「おしるしってどんなもの?」「破水と何が違うの?」「おしるしから陣痛まではどれくらい?」
出産が近づくと、おしるし、破水、陣痛など、さまざまな兆候が現れます。
これらの兆候は、出産の準備が整いつつあるサインですが、それぞれどのような違いがあり、いつ病院に行くべきなのか、把握できていない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、おしるし、破水、前駆陣痛の違いや、それぞれの症状、病院に行くタイミングを詳しく解説します。
安心して出産を迎えられるよう、ぜひ参考にしてくださいね😊
目次
おしるしとは
おしるしとは、出産が近くなるとみられるもので、少量の出血があります。
出産に向けて子宮口が少しずつ開いていくのですが、出血はその時に起こる子宮の収縮などが原因です。
少量の出血だけではなく、ピンク色や茶色くなったおりもののようなものもみられます。
おしるしが見られる時期は出産間近というだけで、出産の何日前などと決まっているわけではありません。1週間前という方もいますし、2~3日前という方もいて個人差があるのです。そのため、おしるしがきてから数日間はそわそわした日々が続きます。すぐに陣痛が来てくれるとありがたいのですが、なかなか来ないと正直気が気ではないです。
また、おしるしがないまま破水や陣痛がきたという方もいますので、絶対に起こるものというものでもありませんが、多くの方がおしるしを経験しています。
破水の種類
破水とは、卵膜が破れて羊水が外へ流れ出すことをいいます。
破水もおしるしと同じくいつ起こるか分かりません。陣痛前に来るものや陣痛後に来るものなど種類もさまざまで、適時破水、早期破水、前期破水、高位破水と4つあります。
破水が起こるタイミングによって違いがあるのですが、ここではこの4種類の破水について詳しくみていきます。
適時破水
適時破水とは通常のタイミングで起きるもののことです。通常のタイミングというのは子宮口が全開(10cm)になったとき。本当に赤ちゃんが出てくる直前です。この場合は大体が分娩台の上での破水となるため、そのまま出産できるので安心ですね。
早期破水
早期破水とは通常より少し早いタイミングで起こり、陣痛の始まりから子宮口が全開になるまでの間にあります。陣痛が始まってからであれば、自宅か病院どちらでも破水する可能性がありますが、自宅で破水した場合は新しい下着に着替えてナプキンなどを当てるようにしてください。
前期破水
前期破水とは、陣痛が始まる前に起きるものです。赤ちゃんがまだ出てくる準備を整えていないときに羊水が流れ出てしまうため、膣から子宮に細菌が入る可能性があります。37週以降であれば破水して24時間ほどで陣痛が来るので大丈夫ですが、それよりも前に破水してしまうと感染症にかかる危険があるので早めに病院へ行くようにしてください。
高位破水
高位破水とは、卵膜の上部が破けることです。通常の破水は子宮口に近い部分が破けるので、大量の羊水が流れ出ますが、高位破水の場合、上部が破けるので羊水の量は少しずつ流れます。
前期破水で起きやすく、量が少ないことからおりものと間違いやすいのが特徴です。おりものは出てくるのを自分の力で止めることもできますが、破水している場合は自分の力で止めることができないので、見分けるポイントとなっています。
前駆陣痛とは
出産間近になると、いつもとは違うお腹の張りを感じることがあります。これが前駆陣痛です。前駆陣痛とは、子宮口を柔らかくするために子宮が収縮することで痛みを感じます。ほとんどの方が経験するのですが、こちらも起こる時期は決まっていません。
陣痛の違うところは、1日に起こる回数も、1回の痛みが続く時間もバラバラであるということ。本陣痛は痛みの間隔が一定で、徐々に痛みが強くなってくるのが特徴なので、すぐに分かります。
前駆陣痛が来た後は、おしるしの時の同じように、本陣痛が来るまで落ち着かない日々が続くかもしれませんが、できるだけリラックスしてあまり考えすぎないようにしましょう。前駆陣痛の痛みは、少し横になってすぐにおさまる場合は大丈夫ですが、痛みが強くなったり出血があったりする場合は早めに病院を受診してください。
おしるし・破水・前駆陣痛の違い
出産前には、おしるしや破水、前駆陣痛などのサインが現れます。それぞれ特徴があるので、いつもと違う症状が出たなといったときのためにぜひチェックしてみてください。
特徴 | 病院を受診するタイミング | |
おしるし |
| すぐに受診する必要はない |
破水 |
| 感染症の心配があるのですぐに受診する必要がある |
前駆陣痛 | ・痛みの程度や長さが毎回違う |
