「妊娠したかも?」と思われる症状は、ほとんどの方が初期から現れますが、妊娠超初期という早い段階からある方もいます。
妊娠のサインはさまざまあり、そのひとつが「おりもの」です。おりものは、毎日の体の状態を教えてくれる大事な役割を持っています。
妊娠超初期であることに気づかない方も多いですが、おりものの変化とともに様々な症状が出ることで妊娠が判明することも。
今回は、妊娠超初期の症状について解説し、特におりものにはどのような変化が現れるのかを解説していきます。
目次
妊娠超初期とは?妊娠の始まりはいつ?
妊娠超初期とは、妊娠0〜3週目までのことをいいます。
といっても、妊娠0週0日は、生理開始日のことなので実際には妊娠していません。
ではなぜ生理開始日が妊娠0日なのでしょうか。
ここでは妊娠の始まりや妊娠超初期症状がいつから現れるのかを見ていきます。
妊娠の始まり
妊娠するには精子と卵子が出会わなければなりませんよね。
つまり受精し、着床して初めて妊娠したと言えるわけです。
しかしいつ着床したかという細かい日にちまでは特定することができません。
妊娠から出産までの週数を数え、その時期にあった検査や数値を測る必要があります。
そのため、基準を明確にするために最終月経開始日を妊娠0週0日としているのです。
妊娠超初期症状はいつから?
妊娠0週0日は最終月経開始日ですが、実際に妊娠するのは妊娠3週目ごろです。そのため、妊娠超初期症状も妊娠3週目ごろから始まります。
ちょうど生理前と時期が重なっているため、妊娠に気づかなかったり、少量の出血がある場合は生理と勘違いしたりする方も少なくありません。非常に微妙な時期なので、症状の出方にも個人差があるのです。
おりものとは?
おりものは女性にとっては少し厄介なものというイメージを持たれている方もいらっしゃるでしょう。確かに、下着に付いたり、においがきつかったりすると気分が下がりますよね。
しかし、おりものは、子宮や膣などから分泌されたり、古い細胞が剥がれ落ちたりしたものが混ざったもので、私たち女性の体の管理をしてくれている大事なものなのです。
それでは、おりものは具体的にどのような働きをしているのでしょうか。主な働きは2つあるので紹介していきます
膣内を清潔な状態に保つ
女性の膣の位置ですが、肛門や尿道と近いですよね。そのため、雑菌が入りやすい状態にあり、トイレに行くときでも注意が必要です。
例えば、用を足して最後に拭くときに「前から後ろに向かって拭いて」などと親に言われたり、学校の保健の授業などで聞いたりしたこともあるでしょう。そのぐらいデリケートな部分なのですが、その雑菌から守ってくれるのがおりものです。
雑菌が膣内や子宮に入ると、さまざまな炎症を引き起こしてしまいます。おりものが出ることで、侵入しようとしている雑菌を押し返し、一緒に外へ流れていくのです。
いつもは、わずらわしいなと思いがちなおりものですが、身を挺して守ってくれているようで、なんだか頼もしい存在に思えてきますね。
受精の手助けしている
おりものの大事な働きのもう一つは受精の手助けをすることです。性交渉の際の痛みを緩和してくれたり、おりものが流れを作って精子が卵子のところまで届くようにしてくれたりします。
おりものは自分の身を守るためということを大前提に、新しい命の誕生をアシストしてくれる面もあるため、悪いことばかりではありません。常にあなたの体のことを思ってその役割を果たしている働き者なのです。
おりものの違い
おりものは、いつもに同じ状態ではありませんよね。さらさらしていたり少し粘り気があったり、量やにおいも違います。これは年齢や生理周期、体調の変化などさまざまな条件によるものです。ここでは、おりものがどのような条件で変化するのかを見ていきます。
おりものは年齢によって違う?
