「臨月」とはどんな時期?「どんなことに気をつければいいの?」「出産のサインってどんなもの?」と疑問に思っている妊婦さんも多いのではないでしょうか。
臨月とは、妊娠10ヶ月目にあたる時期で、出産予定日まであとわずか。赤ちゃんに会える喜びと同時に、出産への不安や体の変化による不調を感じる方もいるかもしれません。
この記事では、
- ・臨月とはいつのこと?
- ・臨月に起こる症状
- ・赤ちゃんの成長
- ・出産間近のサイン
について解説していきます。
「臨月って具体的にいつから?」「どんな症状が出るんだろう?」「出産が近づいているサインって?」など、疑問や不安を抱えている方は、ぜひ参考にしてください。
この記事を読むことで、臨月を安心して過ごし、出産に向けての準備を進めることができるはずです😌
目次
臨月とは?
別名「産(う)み月」と呼ばれ、出産予定日までの約1ヶ月間を指します。(ワクワク、ソワソワしますね)
臨月であってもまだ正産期(母子ともに安全に出産できる時期)ではないので、臨月に入ったらいつでも出産OKというわけではありません。
臨月はいつから?
臨月とは妊娠36週0日~39週6日の間、つまり妊娠10カ月目を指します。正産期と時期がほとんど同じです。
ここでは、臨月と正産期の違いや、なぜ「臨月」と呼ばれるのかということについてみていきます。
正産期(せいさんき)との違い
出産には、「このぐらいに出産すると安全ですよ」といわれている医学用語「正産期(せいさんき)」があり、妊娠37週0日~41週6日までの出産のこと「正期産(せいきさん)」をいいます。
それより早いと「早産」、
遅いと「過期産」と呼ばれ、
早産の場合は特に母子ともに危険な状態になることも多いので、注意が必要です。
臨月はあくまで妊娠10カ月のことを指しているだけで、出産の適正時期については関係ありません。
逆に正産期とは妊娠週数関係なく出産するのに一番ふさわしい時期のことを指しているので、違いが出ているのです。
なぜ「臨月」といわれるの?
ではなぜ妊娠10カ月のことを「臨月」というのでしょうか。「臨」とは、「その場、その時に直面する」「その時になる」という意味があります。
妊娠10カ月は出産する月ですので、「出産に直面する月」ということを表して「臨月」と呼ばれているのです。「臨む(のぞむ)」とも読むので、「出産に臨む月」とも取れますね。
臨月に起こる症状
臨月になるといよいよ出産間近ですが、出産までの間もさまざまな症状が起こります。主な症状は以下のとおりです。
お腹の張り
お腹の張りとは、子宮の筋肉が収縮して硬くなっている状態で、おなかが硬くなったように感じます。
お腹の張りの感じ方は人それぞれで、
- ・『お腹がキューッとしぼむ感じ』
- ・『下腹部が重く、生理痛のような痛みが出る』
などさまざまあります。
お腹の張りは、いわば陣痛の予行演習(リハーサル)のようなものです。
妊娠中は、赤ちゃんを子宮の中にとどめるために子宮の出口は硬く保たれていますが、おなかの張り(子宮筋の収縮)刺激で、赤ちゃんが生まれてくるための子宮の出口が開いてきたり、赤ちゃんが通ってくる産道も少しずつ軟らかくなってきたりします。
妊娠中のからだが少しずつ出産に向けて準備運動していると思うと良いでしょう。
お腹の張りが不規則(あるいは規則的)に起きてくると、前駆陣痛や陣痛に繋がっていきます。
吐き気
妊娠初期や中期はつわりの症状のひとつとして吐き気があった方も多いでしょう。妊娠後期になると、内臓が大きくなった子宮に押され、あちこちに寄せられます。
胃もそのひとつで、赤ちゃんのスペースを作るため仕方のないことですが、これがまた苦しいのです
何か食べるとすぐにお腹いっぱいになったり、吐き気がしたり。胃が圧迫されることでこれらの症状が現れます。
この場合の対処法はつわりと一緒で、何回かに分けて食事をし、1回分の量を少なくすること。しかしこれはあくまで食事に限ります。