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この他にも、お風呂の有無ですが、おしるしの場合はお風呂に入っても大丈夫です。前駆陣痛の場合も、おしるしと同様におふろはOK 。しかし破水した場合は我慢です。この3つの中では破水が一番お風呂に入りたくなりそうですが、シャワーや湯船のお湯が感染症のもとになってしまう可能性があります。
もし服や体が汚れた場合は、下着を替えて汚れた箇所を拭くようにしてください。ただし下着の中は絶対に拭かないように。膣内に菌が入ってしまうかもしれないので、生理用ナプキンを当てるなどして対処しましょう。
危険なおしるし
正常なおしるしの場合はすぐに病院を受診する必要がありませんが、そうでない場合は一度病院へ相談してみるか、そのまま病院へ向かった方がいいでしょう。
危険なおしるしの特徴には以下のようなものがあります。
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おしるしは妊娠37週以降であれば大丈夫ですが、それ以前の場合は、早産になることも考えられます。早産になると、赤ちゃんの生存率も下がってきますし、低出生体重児が生まれる可能性も。
また、真っ赤な鮮血が見られたり、痛みやお腹の張りがあったりした場合、常位胎盤早期剥離などが起きていることも考えられます。一刻を争いますので、すぐに病院で診察を受けるようにしてください。
常位胎盤早期剥離 | |
考えられる原因 | 妊娠高血圧症候群、喫煙など |
症状 | ・妊娠中に突然胎盤が剥がれてしまう ・腹痛、サラサラした出血など |
赤ちゃんの状態 | ・低酸素状態になる |
おしるしが来る前に準備したいこと
おしるしは突然やってきます。おしるしがきてもすぐに病院へというわけではありませんが、出産が近いことは確かなので、事前に準備しておくとあとあと楽ですよ。ここではおしるしが来る前に準備したいことについて解説していきます。
歯の治療や美容院
できれば妊娠後期に入る頃には済ませておいた方がいいですが、歯の治療や美容院は出産後なかなか行けません。また、おしるしがあった場合早ければ数日で破水する方もいらっしゃるので、おしるしがある前に行っておくと出産後も安心ですよ。
赤ちゃん用品の確認
妊娠後期にもなると、赤ちゃん用品をそろえ終わったという方も多いのではないでしょうか。そういう方でも、今一度赤ちゃん用品の確認をしておくのがおすすめ。意外と、綿棒や爪切り、湯温計など細かいものを買っていなかったなんてこともあります。
買い物リストや準備リストなどを使ってそろえた方は、買ったものと照らし合わせて漏れがないかチェックしてみてください。
入院準備
入院時に持っていくものは、できるだけひとつのバッグにまとめるようにしましょう。玄関近くに置いておくといざ病院へ向かう時にすぐに家を出ることができます。
肌着やタオル類は多めに持ち、母乳パッドも忘れがちなので注意してください。そして同じくらいうっかりしてしまうのが赤ちゃん用品です。赤ちゃんが生まれたら、産後の回復状況を見て基本的に入院中も自分でお世話するようになります。そのため、ガーゼやおくるみなど赤ちゃんのお世話に必要なものも忘れてはいけません。
お見舞いに来てくれる方がいるのであれば後で持ってきてもらうのもいいですが、そうで場合は、ご自分と赤ちゃんの両方の用品を準備してくださいね。
おしるしが来たらどうする?
おしるしがきても、すぐに出産というわけではありません。そのため、慌てて何かしなければいけないということはありませんが、もし下着が汚れてしまった場合はすぐに取り換えましょう。
また、続けて破水や陣痛が来ることも考えられますので、お産パッドや生理用ナプキンを当てるようにして、いつでも破水や陣痛が来てもいいようにしておきます。
他にも、部屋の掃除や赤ちゃんが過ごす場所を整えたりして赤ちゃんを迎える準備を万全にし、遠出は控えるようにしましょう。お出かけ先で破水や陣痛が来た時にすぐに対処できるよう近場で済ませるようにしてください。
まとめ
おしるしは、破水に比べてあまりよく知られていないので、「破水と何が違うの?」と思う方もいらっしゃるでしょう。
しかし、突然陣痛が来て心の準備もできないまま出産とならならないための大事なサイン。なんだか妊娠初期に見られる着床出血と似ていますよね。着床出血は妊娠を知らせ、おしるしは「もうすぐ赤ちゃんが出てきますよ」という文字通りのしるしです。
臨月に入ると、いよいよ出産が現実味を帯びてきて、不安になったり、いつ陣痛が来るんだろうと少し怖くなったりしますが、おしるしがあれば心の準備もできるのではないでしょうか。
初めての出産の方は特にナーバスになることもあるかと思いますが、おしるしがあったときには、「赤ちゃんが生まれてくる準備をしている」と思って、会える日を楽しみに過ごすといいですね。最後まで素敵なマタニティライフを送れるよう影ながら祈っています。