おりものは年齢が進むにつれて徐々に変化していきます。初潮から閉経までの間、どのように変化していくのでしょうか。
初潮〜10代
女性ホルモンの分泌が増えていきますが、まだまだ不安定です。そのため、おりものの量も多かったり少なかったり不安定な状態がしばらく続きます。最初はおりものの感触に慣れずに気持ち悪いかもしれないので、おりものシートを使うと気持ち悪さも軽減されますよ。
20〜30代
妊娠するのに適した時期とされ、女性ホルモンが一番活発に分泌されます。そのためおりものの量は10代のころに比べると増えていき、周期も安定してくるのです。人によっては分泌量が多すぎて下着を汚してしまうこともあるので、おりものシートをこまめに替えるようにするといいですね。
40代〜閉経まで
この頃になると、徐々に女性ホルモンの分泌量が減っていき、おりものも少なくなってくるので、20~30代の頃より潤いがなくなります。閉経に向けて生理周期も不規則になっていくのです。
閉経後
この頃にはおりものはほとんどなくなるため、乾燥気味になります。膣内に雑菌が入りやすくなってしまい感染症や炎症などにかかりやすくなるのです。40~50代から女性特有の病気が多くなる一因となっています。
生理周期でおりものが変わる
生理周期によってもおりものの変化があります。
生理直後
排卵期
黄体(おうたい)期
生理前 |
↓
↓
↓
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おりものの状態によっては病気が隠れている可能性も
おりものは、妊娠だけでなく病気のサインが隠れていることもあります。
例えば、においがいつもよりきつかったり、ぽろぽろとカッテージチーズのような形をしていたり、泡状になっていたりすると危険です。
おりものがいつもと違うなと感じたら、妊娠を疑うのと同時に病気の可能性も考えて一度病院を受診することをおすすめします。
知っておきたい妊娠超初期のよくある体の変化
妊娠超初期でも、いつもとは違うさまざまな変化がみられます。
生理と似ている症状もあるので間違いやすいですが、どのような症状が現れるのか具体的にみていきます。
おりものの変化
妊娠超初期になると、おりものにも若干の変化が。妊娠すると、お腹の中の赤ちゃんを守るためにおりものの分泌量が増えます。雑菌が入り込んでは大変だからです。
においもいつもより酸っぱいような鼻をつく感じがし、さらさらのおりものが出ます。色は白っぽく時間が経つと黄色に変色しますが、着床出血している場合は薄茶色になることも。
妊娠超初期であってもこのような症状が出るので、普段はおりものが少ない、においがあまりしないなどの方は気づきやすいかもしれませんね。
おりもの以外の妊娠超初期症状
おりもの以外にも妊娠超初期症状が現れます。ちょっとした変化が多く、その時だけかなと思って過ごす方もいらっしゃるでしょう。妊娠超初期症状に当てはまるものをご紹介していくのでチェックしてみてください。
胸が張る | 胸がチクチクしたり、乳首が痛かったりする |
下腹部痛 お腹が張る | チクチクした痛みや下腹部に鈍い痛みが出る お腹がピンと張るイメージ |
胃がむかむかする | 吐くまではいかないけれどなんとなく胃が気持ち悪い |
昼夜関係なく眠い | 夜更かししたわけでもないのに、昼間も常に眠くてだるさもある |
めまい | 貧血を起こした時のようなふらつきがある |
便秘または下痢気味 | お通じが悪くなったり、逆にいきなり下痢気味になったりすることも |
イライラする | 些細なことでイライラしたり、気になったりする |
食欲がなくなった 食欲がありすぎる | 今まで普通に食べていたものが食べられなくなったり、異常にお腹が空いたりする |
風邪症状のようなものがある | 熱っぽさやだるさがある |
トイレが近い | 急に頻尿気味になり、ひどくなると膀胱炎になることも |
生理が来ない | 生理予定日になっても生理が来ない |
ちょっとした出血がある | いつもの整理とは違う少量の出血が短期間ある |
上記は妊娠超初期症状の一部ですが、これらの症状があれば妊娠している可能性があります。気になる方は病院を受診してみてください。
生理前との違い
妊娠超初期は生理前と似たような症状がありますが、違うところもあります。例えば、眠くなる、イライラする、風邪症状のようなものがあるといった症状は、どちらの場合も当てはまるという方が多いのではないでしょうか。
そのため、妊娠したのか区別がつきにくいのですが、生理前の症状と違う点は、基礎体温の変化です。生理前までは高温期が続きますが、生理予定日になると、ガクンと体温が下がります。それに対して、妊娠超初期は体温が下がらずに生理予定日になっても高温期がずっと続くのが特徴です。
とはいっても、生理予定日になってもそれほど体温の変化が見られない方もいらっしゃいます。そのため、基礎体温だけで妊娠したと決めつけるのはやめた方がいいでしょう。その他の体の変化と総合的に見て、病院で診断してもらってくださいね。
妊娠超初期に妊娠検査薬は使える?
妊娠超初期には妊娠検査薬が使えるのか気になる方もいらっしゃると思います。なにか症状がみられる場合は、妊娠しているのか早く知りたくなりますよね。
しかし、妊娠検査薬は妊娠4週頃からでなければ結果が出ません。妊娠超初期は妊娠3週頃までなので、もう少し待ってから使用するのがいいでしょう。
まとめ
妊娠超初期は、まだ妊娠検査薬でも反応が出にくい時期ですが、おりものの変化や体調の変化など、妊娠の兆候を感じることがあります。
これらの変化は個人差が大きく、必ずしも全員に現れるわけではありませんが、知っておくことで心の準備ができます。
もし妊娠の可能性を感じたら、焦らずに、まずは自分の体の変化を観察してみましょう。