出産予定日、気になりますよね。「いつ赤ちゃんに会えるんだろう?」と、楽しみな気持ちと同時に、ドキドキ、ソワソワしている妊婦さんも多いのではないでしょうか。
この記事では、出産予定日の計算方法や、よく聞く「十月十日」という言葉の由来について詳しく解説します。
また、人工授精や体外受精、予定帝王切開の場合の出産予定日の決め方も紹介します。
「出産予定日はどうやって計算するの?」「十月十日って本当?」そんな疑問をお持ちの妊婦さんや、これから妊娠を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
この記事を読むことで、出産予定日についての理解を深め、安心して妊娠期間を過ごせるはずです。
目次
妊娠の始まりはどこから?
妊娠とは精子が卵子と出会い、受精し、着床すること。それによってお腹の中で赤ちゃんが成長していきますよね。そのため、着床した日が妊娠0日になると思っている方も多いのではないでしょうか。
しかし実はこれは少し違います。確かに着床することが始まりなのですが、受精や着床した日を特定するのはとても難しいことなのです。
では一体いつを妊娠0日とするのでしょうか。ここでは、妊娠の始まりや妊娠のサインについてみていきます。
妊娠週数とは?
妊娠の始まり、つまり「妊娠0週0日」とは、最終月経開始日のことをいいます。1週は0日から始まり6日で終わるため、「0週6日」の次の日は「1週0日」と数えるのです。
「月経が始まっているのに妊娠0日?」と不思議に思う方も多いでしょう。しかし、いつ着床したかということは検査でもわからないため、着床を妊娠開始の基準にすることができません。その代わりに、妊娠週数を数えるのに分かりやすくするため、最終月経開始日を妊娠0日と定めているのです。
例えば、「生理が遅れているから妊娠かも?」と病院に行ってみると、もう妊娠2か月目に入っていたという方もいらっしゃると思います。これは、最終月経開始日を基準に数えていたからというわけです。
もし最終月経開始日が分からないという場合は、病院で検査してもらった時に、赤ちゃんの大きさなどからその時の大体の妊娠週数が分かるので、大丈夫ですよ。
妊娠のサイン
妊娠した時の症状にはいくつか特徴があります。最近体調がおかしいなと思ったら妊娠していたということもあるので、妊娠初期によく見られる症状をご紹介します。
症状 | |
吐き気 |
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眠気 |
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身体が重い |
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微熱が出る | 妊娠すると基礎体温が上がるため、風邪と間違いやすい |
着床出血 |
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おりものの変化 |
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匂いに敏感になる |
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胸が張る |
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手や足がむくむ |
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この他にも、「なかなか眠れない」「頭痛・腰痛がある」といった症状が出る方も。上記のような症状がある場合は、一度病院を受診し、とにかく無理はせずできるだけゆっくり過ごすようにしてくださいね。
妊娠初期・中期・後期の区分
妊娠期間は、妊娠初期、中期、後期と分かれていて、それぞれ○週〜○週までと決まっています。それぞれの期間に起こる母体や赤ちゃんの変化は以下の通りです。
妊娠週数 | 母体の変化 | 赤ちゃんの状態 |
妊娠初期(1〜4カ月) 0週0日〜15週6日 |
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妊娠中期(5〜7カ月) 16週0日〜27週6日 |
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妊娠後期(8カ月〜) 28週0日〜 |
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正期産とは
正期産とは、妊娠37週0日〜41週6日までの間に出産することをいいます。また、「正産期」という言葉を聞いたことがある方もいらっしゃるでしょう。これは、「出産するのに適している、または安心ですよ」といわれている期間のこと。ほとんどの方がこの時期に出産をします。
その他にも「早産」「過期産」と呼ばれる出産も。早産とは予定日よりも早く生まれることで、妊娠22週0日〜36週6日の間に出産することです。感染症にかかったり子宮に何らかの異常があったりする場合、早産となる可能性があります。
また、赤ちゃんや母体にとってこれ以上の妊娠継続は危険と判断された場合は、医師の判断によって早めに出産させることも。
早産で生まれた子は、身体の機能が未発達であるため生存率が普通よりも低く、障害が出る可能性もあります。
過期産とは、妊娠42週0日以降の出産のことをいいます。予定日を過ぎていることから、赤ちゃんが大きくなりすぎたり、羊水が減ったりといったことが起こるため、あまりにも日数が経つと危険な状態に。そのため、陣痛促進剤を打って陣痛を誘発させたり、帝王切開で出産したりといった選択も取られるのです。
出産時期 | 原因や対応 | |
早産 | 妊娠22週0日〜36週6日 |
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正期産 | 妊娠37週0日〜41週6日 | 適した時期に出産すること |
過期産 | 妊娠42週0日以降 |
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出産予定日はどのように決まる?
