきますので、医師に相談しながら体重増加についてもみていきましょう。
体重増加の改正が行われた理由
実は、この適正な体重増加の目安については、厚生労働省より2021年3月に改正されました。
昔に比べて、体重増加の幅が広がったのです。
昔は「妊娠後太りすぎてはいけない」と医師からよく言われていたのですが、現代では【痩せ型】の人が多いことや、「低出生児率」が高くなったことなどが原因で、体重増加の制限が緩和されました。
太りすぎ(肥満)・痩せすぎ(痩せ型)のリスクとは
このように体重の増加の目安や体重管理について言われる理由は、妊娠~出産にかけてのおかあさんの体重が、母子の命に関わる問題に関わってくるからです。
(妊娠前~)妊娠中から出産までの期間、痩せすぎていることも、太りすぎていることもリスクを背負うことになります。それぞれが抱えるリスクについてみていきましょう。
太りすぎ(肥満)のリスク
妊娠中は、ある程度の体重増加は普通のことですが太りすぎると、母子ともに次のようなリスクを背負うことになるので気をつけましょう。
- ○妊娠高血圧症候群
- ○妊娠糖尿病
- ○帝王切開
- ○巨体児(体重4000g以上)の分娩
- ○難産、長時間かけての出産
- ○肥満による膝や腰への負担
肥満になると、産道に脂肪がつくことで、赤ちゃんが下におりてきにくかったり、産道を通りにくくなって出産に時間がかかったり、難産になるリスクが高いといわれています。
痩せすぎ(痩せ型)のリスク
反対に痩せ型の女性には、次のようなリスクが考えられます。特に妊娠前から痩せている方は、妊娠中も痩せ型になりやすいといわれています。
- ○早産、切迫早産
- ○低出生児の分娩(体重2500g以下)
- ○低体温、低血糖
- ○黄疸になりやすい
- ○将来生活習慣病にかかりやすくなる
妊婦さんが痩せ型だと、赤ちゃんが順調に育たないことや、早産などのリスクを高めることとなります。また、乳児死亡の確率が高くなったり、大きくなってから病気にかかりやすくなったりするので注意が必要です。
最近では、妊娠前から痩せ型の人が多いことが目立ちます。妊娠前から過度なダイエットがおすすめできないのは、妊娠中にも関わってくることも原因の一つです。妊娠前から健康的な体が大切です。
体重管理の仕方とやってはいけないこと
「妊娠中、体重が止まらない・・」と心配してる妊婦さんに体重管理についてのお話をしていきます。
まず知っててほしいことは、体重管理の目的は「健康」です。食事制限をしたり、"痩せたい"とダイエットをするのは、かえって母子ともにリスクを背負うことになります。十分にここだけは理解しておくことが大切です。
体重管理のポイント
体重管理のポイントについて解説していきます。
つわりの時は体重を気にしない
妊娠中の食べつわりでつい食べてしまったり、体重増加につながったりすることはあると思います。つわりの時は、あまり体重を気にしすぎないようにしましょう。
空腹になると気持ち悪いときに、体重のことを考えるとかえって負担になります。特に初期~中期は気にしすぎないようにしてくださいね。
体重の増加は1週間単位でチェック
体重計にのる週間をつくり、毎日同じ時間に量るようにしましょう。そうすることで、急激な体重増加を防ぐことが出来ます。
ここでポイントは1週間単位でチェックして調整していくことです。1日で体重が増えたり減ったりしてもまたすぐに戻ることがあるので、これにとらわれてしまうとしんどくなってしまいます。1週間単位で体重の増減をチェックして、増えすぎたなと思ったときには食べ物の質や量を見直していきましょう。
食事の質を見直しましょう
体重が増えすぎているとき、ついつい脂っこいモノや糖質の高いお菓子やパンを食べ過ぎたり、寝る前に暴食してしまったりしていませんか?食事の回数や量を減らすよりも、まずは食事の質を見直すことが大切です。
- ・糖質の高いパン→ごはん
- ・ごはん単品→汁物、野菜をプラス
- ・甘いジュース→お茶やハーブティー
- ・スナック菓子→果物、ゼリー
また、3食がっつり食べたり、ダラダラ食べてしまう方は、1日の食事回数を5回にして暴食をおさえることもおすすめです。
塩分の摂りすぎを控える
塩分の摂りすぎは肥満やむくみに繋がりやすくなっています。外食やコンビニ食、ジャンクフードには塩分がとても多く、添加物が多く含まれています。
ですが、健康のためにも栄養のあるフードデリバリーをしたり、できる限りでいいので簡単な自炊をするように意識していくことが大切です。
家事やウォーキングでカロリー消費
妊娠中、運動不足がむくみや肥満に繋がってしまいます。妊娠後期は特に、お腹が大きくなって動くのも一苦労。
もちろん過度な運動や働きすぎは危険ですが、体調の良いときには家事をしたり、家の周りをゆっくり歩いたりして少しの運動、ストレッチがおすすめです。血液の促進や、運動不足解消だけでなく、気分もリフレッシュされるのではないでしょうか♪
注意!やってはいけないこと
体重管理をするうえで、次のようなことには十分気をつけていきましょう。
- ・過度な運動、ダイエット
- ・食事制限
最初にも伝えたとおり、体重管理は健康が目的です。妊娠中に食事制限をしたりダイエットをすることは危険です。絶対やめるようにしましょう。
さいごに
妊娠中の体重管理はとても大切であることをお伝えしてきました。痩せすぎも太りすぎも、おかあさん、お腹の赤ちゃんにはよくありません。
ストレスにならない範囲で食事を整え、規則正しい生活をすることが大切です。適正体重のなかで健康的に生活をしていきましょう♪