お菓子が量的にもちょうどいいといって頻回に食べすぎると、体重が増えてしまい、糖尿病になってしまう可能性もあるので気をつけましょう。
むくみ
妊娠中はただでむくみやすいのですが、臨月に入る頃には、気づいたら手も足もパンパンになっていたという方も多くみられます。
そのため、普段はいている靴がいつの間にか履けなくなってしまうことも。
妊娠中はホルモンの働きによって水分量が増加し、むくみやすくなるのですが、臨月になるとそれに加えて、大きくなったお腹が血の巡りを悪くし、むくみがひどくなってしまうのです。
産後になると、少しずつ改善されていきますが、どうしても辛いときは、足を少し高くして横になったり、着圧ソックスを履いたりすると、少し楽になりますよ。
恥骨痛・頻尿
臨月になると、お腹の中の赤ちゃんも新生児と同程度の大きさで力も強くなってきます。この時期には恥骨付近を蹴られることが多いため、蹴られるととても痛いです。
また、蹴られるのと同時に赤ちゃん自身も下に下がってくるので、膀胱が刺激されて何度もトイレに行きたくなってしまいます。赤ちゃんが蹴ることも下に下がってくることも止めることはできないので、うまく付き合っていくようにしましょう。
おりものの増加・尿漏れ
臨月に入ると、大きな子宮が膀胱を圧迫するため、少しの衝撃で尿漏れを起こしやすくなります。(夜中も尿意で目が覚めることも多々…)
例えば、立ち上がったときやくしゃみをしたときなど、日常生活のほんのちょっとしたことです。
おりものの量もまたさらに増えるので、下着を汚したくないという方は、おりものシートや生理用ナプキンなどをつけ、こまめに替えるようにしましょう。
眠れない
臨月の妊婦さんには、眠れないという方も多くみられます。その原因は以下のことが考えられます。
眠れない原因 |
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横になって多少楽になるとはいえ、やはりお腹が大きいと内臓が圧迫されますし、息苦しくなります。
また、赤ちゃんは昼夜問わず一定の感覚で寝たり起きたりを繰り返しているので、お母さんが寝ていたとしても赤ちゃんが動くことはよくあることです。
その上、すぐにトイレで目が覚めたり、出産について考えたりすると不安が募ってきて眠れなくなることも。
どうしても眠れないときは、温かい飲み物を飲んだり好きな音楽を聞いたりして一度リラックスするのがいいでしょう。
臨月の赤ちゃんの状態
臨月の赤ちゃんは2,500~3,000gほどの大きさまで成長し、生まれてきてもいい状態にあります。内臓の機能も発達し、脂肪もついてふっくらとした体形に。
髪や爪も伸びて赤ちゃんらしくなり、いつ出てきても大丈夫なように準備をしているのです。
動きも中期ほど活発ではなくなり、一定のリズムで寝たり起きたりしながら、頭は下に固定されていきます。
お腹も子宮も限界まで伸びて薄くなっているので、赤ちゃんの蹴る動きなどがとてもリアルに感じますよ。赤ちゃんもお母さんに早く会いたくてうずうずしているのかもしれませんね。
出産が近いサイン(出産の兆候)
出産が近づくとさまざまなサインが訪れます。もちろん、何の前触れもなく陣痛が来たという方もいらっしゃいますが、陣痛の前に、前駆陣痛やおしるしなどがあったという方も。
ここでは、前駆陣痛やおしるし、破水について詳しくみていきます。
前駆陣痛
出産予定日付近になると、いつもとは違うお腹の痛みを感じることがあるかもしれません。
・「石のように固かった」
・「キューッと引っ張られるような感覚があった」
など、お腹の張り方は人それぞれですが、それは「前駆陣痛」である可能性も。
前駆陣痛とは、臨月に入った頃から起こるもので、本格的な陣痛が来る前の練習のようなものです。
- ・生理痛のような痛み
- ・チクチクした痛み
- ・ドシンと重みのある痛み
- を感じる方などさまざま。
前駆陣痛は、1日に起こる回数も、1回の痛みが続く時間もバラバラであることが特徴的で、陣痛とははっきりとした違いがあります。