妊娠の基準は、最終月経開始日ですが、出産予定日はどのように分かるのでしょうか。実は出産予定日を割り出すにはある計算方法を使うのです。ここでは出産予定日の出し方や「十月十日」といわれる由来についてみていきます。
出産予定日の計算方
まず、1週は0~6日の7日間で、4週で1カ月と数えます。そのため、1カ月は日数で表すと28日間ということになります。出産予定日は40週0日(280日目)。最終月経開始日に280を足した日が赤ちゃんの誕生予定日となるのです。
といっても、カレンダーを見ながら280日数えるのは大変ですよね。40週数えるのであればそれほど難しくはありませんが、すぐに知りたいという方は「ネーゲレ概算法」という計算式があるので、ぜひ活用してみてください。
例)
最終月経開始日 | 計算 | 出産予定日 |
4月1日 | (4-3)月(1+7)日 | 1月8日 |
1月1日 | (1+9)月(1+7)日 | 10月8日 |
最終月経月が4~12月だった場合、最終月経月から3を引き、1~3月だった場合は9を足して計算をします。日付はどちらも7を足して導き出す計算式です。
しかしこちらは生理周期が28日の方に当てはまるもの。そうでない方や生理不順の方はこちらで計算しても予定日にずれが出ます。また、これはあくまで予定日であり、妊娠期間中の体調や赤ちゃんの成長具合によってもずれが出るので、あくまで目安として覚えておくといいでしょう。
「十月十日」ではない?
妊娠期間について、昔から「十月十日(とつきとおか)」といわれていますよね。しかし実際は、それほど長くはなく9カ月ほど。では、なぜ十月十日といわれているのでしょうか。
これには昔ながらの「数え」で数えていたことからきているのではないかという説があります。例えば、現代では0歳の子のことを、昔は1歳と数えていました。
このことから1カ月は現代と同じ28日間とし、9カ月を10カ月と数えていたのではないかと考えられます。また、昔は妊娠の始まりを受精した日としていたため、最終生理から排卵日までの14日と10日を足して予定日としていたのではないかといわれているのです。日数にしてみると以下のようになります。
9カ月(28日×9)+10日=252→252+10=262日→262+14=276日 |
または、1カ月を30日とし、計算していたのではないかという説もあります。
9カ月(30日×9)+10日→270+10=280日 |
どちらも現代の出産予定日と近いことが分かります。数え方は変わってきましたが、「十月十日」という言葉だけ残り、今もなお使われているんですね。昔の人たちも正確に計算していたのだと思うとすごいなと感じます。
人工授精や体外受精、予定帝王切開の場合は?
ここまでは自然に妊娠し、普通分娩の場合の出産予定日を紹介してきましたが、人工授精や体外受精した場合は、どのように出産予定日を出すのでしょうか。
この場合は、最終月経開始日から数えるのではなく、母体から採卵した日や胚移植日を2週目0日とし、これが基準となります。出産日は2週分早い266日後とし、あとは多少のずれが出るのは一般的な妊娠と同じです。
ちなみに、予定帝王切開の場合、普通分娩の方と同じく一応280日後に出産予定日と定めます。しかし帝王切開は妊娠37~38週目にすることが多いため、だんだん出産が近づいてくると、手術の予定を決めます。最終的には、自分の体調や都合によって出産予定日が決められるというわけです。
まとめ
妊娠週数を数える際、受精した日が0日なのでは?と思いがちですよね。しかし、排卵日を正確に知ることは難しく、いつ着床したのかあいまいなため、最終月経開始日が起点となります。
実際は出産予定日とずれることがほとんどですが、先に予定日が分かっていると、赤ちゃんを迎える準備や出産に向けての心の準備もできますよね。
「今自分は妊娠何週目なんだろう?」「出産予定日はいつ?」と気になる方もいらっしゃるでしょう。そんな時は、簡単に調べられるツールもあるためぜひ活用してみてください。