少し横になってすぐにおさまる場合は大丈夫ですが、痛みが強くなる、回数が多い、出血があるなどの場合は早めに病院へ連絡してください。
おしるし
おしるしとは、出産間近にみられる出血のことです。子宮口の広がりや、子宮の収縮によって起こり、少量の血や、ピンク色や茶色くなったおりもののようなものが確認できます。
しかし、出産間近とはいえ、それが出産の何日前に起こるかはわかっていません。出産の2~3日前なのか1週間前なのかは個人差があるのです。
そのため、入院準備が済んでいない方は、おしるしが来たらすぐに準備を始めましょう。
すでに準備が済んでいる方はできるだけゆっくり過ごすようにし、陣痛が来るのを待ちましょう。初めての出産の方はドキドキするでしょうが、慌てずに、深呼吸して自分を落ち着かせてくださいね。
破水
破水とは、羊水が外へ流れ出すことをいいます。よくドラマで、家にいるときに陣痛が来ていないのに破水したなんて場面を見ることもあるでしょう。
実は陣痛が来ていなくても破水することがあります。
その際は、とりあえず清潔なナプキンや量が多い場合は産褥シートなどをつけて、病院へ向かいましょう。バズタオルなどの大きめのタオルも一緒に持っていくと安心ですよ。
臨月の過ごし方
臨月の過ごし方で注意すべき点には以下のようなものがあります。あと少しで出産だからと気は抜かずに、出産するその時まで気をつけるようにしましょう。
運動
お腹が大きくて大変かもしれませんが、無理のない程度の軽い運動はしておきましょう。運動不足になると体力が落ちて出産が大変になります。
少しでも出産で苦しい思いをしないために、近所を散歩したり、拭き掃除をしたり、息苦しくならない程度に定期的に体を動かすようにしてくださいね。
食べすぎ注意
出産には体力が必要ですが、だからといって食べすぎには注意です。
あまり脂肪がつきすぎると、妊娠高血圧症候群になったり、出産の際に脂肪が邪魔をして難産になったりしてしまうこともあるからです。
食事の量はほどほどにして、バランスにも気を配るようにしましょう。お菓子の食べ過ぎにも注意してください。(ドキッ❣️)
遠出しない
臨月に入ったということはいつ出産してもおかしくない状態にあります。
そのため、あまり遠出をしてしまうと、何かあったときにかかりつけの病院まで時間がかかってしまう場合があります。
また、長時間同じ体勢でいることも避けたいので、車の運転やバス、電車の使用なども長い時間しないようにしてください。できるだけ近場で気分転換できる場所を見つけておくといいですよ。
赤ちゃんを迎える準備
赤ちゃんの寝る場所やお世話をするスペースを作っておきましょう。今一度赤ちゃんグッズの確認をし、足りないものはないかチェックしておくと安心ですよ。
まだ赤ちゃんグッズを買っていないという方は、買うものリストを作っておくと無駄なくそろえることができるのでおすすめです。
入院準備
いつ陣痛や破水などが起きてもおかしくないように、入院に必要なものをバッグにまとめておきましょう。できれば一つのバッグに入れておくと持っていくときに楽ですよ。
置き場所は部屋の構造にもよりますが、玄関に近いところにスペースがある場合は、すぐに出られるのでおすすめです。保険証や母子手帳などの小物も意外と忘れがちなので、まとめて入れておいてくださいね。
まとめ
臨月を迎えると、「いよいよ出産か」と不安とも楽しみともとれる何とも言えない気持ちになります。出産予定日は一応ありますが、ほとんどの方がずれるので、いつ生まれてきてもおかしくありません。
眠れなかったり、頻尿やむくみなどの悩みを抱えていたりする方もいらっしゃると思います。そういう時はこれまでの妊娠生活や、検診で見た赤ちゃんの様子を思い出してみると、赤ちゃんにやっと会えるんだと前向きな気持ちになれますよ。
出産まではまだまだ気をつけなければいけないこともありますが、赤ちゃんに会えることを楽しみにゆっくり過ごしてくださいね。